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貴族になろう

第179話

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 お仕事が終わった後は皆でお昼。
 お城のお昼ってどんなものが出るのかなーって思ってたら、次の瞬間我が家にいました。

 あれ?

 庭に我が家自慢の巨大鉄板が用意されていて、魚や肉、パンなどをドリアンが手際よく焼き始めている。

 あれぇ?

「城で食べると堅苦しいからね~、ドリちゃんに連絡してお昼用意してもらっておいたんだ」

 騎士様が今日も絶好調。

「まさかの鉄板焼き」
「美味しいよね」
「アルジュナ、お疲れ」
『ダロス』

 帰宅したアー君を即行で抱き上げた白熊さんの手にはアメリカンドッグ、え、食卓にないけどどこから??

「ほら、あーん」
『おおおチーズ入り!』

 最近発見した。アー君は伸びる食べ物が好き。
 伸びるアイスってトルコアイスだったっけ? 今度おやつに出してあげよう。

「はい兄様、あーん」
『あー』
「兄様こっちも」
『んふー』

 シャムスは双子に食べさせてもらっている。

 ベル君のご両親はすでに席に着き、パパさんとベル君はお好み焼きを、ママさんは分厚いステーキを上機嫌で食べている。

「これ面白い食べ物だの」
「城でも普及させましょう、すみませんが後程レシピを教えていただいても良いですかな?」

 おじいちゃんと宰相さんはお好み焼きが気に入ったようだ。
 お好み焼きがお城の食堂に登場するの? どうなんだそれ?

「うちでも食べたいな」
「ええ、私達にもぜひレシピを教えてください」
「何を言っているのですか、まず食材が手に入らないでしょう」
「無粋なのだー」
「この世に存在する食材なら手に入れて見せます、旦那様の為にも」

 交渉が発生しそうだ。
 お好み焼きの具材はともかく、使っている粉の原料がまずこの世界に存在するか分からない、我が家は僕のメニューとドリちゃんの特殊能力を乱用しているだけだし、これは困った。

(女神様、お聞きしたい事があります。報酬は騎士様が焼いてくれたお好み焼き)
(マジで? 答える答える、何でも答えます)

 声と共に手の中にあったお皿が一瞬で消えた。

(この世界って、小麦粉とか農作物の栽培はどのぐらい流通してますか?)
(はぁ神秘的な味がする)
(女神様?)
(ちょっと待って、冷めちゃう、食べてからな)

 エール飲みてぇ~と叫びながらお好み焼きを食べる女神か、色々と残念な人だな。

(そのお好み焼きは騎士様が焼いたものではありません)
(!!!)
(騎士様は入れる具を選んでいる最中で、それはアー君用のチーズ入りお好み焼きです)
(大変、申し訳ございませんでした)

 上司の御子の食べ物を横取りしちゃったからね、今頃女神様は顔色が真っ青なんだろうなぁ。
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