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刀国学園
第61話
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騎士様が逃亡し、食堂に住み付こうとする神薙さんをアカーシャがおやつで誘導、夕食を餌に釣る事で穏便に食堂を後にする事が出来た。
アカーシャったら神薙さん用のおやつまで持ってきてたのね、どう見ても魔物の素材にしか見えないけれど神薙さんからすれば立派なおやつに部類されるらしい。
「おれは今日がめいにちなのか」
やっと意識を回復させたレオ君の友人の第一声がそれだった。
「特別ランチ食べれなかった」
「当たり前だろ、まだ朝だからな?」
レオ君の友人は普通に常識のある子のようだ、マイペースな友人を持つ苦労人ってところか。
「乗せてくれてありがとな」
降りて頭を撫でながらお礼を言う友人君にローが一声吠えて返事を返した。
「はぁ、先生に怒られるよな、でもこいつを授業に連れて行かないとまた食堂に向かっちまう」
「そんなにいつも食堂にいるの?」
「ひぇっ、神子様ぁ!?」
声が裏返るほど驚かなくても。
周りのキラキラ軍団に埋没して気付かなかっただろうけど、僕最初からずっといるからね?
「はい、あの、学校に通っているのも食事だけがめ、め、目当てで、朝も寝起きが悪くて一人で放置すると食堂に行ってしまって、その」
「君が苦労しているのは分かった」
うちにも神薙さんがいるから良く分かる。
「神子様……」
「うんそうだよ」
「神薙様の胃を鷲掴みと有名なあの」
「納得しかねる部分があるけど、嘘じゃないね」
「イツキのご飯好き」
『僕も』
『私も』
モテ期かな?
「僕を養子にしてください、従者でも下僕でもいいです、この際奴隷でもなんでも、三食おやつ付きの生活の為ならなんでもいい」
「志が斜め下過ぎる」
どこの世界を探しても、三食おやつ付きの奴隷は存在しないと思うんだ。
「働かずに楽したい!」
「子供のうちから志低すぎる!」
『レオちゃん働かないのっめ、よー』
『シャムスが可愛い』
『えへー』
「じゃあ働きます、神子様の所で」
「学生は勉強が本分でしょ、せめて卒業しなきゃ」
「飛び級しろって事ですね分かりました。明日にでも」
「そんな制度あったっけ?」
「騎士様お帰りなさい」
オネェの気配がないのを確かめながら騎士様が僕らに近付いてきた。トラウマになってないといいけれど、一応ネタとして女神様には報告しておこう。
「賢者を目指そうと思ってたけど、より美味しい物がある人生と出会えた」
「レオってこう見えて主席キープしてるんです」
三匹を延々ともふっていたらしい友人君がびっくりな事実を教えてくれた。
「特別優秀な生徒にはスペシャル特権がたくさん、特別ランチ優待もある」
騎士団にも似たような人がいるな、食べ物のために騎士団に入ったとか――あ、副官さんだ。
「でもまぁ、学生のうちにしか体験できない事もあるから、普通に卒業しなさい、ね」
「はい」
騎士様の言葉にレオ君は素直に頷いた。
小さい声で「確かに学食は学生のうちしか体験出来ない」って呟いていたのが聞こえた。
ちなみに賢者とは、王宮にある図書館に籠り知識を溜め込んで、その叡智を国の運営に役立てるのがお仕事らしい。
朝から晩まで本を読んでいられる本好きにはこれ以上ない職場だろう、しかも国の脳と言える仕事のため、一人一人にお世話係がつく好待遇な職場。
寝食忘れて本に没頭するのが理由なんだろうけど、確かにレオ君向きの職場とも言える。
そうなるとお世話係は友人君になっちゃうんだろうなぁ、世話焼きな所もあるし向いていると言えば向いているんだろうけど。
「すげー、マジかっけー」
語彙力が崩壊している友人君は現在キーちゃんをもふっている。
この子の才能を伸ばす機会も与えてあげたいなーと、そう思いながら騎士様を見上げたら「任せて!」と言いながらウィンクされた。
アカーシャったら神薙さん用のおやつまで持ってきてたのね、どう見ても魔物の素材にしか見えないけれど神薙さんからすれば立派なおやつに部類されるらしい。
「おれは今日がめいにちなのか」
やっと意識を回復させたレオ君の友人の第一声がそれだった。
「特別ランチ食べれなかった」
「当たり前だろ、まだ朝だからな?」
レオ君の友人は普通に常識のある子のようだ、マイペースな友人を持つ苦労人ってところか。
「乗せてくれてありがとな」
降りて頭を撫でながらお礼を言う友人君にローが一声吠えて返事を返した。
「はぁ、先生に怒られるよな、でもこいつを授業に連れて行かないとまた食堂に向かっちまう」
「そんなにいつも食堂にいるの?」
「ひぇっ、神子様ぁ!?」
声が裏返るほど驚かなくても。
周りのキラキラ軍団に埋没して気付かなかっただろうけど、僕最初からずっといるからね?
「はい、あの、学校に通っているのも食事だけがめ、め、目当てで、朝も寝起きが悪くて一人で放置すると食堂に行ってしまって、その」
「君が苦労しているのは分かった」
うちにも神薙さんがいるから良く分かる。
「神子様……」
「うんそうだよ」
「神薙様の胃を鷲掴みと有名なあの」
「納得しかねる部分があるけど、嘘じゃないね」
「イツキのご飯好き」
『僕も』
『私も』
モテ期かな?
「僕を養子にしてください、従者でも下僕でもいいです、この際奴隷でもなんでも、三食おやつ付きの生活の為ならなんでもいい」
「志が斜め下過ぎる」
どこの世界を探しても、三食おやつ付きの奴隷は存在しないと思うんだ。
「働かずに楽したい!」
「子供のうちから志低すぎる!」
『レオちゃん働かないのっめ、よー』
『シャムスが可愛い』
『えへー』
「じゃあ働きます、神子様の所で」
「学生は勉強が本分でしょ、せめて卒業しなきゃ」
「飛び級しろって事ですね分かりました。明日にでも」
「そんな制度あったっけ?」
「騎士様お帰りなさい」
オネェの気配がないのを確かめながら騎士様が僕らに近付いてきた。トラウマになってないといいけれど、一応ネタとして女神様には報告しておこう。
「賢者を目指そうと思ってたけど、より美味しい物がある人生と出会えた」
「レオってこう見えて主席キープしてるんです」
三匹を延々ともふっていたらしい友人君がびっくりな事実を教えてくれた。
「特別優秀な生徒にはスペシャル特権がたくさん、特別ランチ優待もある」
騎士団にも似たような人がいるな、食べ物のために騎士団に入ったとか――あ、副官さんだ。
「でもまぁ、学生のうちにしか体験できない事もあるから、普通に卒業しなさい、ね」
「はい」
騎士様の言葉にレオ君は素直に頷いた。
小さい声で「確かに学食は学生のうちしか体験出来ない」って呟いていたのが聞こえた。
ちなみに賢者とは、王宮にある図書館に籠り知識を溜め込んで、その叡智を国の運営に役立てるのがお仕事らしい。
朝から晩まで本を読んでいられる本好きにはこれ以上ない職場だろう、しかも国の脳と言える仕事のため、一人一人にお世話係がつく好待遇な職場。
寝食忘れて本に没頭するのが理由なんだろうけど、確かにレオ君向きの職場とも言える。
そうなるとお世話係は友人君になっちゃうんだろうなぁ、世話焼きな所もあるし向いていると言えば向いているんだろうけど。
「すげー、マジかっけー」
語彙力が崩壊している友人君は現在キーちゃんをもふっている。
この子の才能を伸ばす機会も与えてあげたいなーと、そう思いながら騎士様を見上げたら「任せて!」と言いながらウィンクされた。
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