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貴族になろう
第184話
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めそめそする刀雲を慰める事一日、何とか仕事に戻る気力を取り戻した刀雲を送り出した。
こんな時、アカーシャがいたら一緒に甘やかし攻撃出来たんだけどなぁ、まぁ慰めるために抱っこするのも悪くなかったからいいけどね!
甘える刀雲可愛いし。うふふ。
「樹おはよう、ご機嫌だね」
玄関先で見送っていたら神薙さんを伴った騎士様が現れた。
「おはようございます」
「おはよ」
「神薙さんもおはようございます、お出掛けですか?」
「小麦狩り見学を兼ねたピクニック」
お弁当が入った籠はあえてアイテムボックスには入れず、お供のもふもふズが口にくわえて背後に待機していた。
……中に小麦な羊がいるのはきっと気のせいだろう。
それにしても最近の神薙さん、だいぶ予定が増えたなぁ。
朝夕は我が家で食べて、合間にダンジョン探索、屋台街に出現したり、ギルドに行ってみたり、たまに白ちゃんや黒ちゃんの所に行ったり、稀に門の所にも出没してるとか。
忙しそうだけど本人は生き生きとしてる上に、生き神として信仰度が上がっているらしい。
うちの邪神様凄い、そりゃどれだけ遊びまわっても疲れないはずだ。
「刀雲ずいぶん萎びてたけどどうしたの?」
「実は……」
お腹の子が産まれる前から女神様属性だった事、産まれた瞬間に地球に旅立った事、もしかしたら女の子だったかもしれない事を説明した。
「あ、あーそう言えば鈴が静かだから様子見に行ったら、なんか真っ白になって絶望してたからどうしたのかと思ったけど……そうか、ゲームのデータ……ツッコミ処が多過ぎて困るね」
「はい」
女神様って重課金してただろうし、そのデータが無くなったとなれば白くなるか、怒るにしても理由が情けなくて怒りにくい。
「んー、いくら樹の子でも転移が使えるのはおかしいな、気合と根性と思い込みにしても……うーーん、あ、でもアプちゃんは転移使えてたか。男の子は旅立つ様子ないし、マザコン度の問題?」
「あの、なんの話を?」
「女の子は旅立ちが早いよね。地球に満足したら戻ってくるかもしれないから、今はもう一人の子を大事にしてあげて」
「え」
「じゃあ行ってきます」
「ちょ、ちょっと騎士様ぁ!?」
いつも通り爆弾置いて行かないでくださーい!
え、えぇぇ、双子だったの!?
「主様、主様」
「どうした?」
「イツキの子、双子だったの?」
「そうよ」
「じゃあ一人ぐらいいなくても大丈夫だね」
「それ、絶対に樹の前では口にしちゃ駄目だからね」
「分かった」
こんな時、アカーシャがいたら一緒に甘やかし攻撃出来たんだけどなぁ、まぁ慰めるために抱っこするのも悪くなかったからいいけどね!
甘える刀雲可愛いし。うふふ。
「樹おはよう、ご機嫌だね」
玄関先で見送っていたら神薙さんを伴った騎士様が現れた。
「おはようございます」
「おはよ」
「神薙さんもおはようございます、お出掛けですか?」
「小麦狩り見学を兼ねたピクニック」
お弁当が入った籠はあえてアイテムボックスには入れず、お供のもふもふズが口にくわえて背後に待機していた。
……中に小麦な羊がいるのはきっと気のせいだろう。
それにしても最近の神薙さん、だいぶ予定が増えたなぁ。
朝夕は我が家で食べて、合間にダンジョン探索、屋台街に出現したり、ギルドに行ってみたり、たまに白ちゃんや黒ちゃんの所に行ったり、稀に門の所にも出没してるとか。
忙しそうだけど本人は生き生きとしてる上に、生き神として信仰度が上がっているらしい。
うちの邪神様凄い、そりゃどれだけ遊びまわっても疲れないはずだ。
「刀雲ずいぶん萎びてたけどどうしたの?」
「実は……」
お腹の子が産まれる前から女神様属性だった事、産まれた瞬間に地球に旅立った事、もしかしたら女の子だったかもしれない事を説明した。
「あ、あーそう言えば鈴が静かだから様子見に行ったら、なんか真っ白になって絶望してたからどうしたのかと思ったけど……そうか、ゲームのデータ……ツッコミ処が多過ぎて困るね」
「はい」
女神様って重課金してただろうし、そのデータが無くなったとなれば白くなるか、怒るにしても理由が情けなくて怒りにくい。
「んー、いくら樹の子でも転移が使えるのはおかしいな、気合と根性と思い込みにしても……うーーん、あ、でもアプちゃんは転移使えてたか。男の子は旅立つ様子ないし、マザコン度の問題?」
「あの、なんの話を?」
「女の子は旅立ちが早いよね。地球に満足したら戻ってくるかもしれないから、今はもう一人の子を大事にしてあげて」
「え」
「じゃあ行ってきます」
「ちょ、ちょっと騎士様ぁ!?」
いつも通り爆弾置いて行かないでくださーい!
え、えぇぇ、双子だったの!?
「主様、主様」
「どうした?」
「イツキの子、双子だったの?」
「そうよ」
「じゃあ一人ぐらいいなくても大丈夫だね」
「それ、絶対に樹の前では口にしちゃ駄目だからね」
「分かった」
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