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権力とは使う為にある

第242話

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 レオノフ・ブランシュ
 フロベール国、騎士団長の三男。

 かねてより刀国の騎士団に憧れを持ち、このたび刀国に留学。
 将来の夢はもふもふズと働く事。

 未来への期待を胸に入学した学園で褐色肌の天使と運命の出会いを果たす。
 最初はアカーシャ自身に惚れていたが、現在はその兄弟のもふっぷりにも傾倒しており、貢ぎ物を購入するためのアルバイトを探し中。

 乙女ゲームに登場するようなピンク頭が出現するも、どうしたらアカーシャと仲良くなれるかに執心していたため誘惑に気付かなかった。

 既婚者と知るが諦めきれず、あれこれ考えた末に想いをしたためた手紙を本人に渡す。
 兄弟に読まれてしまった手紙だが、内容は恋文と言うより熱の入り過ぎた自己紹介文。

 鍛錬を積んだ筋肉は涎もので、アカーシャとのあれこれもいいけれど、マッチョを押し倒すあれこれも見てみたい。
 いやむしろ押し倒される側でもご飯三杯食べれる。

 年下に押し倒されるのもアリ。
 いや、騎士希望だしここは刀雲に「息子を嫁に欲しければ俺を満足させてみな」とか言いながらベッドの中で指導して欲しい!
 荒くれ男どもの熱を発散させるために使われる新兵……滾る! そのまま刀雲に気に入られて側近として傍に置かれたりとかさ!

 アカーシャへの想いと刀雲への敬愛の間で揺れ動く心!
 そこに現れる人妻・イツキ!
 手取り足取り、ベッドの中で優しく指導してあげ――ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!!! 威圧が空間超えてる! 私消滅しそう! 謝りますから! 申し訳、ございませんでした!


 以上が、女神様が僕の脳内に叫んだ内容です。
 アー君が止めてくれなきゃまだまだ語ったんだろうなぁ。

「頭痛い」

 後遺症とかではなく、あの人が女神な現実に頭痛が止まらない。

『かあしゃま!』
『母上』
「ママ」
「母様、大丈夫? 父様もすぐ帰って来るからね」

 目を開けたら自室で寝ていた。
 布団の周りには涙目の子供達、心配かけちゃったね、ごめんね。

「たいががね、女神さまにゴンってしてくれたの」
「父上の牙を名乗るだけはあって気合で届いたらしい、凄いよな」

 気合で女神様を殴れるんだ、うちの子凄いねぇ。

「僕が手紙を持ち帰らなければ……ごめんなさい」
「アカーシャは悪くないよ、悪いのは会話を盗み聞きした挙句、妄想を暴走させた女神様一人だけだからね」
「母上様、女神を一度ひねり潰しましょうか? けんりょく使いますか?」

 かぐやの目が据わっている。
 これはお怒りですね、女神様がピンチです。
 
 でもまぁ、頭は痛いし、フォロー出来ない失態続きだし、腐りきった変態な女神様だけど、僕をこの世界に転生させてくれた方だからね、多少は感謝してるんだ。
 最も感謝の念も尽きかけてる上に、最近は呆れの方が強いけどね。

「慶事の前だから寛大な心で流してあげて」
「むぅ」

 ごめんねー、女神様は今更だから諦めるとして、ここで騒ぎ立てるとアカーシャの青春にもケチが付いちゃうからね、それは避けたいんだ。

『アー君むしり取ってね』
『当然だ』
『女神様が貯めこんだポイント全部使うぐらいの要求するです!』

 ……女神様の悲鳴が聞こえた気がする。
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