神様のポイント稼ぎに利用された２

優しい人生を

第23話

　スラちゃん２は騎士様にも大好評だった。

「実はスライム見るの初めてなんだ。図鑑とかでは見た事あるんだけどね」

　スライムほど脆弱な生き物になると騎士様の視界に入って来ないんだって、死に物狂いで周囲の何かに擬態したり、酷い時は存在が消滅してしまうらしい、チートも大変ですね。

「シャムスありがとねー」
『うふふ』

　シャムスにお礼を言う騎士様は横になった状態でスライムを枕にしている。やってみたかったそうです、分かる、分かる。僕も昨日やった。

　ちなみにスライムはシャムスによって量産されました。
　決して作ろうと思ったわけじゃなく、形を整えているうちにスライムの形になっちゃうみたい、試しに神薙さんが食べてみたところ食感がグミみたいだったらしい。
　癖になると言いながらおやつ感覚で美味しく食べているので量産しても大丈夫、だからシャムス、上手に出来ないと拗ねなくてもいいんだよ！

「みゅーーーー！！！」

　ぷるるるるるるる

　まぁるいボディに今日もパンチをしたりキックを仕掛けているけれど、ぷるるんとするだけでスライムはダメージを受けている様子がない。
　スラちゃんに毎日飽きる事無く仕掛けているおかげか、イネスの体力の消耗が激しく、夜の生活がちょいちょい空くようになったとはラーシャの談。

「スラちゃんには感謝だわ、体が軽い」
「みっ！　みっ！」

　怠さがないって嬉しいよね。
　にこにことご飯を掻っ込むラーシャ、イネスはスラちゃんに咬みついた体勢で連続キックをしている。
　なんでダメージを受けないんだろう不思議。

　騎士様に聞いてみた。

「んーー」

　寝転がる騎士様に抱き寄せられ、天井を見上げる形で腕の中に納まる。

「すてーおーぷーんー」

　多分単語間違ってる。でも開くって実は呪文必要ないんだろうな。

　開いた画面にはスラちゃんの基本情報が載っていた。


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《名　前》　スラちゃん

《攻撃力》　必要なし

《弾力性》　無限大

《スキル》　自然回復超高速

《生産者》　シャムス


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　簡潔だけどなんか変だね！

　攻撃力の項目あるのに表記が『必要なし』ってなに、防御力が来るだろう所には弾力性って項目がある上に『無限大』って……そりゃよく弾むわ！