202 / 1,127
権力とは使う為にある
第201話
しおりを挟む
鬼羅が連れて来たドリルな子は、長い名前のどこかの国の公爵令嬢だった。
(キタキタキタ、キタァアアアアア! 縦巻きロール! 悪役令嬢っぽい登場人物キタァ! オルブリヒ国公爵令嬢、コルネリア・マウリッツ・カルメ・フィロ・グリゴリエヴィチ! 覚えた! 次回のゲームで使わせてもらうぜ!)
(女神様、子供達の声が聞こえにくいです)
テンプレ展開最高!と叫ぶ声が脳内に響いてちょっと頭痛がする。
「女神様煩いです、ナーガが不機嫌になるんで静かにしてください」
今のセリフ、僕じゃないよね?
(うぇ?)
女神様も間抜けな声を出して驚いたようだ。
『かあしゃまただいまなの』
「シャムスおかえり」
キーちゃんに乗ったシャムスの腕の中には卵が一個。
子供から大人まで自由自在な子は見慣れている、でも卵レベルまで戻る子はナーガが初めてだよ。
『シャムス帰ったか、一日いないから寂しかったぞ』
『アー君ごめんね、じゃあ明日はいっちょ』
『ん』
ロブスターに擬態したスライム『ロブス』に乗ったアー君が部屋に入って来て、シャムスときゅっと抱き合った。
可愛すぎて倒れるかと思ったよ、シャムスが留守にするようになってから、アー君の甘えが強くなったように思う、可愛いから全く問題ないけどね!
「フィロ、ドレスじゃ座りにくいだろ、服借りて着替えた方が良い」
「……あなた、だれ?」
ドリルちゃんが喋った。
でもその言葉には同意する、僕らの目の前にいるこの長身のイケメンは誰だろうか。
クリーム色した短髪のツンツン頭と言えば一人しかいないけど、マシュー君はただの人間のはずだしこんな急成長するわけが……。
「俺? マシューだけど」
嘘ぉ、声まで違うけど、えぇぇ。
「マシュー、学校で会った時より育ってるよ」
「え、あ……」
お皿を持って来たブランがいち早くツッコミを入れてくれた。
頷きマシーンだったあの、ブランが、ツッコミスキルを手に入れているなんて!
「ナーガ戻すの忘れてる」
『ナーガ、めっ』
「シャー」
卵からちらっと頭を出したナーガが鳴くと同時にマシュー君が元の姿に戻った。
「すみません、身体が小さくて物足りないと言われて……」
マシュー君の急成長はナーガが原因だったようだ。
(マジかよー、マシューの閨覗けないから分からなかったわぁ)
「……女神様の御力ではナーガの結界は覗くの無理です」
「マシュー君、もかして女神様の声聞こえてる?」
「あ、そう言えば普通に会話してます」
(マジで!? なーなー、閨覗かせて! 神との交合見たい!)
「無視していいからね、それよりお皿運んじゃおう」
「はい」
(待って! 蛇神の交わりってねっとり執拗ってイメージあるんだけどどうなの? ねーねー、教えてぇぇーーー!!)
「ナーガ」
「ッシャー!」
静かになった。
通信が切れたようだ。
「ありがと」
「ふん!」
『ナーガ凄いね』
シャムスが褒めたと同時に卵が真っ赤に染まった。
多芸だね。
(キタキタキタ、キタァアアアアア! 縦巻きロール! 悪役令嬢っぽい登場人物キタァ! オルブリヒ国公爵令嬢、コルネリア・マウリッツ・カルメ・フィロ・グリゴリエヴィチ! 覚えた! 次回のゲームで使わせてもらうぜ!)
(女神様、子供達の声が聞こえにくいです)
テンプレ展開最高!と叫ぶ声が脳内に響いてちょっと頭痛がする。
「女神様煩いです、ナーガが不機嫌になるんで静かにしてください」
今のセリフ、僕じゃないよね?
(うぇ?)
女神様も間抜けな声を出して驚いたようだ。
『かあしゃまただいまなの』
「シャムスおかえり」
キーちゃんに乗ったシャムスの腕の中には卵が一個。
子供から大人まで自由自在な子は見慣れている、でも卵レベルまで戻る子はナーガが初めてだよ。
『シャムス帰ったか、一日いないから寂しかったぞ』
『アー君ごめんね、じゃあ明日はいっちょ』
『ん』
ロブスターに擬態したスライム『ロブス』に乗ったアー君が部屋に入って来て、シャムスときゅっと抱き合った。
可愛すぎて倒れるかと思ったよ、シャムスが留守にするようになってから、アー君の甘えが強くなったように思う、可愛いから全く問題ないけどね!
「フィロ、ドレスじゃ座りにくいだろ、服借りて着替えた方が良い」
「……あなた、だれ?」
ドリルちゃんが喋った。
でもその言葉には同意する、僕らの目の前にいるこの長身のイケメンは誰だろうか。
クリーム色した短髪のツンツン頭と言えば一人しかいないけど、マシュー君はただの人間のはずだしこんな急成長するわけが……。
「俺? マシューだけど」
嘘ぉ、声まで違うけど、えぇぇ。
「マシュー、学校で会った時より育ってるよ」
「え、あ……」
お皿を持って来たブランがいち早くツッコミを入れてくれた。
頷きマシーンだったあの、ブランが、ツッコミスキルを手に入れているなんて!
「ナーガ戻すの忘れてる」
『ナーガ、めっ』
「シャー」
卵からちらっと頭を出したナーガが鳴くと同時にマシュー君が元の姿に戻った。
「すみません、身体が小さくて物足りないと言われて……」
マシュー君の急成長はナーガが原因だったようだ。
(マジかよー、マシューの閨覗けないから分からなかったわぁ)
「……女神様の御力ではナーガの結界は覗くの無理です」
「マシュー君、もかして女神様の声聞こえてる?」
「あ、そう言えば普通に会話してます」
(マジで!? なーなー、閨覗かせて! 神との交合見たい!)
「無視していいからね、それよりお皿運んじゃおう」
「はい」
(待って! 蛇神の交わりってねっとり執拗ってイメージあるんだけどどうなの? ねーねー、教えてぇぇーーー!!)
「ナーガ」
「ッシャー!」
静かになった。
通信が切れたようだ。
「ありがと」
「ふん!」
『ナーガ凄いね』
シャムスが褒めたと同時に卵が真っ赤に染まった。
多芸だね。
20
お気に入りに追加
352
あなたにおすすめの小説
完結・虐げられオメガ側妃なので敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン溺愛王が甘やかしてくれました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる
塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった!
特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。
Take On Me 2
マン太
BL
大和と岳。二人の新たな生活が始まった三月末。新たな出会いもあり、色々ありながらも、賑やかな日々が過ぎていく。
そんな岳の元に、一本の電話が。それは、昔世話になったヤクザの古山からの呼び出しの電話だった。
岳は仕方なく会うことにするが…。
※絡みの表現は控え目です。
※「エブリスタ」、「小説家になろう」にも投稿しています。
「今夜は、ずっと繋がっていたい」というから頷いた結果。
猫宮乾
BL
異世界転移(転生)したワタルが現地の魔術師ユーグと恋人になって、致しているお話です。9割性描写です。※自サイトからの転載です。サイトにこの二人が付き合うまでが置いてありますが、こちら単独でご覧頂けます。
王子様のご帰還です
小都
BL
目が覚めたらそこは、知らない国だった。
平凡に日々を過ごし無事高校3年間を終えた翌日、何もかもが違う場所で目が覚めた。
そして言われる。「おかえりなさい、王子」と・・・。
何も知らない僕に皆が強引に王子と言い、迎えに来た強引な婚約者は・・・男!?
異世界転移 王子×王子・・・?
こちらは個人サイトからの再録になります。
十年以上前の作品をそのまま移してますので変だったらすみません。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
時々おまけを更新しています。
【完結】囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。
竜鳴躍
BL
サンベリルは、オレンジ色のふわふわした髪に菫色の瞳が可愛らしいバスティン王国の双子の王子の弟。
溺愛する父王と理知的で美しい母(男)の間に生まれた。兄のプリンシパルが強く逞しいのに比べ、サンベリルは母以上に小柄な上に童顔で、いつまでも年齢より下の扱いを受けるのが不満だった。
みんなに溺愛される王子は、周辺諸国から妃にと望まれるが、遠くから王子を狙っていた背むしの男にある日攫われてしまい――――。
囚われた先で出会った騎士を介抱して、ともに脱出するサンベリル。
サンベリルは優しい家族の下に帰れるのか。
真実に愛する人と結ばれることが出来るのか。
☆ちょっと短くなりそうだったので短編に変更しました。→長編に再修正
⭐残酷表現あります。
嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!
棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる