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祭事

第124話

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 夜中にふと目が覚めたら、ルークの腹を枕にしていた。
 おぉう、ふわふわ。

 くぅん

「起こしちゃった?」
「イツキ、気分はどうだ?」
「大丈夫」

 隣には刀雲が居て、優しく僕の髪を撫でてくれていた。
 気持ちいいと思ったんだ。

 刀雲の手って暖かくて、安心するんだよね。
 低い声も心地良い、腹筋が割れている所も、親ばかな所も、全部好き。

 ぼんやりと刀雲を見つめていたら、軽くキスをされ魔力が流れて来た。
 あれ?
 魔力足りなかったっけ?

 気持ちいいからどっちでもいいかぁ。

「ありがと、楽になった」

 ごめんね。と謝る僕に反して刀雲はとても柔らかい笑顔を浮かべていた。
 ちょっと違うかな、なんかデレデレしてる?

「無理をせずゆっくりしなさい」
「んん?」

 倒れたのに怒られない?

「母は起きたか?」
「タイガ」
「ドリちゃんの実を砕いてまぶしたスープだ、滋養がある」
「あ、うん、ありがとう」

 刀雲が起こしてくれて、ルークがそのまま背もたれ代わりに背を支えてくれている。
 なんだろう、エロがない優しさがむず痒い。

 スープは少量のチーズも入っていて、お腹がほわほわと温かくなった。
 食べている間、タイガと話している刀雲が始終デレデレしているのが気になるんだよなぁ。

「パーティーの用意はあとはこっちでやっておく、イツキはしばらく休養だ」
「え!」

 張り切り過ぎて倒れたのやっぱり怒ってる?

「ほら、食べたら寝なさい」
「でもお祝いの準備したい」
「食べ物関係は試食品をドリちゃんに再現してもらって、王宮で選考会をやるよ」
「飾りつけも女神の資料があれば問題ない」
「僕、何も出来ないの?」
「プレゼント選びは出来るよ、ほら、横になって」

 横になったルークのお腹を枕に強制的に寝かされて、逃げられないように左右にワンコ三兄弟が配置された。
 あ、ぬっくい。

「くりすますそんぐ、だったか? それも女神に習って練習している。楽しみにしているがいい」
「うん」

 女神様そんな所の手伝いもしているんだ。そりゃ寝る暇もなく忙しいよね。

「ふぁ」
「おやすみ、イツキ」
「うん、おやすみなさい」

 ワンコのぬくもりに包まれながら僕は眠りについた。

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