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祭事

第125話

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 パーティーの準備から外されて暇になった僕は、朝食を食べ、刀雲とルークを見送った後、アカーシャに僕らの部屋がある区画へ連れて行かれた。

「内装を選ぶのに時間掛かっちゃったけど、やっと母様を案内できる」

 目的の部屋は僕の部屋がある通路の突き当りにあった。
 ……朝はこんなモノなかったと言うツッコミはもはや野暮ってもんだよね。

 近付くと引き戸の前に居たブランがにこにこと戸を開けてくれた。

「わぁ」

 木造りの引き戸を潜り抜けた先にあったのは、まさかの欧米風内装。

 パチパチと音を立て燃える薪。
 暖炉周りは蝋燭が置かれ、暖炉前にはふわふわのラグ、すぐそばには飾り付けのされていないクリスマスツリー。

 刀雲……分かってる!

『かあしゃま!』
「何も入ってないです! こうなったら全部壊しましょう!」
「「バウバウ!」」

 残念な事にツリーの足元に並べられていたプレゼントの箱は、獣兄弟によって開封され、ズタボロになっていた。
 紙のガサガサという音が気に入ったのか、三匹は子犬姿で包装紙を襲っている。
 紙屑一つ落ちてないのは、さっきから三匹の後を追っているスラちゃんのおかげだろう。

 シャムスの作ったスライムって今どのくらいいるんだろうなぁ。

「ブラン、飾り付けどこだっけ?」
「ここ」
「すごい綺麗、早く飾り付けよう」

 暖炉の横の壁が隠しBOXになっていて、お馴染みの飾りがわっさわさ入っていた。
 キラキラものが多いな、女神様の趣味だろうか。

「あっと……ごめん母様、はしゃいじゃった」

 飾りを手にツリーに駆け寄ったアカーシャだったけど、一瞬僕の事を忘れていたらしくしょんぼりした様子で僕を見た。
 大丈夫、はしゃぐアカーシャも可愛いから。

「気にしないでいいよ、飾り付けしようか」
「うん!」

 さて、僕は飾りつけの前にこっちかなぁ。
 振り向いて部屋の中を見渡す、シャムスは暖炉の前を陣取ってお昼寝、三匹とイネスはいまだ箱と格闘中。

「まま! 箱に何も入ってないんです! ラーシャに騙されました!」
「そっかそっか、ほらあーん」
「みー」

 憤慨するイネスを抱き上げ、干し肉を与えたら齧りついて来た。

「肉が入ってるって言ったのに!」
「それ多分、ラーシャの経験談じゃないかなぁ」

 過去に貰った事のあるプレゼントが肉だったのだろうと推測する。
 カーシャさんから貰ったのかなぁ?

「虹色の肉入っていると思ったのに!」

 あ、違った。
 プレゼントをあげたのは騎士様だったみたい。

 虹肉と言ったら前に双子が持ってたからねー、何の肉かは不明だけど。
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