神様のポイント稼ぎに利用された２

祭事

第133話

　中身はアレだけど、実力は本物だったようだ。
　子供達がすっごい早口でパーシヴァルさんを称賛してる。アー君なんて興奮のあまり言語が複数入り乱れていてたまに聞き取れない。

　簡単に説明するとね、久々にスタンピードが起きました。
　元凶は女神様。

　シャムスにちゅーするパーシヴァルさんを見て力を暴発させたんだよ、しかも場所が最悪、神薙さんの敷地内でやらかしたんだよあの人。
　腐……もとい負の力が直撃してしまったもふもふズの体内魔力が暴走して、一斉に本性に戻っちゃうし、白熊さんは魔物化しかけ、まさかの神薙さんまで暴走した時は世界の終わりかなぁって思ったよ。
　
　ちなみにラーシャはお仕事で不在、イネスは僕のポンチョの中でお昼寝中だったので無事、いやぁ、ポンチョ着てなかったらどうなってたんだろう、確かめるの怖い。
　後はシャムスが久々にちびったぐらいかな。

　だからパーシヴァルさんが一瞬で全てを解決した時はびっくりした。

　真っ青な顔でアー君を抱っこする騎士様の解説によると、女神様が腐力を暴発させると同時にパーシヴァルさんが元々敷地に張られていた結界に干渉、まず影響が外に出ないよう結界強化。
　次に鼻血出して悶える女神様の頭を鷲掴み、痛みに悶絶する女神様を媒体に世界に干渉、何をどうやったのか魔物化したもふもふが鎮静化。
　暴走から解決まで多分五分と掛かってない。

　敷地に張られている結界って確か騎士様のだよね、干渉できるものなのかな？

「それが出来るから、あの子は守護神の異名を持つんだ」

　普通は出来ないらしい、そりゃそうだ。

「しかも今回は純粋無垢な子供達を護らなきゃいけないって言う使命感があったからね、いつも以上の早業だったなぁ」

　仕事はかっこよかったのに、裏側って知らない方が良い事多いよね。
　なんて会話を僕と騎士様が交えている間も、ずーーっとアー君はさっき起こった事について語り続けている。

「っぐ、はぁ」
「あ、ダロス」
「アルジュナ」

　ようやく呼吸が落ち着いたらしい白熊さんがふらつきながらも立ち上がった。
　周りを見渡すともふもふズもいつものワンコサイズに戻っている、神薙さんは荒い息を吐きながら女神様を睨みつけ、さすがにヤバいと理解しているのだろう女神様は土下座している。
　なんだこのカオス。

「ナギ様！」
「ヴィー」

　顔色が悪い副官さんが庭に現れた瞬間、神薙さんが副官さんをさらって消えた。


　後日、夢の中に呼び出され、女神様の愚痴を聞いた僕は頭痛がした。
　だって……もふもふズや獣族だけに影響が出た原因が、女神様が「獣人モノ」に嵌っていると言う、物凄く迷惑な理由だったんだもの。