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ダンジョン探検
第83話
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ところで皆さま、ダンジョンから帰還する寸前、騎士様が何かを言いかけたのに気付いていましたか?
僕はすっかり忘れていました。
あの時ふらっといなくなった騎士様は、どうやら一人で下層に遊びに行っていたらしい。
そこまでは想定内、驚かないよ。
それでね、ええと……『宴の間』で荒稼ぎし、そのままの勢いで最下層まで行ったところ、あらビックリ、荒野ほどある広い部屋をドリアードの一族が陣取っていたそうです。
「……」
「ドリアード騒動の時にダンジョンに逃げ込んだんだろうね」
聞きたくない、この先を聞きたくない。
「短期間に彼らはダンジョンのモンスターを進化に取り込み凶悪な進化を遂げた。女神の加護が失われる直前、最下層に辿り着き階層主をも取り込み、加護が失われるのとほぼ同時にダンジョンコアをその身に取り込んだ」
それって、騎士様が出会ったドリアードが階層主に成り代わったって事? いやコアを取り込んだのだからダンジョン階層主どころかダンジョンの核になった?
「そして遂に産まれた新世代、千の魔物を一瞬で無に帰すドリアード」
「元に戻してきてください」
「まだ何も言ってない」
「レイアさんに怒られる前に、お家に戻しましょう」
へにょっとした笑顔を浮かべても駄目です、家にはもうドリちゃんがいるんだから――。
「もう遅いんだなぁこれが」
ですよねーー。
帰宅してから一日開いちゃってますからね、その間大人しくしてるなーと思ったらそんな訳ないよねぇぇ、知ってましたー。
「本来なら美しい娘の姿のはずが!」
「腐女神の呪いで美しい男に!」
「大当たり!」
嬉しくないなぁ。っていうか、ドリちゃんやその他のドリアード全部男性体だしね。
「部下にしました!」
ラウルさんカムバック、僕にはもう止められません。
いやね、昨日辺りから影のように騎士様に付き従う人いるなーって思ってたんだよ。
「忠誠の証に分身体貰った」
ドリアンみたいなものかな?
「名前はドリアードの別名『Dryas』、親しみを込めてリュー君と呼んであげて」
「はぁい」
「ちなみにドリちゃんに一目惚れして、昨日から求婚してる」
「……」
あ、リュー君が照れた。
僕はすっかり忘れていました。
あの時ふらっといなくなった騎士様は、どうやら一人で下層に遊びに行っていたらしい。
そこまでは想定内、驚かないよ。
それでね、ええと……『宴の間』で荒稼ぎし、そのままの勢いで最下層まで行ったところ、あらビックリ、荒野ほどある広い部屋をドリアードの一族が陣取っていたそうです。
「……」
「ドリアード騒動の時にダンジョンに逃げ込んだんだろうね」
聞きたくない、この先を聞きたくない。
「短期間に彼らはダンジョンのモンスターを進化に取り込み凶悪な進化を遂げた。女神の加護が失われる直前、最下層に辿り着き階層主をも取り込み、加護が失われるのとほぼ同時にダンジョンコアをその身に取り込んだ」
それって、騎士様が出会ったドリアードが階層主に成り代わったって事? いやコアを取り込んだのだからダンジョン階層主どころかダンジョンの核になった?
「そして遂に産まれた新世代、千の魔物を一瞬で無に帰すドリアード」
「元に戻してきてください」
「まだ何も言ってない」
「レイアさんに怒られる前に、お家に戻しましょう」
へにょっとした笑顔を浮かべても駄目です、家にはもうドリちゃんがいるんだから――。
「もう遅いんだなぁこれが」
ですよねーー。
帰宅してから一日開いちゃってますからね、その間大人しくしてるなーと思ったらそんな訳ないよねぇぇ、知ってましたー。
「本来なら美しい娘の姿のはずが!」
「腐女神の呪いで美しい男に!」
「大当たり!」
嬉しくないなぁ。っていうか、ドリちゃんやその他のドリアード全部男性体だしね。
「部下にしました!」
ラウルさんカムバック、僕にはもう止められません。
いやね、昨日辺りから影のように騎士様に付き従う人いるなーって思ってたんだよ。
「忠誠の証に分身体貰った」
ドリアンみたいなものかな?
「名前はドリアードの別名『Dryas』、親しみを込めてリュー君と呼んであげて」
「はぁい」
「ちなみにドリちゃんに一目惚れして、昨日から求婚してる」
「……」
あ、リュー君が照れた。
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