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刀国学園

第60話

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 保護者を置いて食堂に向かってしまった三人。

 ちょっと待て、君、レオナルド君だっけ、なんでうちの子を操縦出来てるの! あと気絶した友達忘れてない!?
 元々神薙さんが行く気満々だったので、子供達を追いかける形で僕らも食堂に向かった。

「あらあらまぁまぁ、まだ朝よ?」
「特別ランチ下さい」
「ランチってお昼に出すものよ?」
「ランチ……」
「仕込みすらまだだっつってんだろ坊や」
「っち」

 食堂のおばちゃん強い。

 追い付いたらランチを巡ってレオ君と食堂のおばちゃんがにこやかにバトルしていた。最終的におたまで脳天に一撃喰らったレオ君、そんな二人の横で三匹とシャムスとアー君は他のおばちゃん達からクッキーをもらったりしてちやほやされていた。

「あらあら真ん丸ねぇ」
「もちもちよぉ」
『やぁん』
『クッキーもっと』
「この子の肉球プルプルよぉ、大事にされてるのねぇ」
「今日のデザートはぷるぷる系に決定ねぇん」

 ……必ずどこかにいると信じていたキャラはここにいた。

「大人になったら私をお嫁にしてくれないかしらぁん」
「そりゃいいねぇ、私達ももらってもらおうかね!」

 あっははははは

 子供達の胃を支えるに相応しい隆々とした筋肉、女性の中にいても違和感のない立ち振る舞いと言葉遣い、見た目に反したキャラクター、そう、オネェ。

「……っ、いやぁぁあぁぁぁあ!!」

 そのオネェが騎士様を見て絶叫した。
 おばちゃん達もなんだなんだと顔を上げ、絶叫する以前に顔を真っ赤にして動きを止めちゃった。あれってもしかして気絶してる?

「忘れてたけど騎士様って神々しいほどの美形でしたっけ」
「それ忘れないよね普通!」
「慣れって怖いですねー、認識阻害系の何かあるでしょう、早く」
「えぇー」

 扱いが酷ぉい。と嘆きながら白銀のマントを羽織ってくれた、今度からは最初から装備させよう、お世話役がいない今、僕がしっかりしなきゃ!

「いやぁぁぁん、いいお・と・こおおおおおお!」
「こえぇぇえええ!」

 オネェが野獣モードになった瞬間、騎士様が逃走した。
 騎士様を怖がらせるとはやるな。

『かあちゃま、くっきー美味しいの』
『神薙の分取っといた』
「ありがと」

 アー君が差し出したクッキーを神薙さんが受け取って口に運ぶ、野獣を見た直後だからだろうか、神薙さんの動作がとても優美に見えました。

「かあさま、そろそろ移動しましょう」
「ん?」
「神薙さんが見学に来る前提で特別授業が組まれてるんです、僕らが行かないと先生達の気遣いが無駄になっちゃいますよ」
「どうしてアカーシャがそれを知っているかが気になる」
「メンバーがメンバーなもので、誰かが行動管理しないとぐだぐだになる予感がしたので、あらかじめ校長と会ってざっくりとした予定を組んでおきました」

 うちの子が有能。
 しかし口ぶりからして校長先生と知り合い?

「国王様です」
「過労が心配になってきた」

 働きすぎなんじゃ、ドリちゃんドリンク定期納品してもいいだろうか。
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