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権力とは使う為にある
第223話
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イブリースが我が家の子になったので、その日の夕食はイブリースのお披露目会になりました。
「すげー!」
「この角本物!? 異世界すっげぇ!」
「母様ごめん、二人とも興奮し過ぎて手に負えない」
騎士様が異世界から連れて来た事を聞いた双子が、それはそれは興奮してご飯そっちのけでイブリースの全身をぺたぺた触りまくっている。
アカーシャの言葉も聞こえない様子。
経歴を聞いて側近に欲しい欲しいとせがまれたけれど、そこはアー君が全力で止めに入った。あの時のアー君可愛かったなぁ。
「二人とも、ご飯が先」
「もうちょっと」
「あとちょっと」
「イブのご飯を邪魔する悪い子はデザートなし」
「「!!」」
瞬間移動かという速さで席に戻った。
イブを紹介する前に本日のデザートがパフェだと教えておいて良かった。
『いぶー』
「はい」
『お絵描きして』
「ご飯を食べたらです」
『ぷー』
現在イブが使っている言語は獣語と共通語の二つ、授かったその日のうちにアー君並みに器用に使い分けている。
さすが将来の秀才キャラ、幼少から頭の回転が良い、しかもシャムスに変な影響が出ないよう、言葉遣いも丁寧なものを心掛けてくれているんだ。
「シャムス様、お絵描きなら私がお付き合いしますよ?」
『駄目よ、出来上がったらナーガに読んであげるの』
「……っ天使か」
僕が周囲から愛されるのは女神の呪いの影響があるけれど、シャムスが溺愛されるのは天性の才能なんだろうな。
「それでね、母様」
「お願いあるの」
双子が少し瞳を潤ませて僕に擦り寄ってきた。
この表情は騎士様が良くするおねだりの顔だな、つい最近も見た。
「前に魔王様から土地買ったお話覚えてる?」
「新事業なの」
「うん言ってたね」
「えっとね、そこ、でね、あの」
「あの……」
チラチラと騎士様を見ながら言葉を濁すのは、案件の内容が怒られそうなものだからなのかな?
「騎士様何をしたんですか?」
「俺が主犯格決定!?」
前科何犯だとお思いで?
「えーっとぉー」
目を逸らし、言葉を濁そうとする騎士様の前に移動。
まず目の前に本日のデザートを置きます。
「食べさせてくれるの?」
ははは、まさか。
「10秒ごとに本日のデザートを一口、目の前でラビに与えます」
「お仕置が非道!」
名前を呼ばれてラビが僕の横まで転がってきた。
歩こうよ。
「いーち」
「待って、今言うから!」
言わなくて良いよとラビが首を横に振っている。
「シャムスとアー君も一緒に」
『しゃーん』
「しー」
「五」
イブが参加した、かわゆい。
「「わふわふ」」
「ふふ、九!」
「十!!!」
三匹に続きアカーシャ、最後に部屋に入ってきたタイガ。
可愛さにデレている場合じゃないですよ騎士様、今一口減ったの分かってますか?
「っは」
「この者が我が新しき弟か! なんと小さい! 肉を喰らって大きくなるが良い!」
我に返った所で自白しようとした騎士様だけど、見事にタイガの大声にかき消された。はい二口目が消えたー。
「主様、言わなくていいよ、僕が食べておいてあげる!」
ここへ来てまさかの身内の裏切り!
神薙さんの言葉にぶんぶん首を振っているけど、それより早く言い訳しないと本当に本日の分がなくなりますよ~。
「コ――」
「主よ、言いたくない事は言わなくて良いのですよ、貴方は神より尊き方、沈黙もまた正義」
適当な事を言いながらナーガの妨害が入りました。
恐らく減らした分をシャムスに回すための妨害工作だろう、大変だね騎士様、本日は周りが敵ばかり!
「コモドドラゴンを双子にプレゼントしました!」
……なんだって?
「すげー!」
「この角本物!? 異世界すっげぇ!」
「母様ごめん、二人とも興奮し過ぎて手に負えない」
騎士様が異世界から連れて来た事を聞いた双子が、それはそれは興奮してご飯そっちのけでイブリースの全身をぺたぺた触りまくっている。
アカーシャの言葉も聞こえない様子。
経歴を聞いて側近に欲しい欲しいとせがまれたけれど、そこはアー君が全力で止めに入った。あの時のアー君可愛かったなぁ。
「二人とも、ご飯が先」
「もうちょっと」
「あとちょっと」
「イブのご飯を邪魔する悪い子はデザートなし」
「「!!」」
瞬間移動かという速さで席に戻った。
イブを紹介する前に本日のデザートがパフェだと教えておいて良かった。
『いぶー』
「はい」
『お絵描きして』
「ご飯を食べたらです」
『ぷー』
現在イブが使っている言語は獣語と共通語の二つ、授かったその日のうちにアー君並みに器用に使い分けている。
さすが将来の秀才キャラ、幼少から頭の回転が良い、しかもシャムスに変な影響が出ないよう、言葉遣いも丁寧なものを心掛けてくれているんだ。
「シャムス様、お絵描きなら私がお付き合いしますよ?」
『駄目よ、出来上がったらナーガに読んであげるの』
「……っ天使か」
僕が周囲から愛されるのは女神の呪いの影響があるけれど、シャムスが溺愛されるのは天性の才能なんだろうな。
「それでね、母様」
「お願いあるの」
双子が少し瞳を潤ませて僕に擦り寄ってきた。
この表情は騎士様が良くするおねだりの顔だな、つい最近も見た。
「前に魔王様から土地買ったお話覚えてる?」
「新事業なの」
「うん言ってたね」
「えっとね、そこ、でね、あの」
「あの……」
チラチラと騎士様を見ながら言葉を濁すのは、案件の内容が怒られそうなものだからなのかな?
「騎士様何をしたんですか?」
「俺が主犯格決定!?」
前科何犯だとお思いで?
「えーっとぉー」
目を逸らし、言葉を濁そうとする騎士様の前に移動。
まず目の前に本日のデザートを置きます。
「食べさせてくれるの?」
ははは、まさか。
「10秒ごとに本日のデザートを一口、目の前でラビに与えます」
「お仕置が非道!」
名前を呼ばれてラビが僕の横まで転がってきた。
歩こうよ。
「いーち」
「待って、今言うから!」
言わなくて良いよとラビが首を横に振っている。
「シャムスとアー君も一緒に」
『しゃーん』
「しー」
「五」
イブが参加した、かわゆい。
「「わふわふ」」
「ふふ、九!」
「十!!!」
三匹に続きアカーシャ、最後に部屋に入ってきたタイガ。
可愛さにデレている場合じゃないですよ騎士様、今一口減ったの分かってますか?
「っは」
「この者が我が新しき弟か! なんと小さい! 肉を喰らって大きくなるが良い!」
我に返った所で自白しようとした騎士様だけど、見事にタイガの大声にかき消された。はい二口目が消えたー。
「主様、言わなくていいよ、僕が食べておいてあげる!」
ここへ来てまさかの身内の裏切り!
神薙さんの言葉にぶんぶん首を振っているけど、それより早く言い訳しないと本当に本日の分がなくなりますよ~。
「コ――」
「主よ、言いたくない事は言わなくて良いのですよ、貴方は神より尊き方、沈黙もまた正義」
適当な事を言いながらナーガの妨害が入りました。
恐らく減らした分をシャムスに回すための妨害工作だろう、大変だね騎士様、本日は周りが敵ばかり!
「コモドドラゴンを双子にプレゼントしました!」
……なんだって?
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