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権力とは使う為にある
第247話
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米料理はあった。
限られた食事処で提供してるらしい、イブ情報。
どこで採れるとか栽培をしているという訳ではなく、出荷元が邪神オンリーというレアさ。
神薙さんを祀る神社に人が途切れない理由がここに隠されていた!!
「邪神に一定の満足度を与えると店に米が現れるようです、ただ気分などで満足度も左右されるため必ずしも手に入る訳ではなく、店主達は米を手に入れる為にひたすら良い料理を提供しようと日夜努力しているとの事です」
「イブ凄い」
「十勇士の情報です」
イブって何歳だっけ?
将来的には十勇士を統率してもらう予定だったけど、なんかもうすでに手足として使ってるよ。
「続けます」
「はい」
なぜだろうか、イブの後ろにアカーシャが見えた。
うちの子って基本逞しいよね、のほほんとしていたブランが懐かしい、学校と自宅の往復のみでベル君が全然会わせてくれないんだ。
「米にはランクがあるようで、一定の満足度で手に入るのは『良質な米【R】』、好物をひたすら奉納し続けて手に入るのが『ブランド米【HR】、その他にも基準があって最高ランクが『神の米【SR】』のようです」
お米にランクあったんだね、知らなかった。
「ちなみに我が家で日常で食べている『異世界米コシヒカリ』は【LR】です」
さっきからちょいちょい気になってたんだけどさ、イブ何か変な影響受けてない?
女神様と交流ないはずだけど、なーんかゲームの影響受けてるっぽいんだよなぁ。
それにしても我が家で日常的に食べているお米、高級品だと思ってたけど最高ランクのお米だったんだね、騎士様どれだけ張り切ったんだろう、今度また調子に乗らない程度にお礼しておこう。
「シャムス様の乳歯も【LR】です」
「確かに数限られている上にいつ手に入るか分からないし、入手経路が限られてるけどね」
今のところ入手できたのってマシュー君一人だけ。
「最近ではギルドでも提供を始めたそうです。なんでも冒険者からの熱い希望があって、ギルドとの話し合いの結果、冒険者が納品した良質な素材などを定期的に奉納する代わりにギルドに米が卸される事になったみたいです」
「神薙さん素材食べる楽しみ覚えちゃったからね……歯応えが良いって言ってたし」
ギルドの事例があるならお米の流通は案外難しくないかもしれない。
でも安易に流通させると価値が下がっちゃうよねぇ、うーむ、僕は内政チートはないからこういう時悩んじゃう。
という事で頼れる大人、刀雲に相談してみた。
お休みの日にごめんね。
「流通は一先ず置いといて、ギルドと似たような条件で騎士団用に卸して貰うのはありかもしれない」
やる気に満ちた答えを貰いました。
「『神の米』で一番有名なのは港街にある海鮮丼を提供する店だな、初代店主が出店しようと料理を考えて味見を神薙に願って大当たりしたのが海鮮丼だって話だ。今も新しい料理を思いつくたびに奉納しているって聞く」
そう言えば一度も使ってないけど割引券貰ったね、食べに行く機会が全く訪れないけど。
「その話が広がって、神薙に気に入られると大当たりするって言う伝説が生まれた」
「伝説でも何もなくただの事実だよね」
そして多分ハードル上がってるんだろうな、皆さんごめんなさい。
「あの」
「イブどうしたの?」
いつの間にかもふもふの海に埋もれていたイブが恐る恐ると言った風で手を挙げた。
「納品先が増えたら神薙様の手間になりませんか?」
「神薙さんどうでしょう」
「んー?」
ちなみに本日のおやつは全長2mはある鶏の丸焼きです、僕らが会話している間ずっと横で食べていました。
あれはおやつじゃない?
いいの、神薙さん用だから。
ダンジョンで大量にドロップしたようでリクエストされたんだ。
「別にへーき、あれ自動だから」
自動……どうやって?
「主様がなんかこう、設定?して自動で配布されるようにしてくれてる」
騎士様仕様だった。
あれか、邪神を鎮めるための措置の一環か。
「騎士団に定期納品とか出来ますか?」
「出来るよ。代表者と僕が契約交わすだけ」
「刀雲どう?」
「米と交換すべきものがない」
騎士団は主に市民を守るためにいる。
海賊や山賊など、素材が手に入る騎士団もあるが、海賊は港に、山賊は自分達の装備強化に使用しているため余計な分がない。
希望を見出したのにその事を思い出して可哀想なぐらい肩を落としている。何とかしてあげたいけどどうしたらいいんだろう。
「国から補助金を出してもらう?」
「僕お金いらなーい」
「……そう言う訳で交渉が難航している」
国が保持している素材と引き換え……って、ほとんど我が家がいらないってあげたものだから意味ないなぁ。
刀雲にお仕事中もご飯を食べて貰う方法かぁ、僕に知識チートがあれば……。
「そこに現れる救世主!」
「僕らの事だけどね!」
いやっふー!と現れたのは双子だった。
「母様お出掛けしよう!」
「皆でお出掛け!」
やたらテンションが高いけどどうしたんだろうか。
「イツキお代わり」
「もうないですよ!?」
全部食べちゃったんですか、十個はありましたよね?
締めにデザート出すのでそれで終了です。
「神薙さんも行きますか?」
「ううん、ダンジョン潜ってくる」
おやつ足りなかったんですか、相当な量ありましたよ?
その証拠に刀雲の顔が引きつってる。
限られた食事処で提供してるらしい、イブ情報。
どこで採れるとか栽培をしているという訳ではなく、出荷元が邪神オンリーというレアさ。
神薙さんを祀る神社に人が途切れない理由がここに隠されていた!!
「邪神に一定の満足度を与えると店に米が現れるようです、ただ気分などで満足度も左右されるため必ずしも手に入る訳ではなく、店主達は米を手に入れる為にひたすら良い料理を提供しようと日夜努力しているとの事です」
「イブ凄い」
「十勇士の情報です」
イブって何歳だっけ?
将来的には十勇士を統率してもらう予定だったけど、なんかもうすでに手足として使ってるよ。
「続けます」
「はい」
なぜだろうか、イブの後ろにアカーシャが見えた。
うちの子って基本逞しいよね、のほほんとしていたブランが懐かしい、学校と自宅の往復のみでベル君が全然会わせてくれないんだ。
「米にはランクがあるようで、一定の満足度で手に入るのは『良質な米【R】』、好物をひたすら奉納し続けて手に入るのが『ブランド米【HR】、その他にも基準があって最高ランクが『神の米【SR】』のようです」
お米にランクあったんだね、知らなかった。
「ちなみに我が家で日常で食べている『異世界米コシヒカリ』は【LR】です」
さっきからちょいちょい気になってたんだけどさ、イブ何か変な影響受けてない?
女神様と交流ないはずだけど、なーんかゲームの影響受けてるっぽいんだよなぁ。
それにしても我が家で日常的に食べているお米、高級品だと思ってたけど最高ランクのお米だったんだね、騎士様どれだけ張り切ったんだろう、今度また調子に乗らない程度にお礼しておこう。
「シャムス様の乳歯も【LR】です」
「確かに数限られている上にいつ手に入るか分からないし、入手経路が限られてるけどね」
今のところ入手できたのってマシュー君一人だけ。
「最近ではギルドでも提供を始めたそうです。なんでも冒険者からの熱い希望があって、ギルドとの話し合いの結果、冒険者が納品した良質な素材などを定期的に奉納する代わりにギルドに米が卸される事になったみたいです」
「神薙さん素材食べる楽しみ覚えちゃったからね……歯応えが良いって言ってたし」
ギルドの事例があるならお米の流通は案外難しくないかもしれない。
でも安易に流通させると価値が下がっちゃうよねぇ、うーむ、僕は内政チートはないからこういう時悩んじゃう。
という事で頼れる大人、刀雲に相談してみた。
お休みの日にごめんね。
「流通は一先ず置いといて、ギルドと似たような条件で騎士団用に卸して貰うのはありかもしれない」
やる気に満ちた答えを貰いました。
「『神の米』で一番有名なのは港街にある海鮮丼を提供する店だな、初代店主が出店しようと料理を考えて味見を神薙に願って大当たりしたのが海鮮丼だって話だ。今も新しい料理を思いつくたびに奉納しているって聞く」
そう言えば一度も使ってないけど割引券貰ったね、食べに行く機会が全く訪れないけど。
「その話が広がって、神薙に気に入られると大当たりするって言う伝説が生まれた」
「伝説でも何もなくただの事実だよね」
そして多分ハードル上がってるんだろうな、皆さんごめんなさい。
「あの」
「イブどうしたの?」
いつの間にかもふもふの海に埋もれていたイブが恐る恐ると言った風で手を挙げた。
「納品先が増えたら神薙様の手間になりませんか?」
「神薙さんどうでしょう」
「んー?」
ちなみに本日のおやつは全長2mはある鶏の丸焼きです、僕らが会話している間ずっと横で食べていました。
あれはおやつじゃない?
いいの、神薙さん用だから。
ダンジョンで大量にドロップしたようでリクエストされたんだ。
「別にへーき、あれ自動だから」
自動……どうやって?
「主様がなんかこう、設定?して自動で配布されるようにしてくれてる」
騎士様仕様だった。
あれか、邪神を鎮めるための措置の一環か。
「騎士団に定期納品とか出来ますか?」
「出来るよ。代表者と僕が契約交わすだけ」
「刀雲どう?」
「米と交換すべきものがない」
騎士団は主に市民を守るためにいる。
海賊や山賊など、素材が手に入る騎士団もあるが、海賊は港に、山賊は自分達の装備強化に使用しているため余計な分がない。
希望を見出したのにその事を思い出して可哀想なぐらい肩を落としている。何とかしてあげたいけどどうしたらいいんだろう。
「国から補助金を出してもらう?」
「僕お金いらなーい」
「……そう言う訳で交渉が難航している」
国が保持している素材と引き換え……って、ほとんど我が家がいらないってあげたものだから意味ないなぁ。
刀雲にお仕事中もご飯を食べて貰う方法かぁ、僕に知識チートがあれば……。
「そこに現れる救世主!」
「僕らの事だけどね!」
いやっふー!と現れたのは双子だった。
「母様お出掛けしよう!」
「皆でお出掛け!」
やたらテンションが高いけどどうしたんだろうか。
「イツキお代わり」
「もうないですよ!?」
全部食べちゃったんですか、十個はありましたよね?
締めにデザート出すのでそれで終了です。
「神薙さんも行きますか?」
「ううん、ダンジョン潜ってくる」
おやつ足りなかったんですか、相当な量ありましたよ?
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