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優しい人生を
第13話
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双子は本当に王太子になった。
正式にはまだなんだけどね、せっかくだから儀式したいと国王様がごねて衣装から作る事になったんだって、双子が言ってた。
元候補者の方達からも続々祝辞が届いているとか、正式発表はまだなはずなのに……国王様が自ら情報を流出させたのかなぁ、気が変わる前に逃げ道塞ぐ気かもしれない。
「俺の子が次期王とか……やられた」
縁側でがっくりと肩を落とす騎士様、お出掛けして帰宅したら可愛い子供達がお城に引っ越していた上に『王太子になります!』とかさすがに驚くか。
「確かに二人はこれ以上ない人材だけどさー」
前世とは言え王様経験ありですしね。
「帝王学も何もないからなぁ、一度は作ったらしいけど……」
「あまりに長期間成り手が居なくて紛失した! とか?」
「冗談みたいな本当の話」
「わぁ」
「あっても千年以上前の書物だから読めないと思う」
手に取った瞬間朽ち果てそう。
「こくおーがコツコツ引き継がせていくしかないね~」
「昨日迎えに来た時点で目尻が下がってました、あれで大丈夫なのでしょうか」
「しばらくは孫可愛いくて教育二の次かなぁ」
双子が引っ越した割には冷静だって?
いやぁ……ほら、僕らには鳥居とか開けたらあら不思議、そこにはお城の双子のお部屋☆な扉とかあるから、白ちゃんもそうだけど離れている距離感を感じない。
なにせ昨日は朝にはお城に行ったのに、お昼はうちで食べてまたお城に行ったからね、今日のお昼も来る前提でお昼を作るよ、来なかったら神薙さんが食べてくれるから安心。
従者には翡翠くんを引きずって行った。
シャムスの名前を呼びながら泣き叫んでいたけど、笑顔で手を振られてエヘっとなったところで強制連行だった。容赦なし。
お仕えしたくてもシャムス赤ちゃんだしねー、獅皇さんや僕、兄弟にべったりで他人の手は必要としてないんだよね、下手すればシャムスが成人するより先に翡翠くんの寿命尽きちゃいそう。
学校も通うらしいよ双子の世話役として。
つまり、双子も学園デビュー…………映像機、欲しいな、僕のポイントとかどうやって調べればいいんだろう、交換方法とか知りたい。
運動会とかあるのかな、お弁当作っちゃうのに、でも保護者スペースが凄い事になりそう。
よし決めた。
「今日のお昼は重箱お弁当!」
テーマは運動会!
「樹はマイペースだよね」
騎士様に言われたくない。
「仕込みがあるのでこれで失礼します!」
「え、魔力補給は?」
「ドリちゃんのミルク一気飲みで凌ぎます!」
「っく、その手に気付いたか」
僕も最近気付きました!
元々シャムスを餓えさせないためにドリちゃんが魔力入りミルク出せるようになったんだよね、そのために触手プレイなるものを体験する羽目になったのに色々あって忘れていた。
魔力枯渇と同時にスタミナ不足も解決、ドリちゃん最高!
「……ねぇ樹……」
「もっふもーーーーふ!!」
わおーーーーん!!!
騎士様が声色を変えたと同時にもふもふズを呼び出した、閨に引きずり込まれてたまるかぁ!
庭で遊んでいたもふもふズが部屋に雪崩込み、あっという間に騎士様が毛皮の海に沈んだ。
お弁当と言えば唐揚げ、あと卵焼きでしょ、あと何が入ってるものなんだろう?
もふもふズにその場を任せ、僕はドリちゃんと打ち合わせすべく台所を目指した。
部屋を出る際、ちらっと振り返ったけどもふもふに埋もれて騎士様はとても幸せそうでした。
正式にはまだなんだけどね、せっかくだから儀式したいと国王様がごねて衣装から作る事になったんだって、双子が言ってた。
元候補者の方達からも続々祝辞が届いているとか、正式発表はまだなはずなのに……国王様が自ら情報を流出させたのかなぁ、気が変わる前に逃げ道塞ぐ気かもしれない。
「俺の子が次期王とか……やられた」
縁側でがっくりと肩を落とす騎士様、お出掛けして帰宅したら可愛い子供達がお城に引っ越していた上に『王太子になります!』とかさすがに驚くか。
「確かに二人はこれ以上ない人材だけどさー」
前世とは言え王様経験ありですしね。
「帝王学も何もないからなぁ、一度は作ったらしいけど……」
「あまりに長期間成り手が居なくて紛失した! とか?」
「冗談みたいな本当の話」
「わぁ」
「あっても千年以上前の書物だから読めないと思う」
手に取った瞬間朽ち果てそう。
「こくおーがコツコツ引き継がせていくしかないね~」
「昨日迎えに来た時点で目尻が下がってました、あれで大丈夫なのでしょうか」
「しばらくは孫可愛いくて教育二の次かなぁ」
双子が引っ越した割には冷静だって?
いやぁ……ほら、僕らには鳥居とか開けたらあら不思議、そこにはお城の双子のお部屋☆な扉とかあるから、白ちゃんもそうだけど離れている距離感を感じない。
なにせ昨日は朝にはお城に行ったのに、お昼はうちで食べてまたお城に行ったからね、今日のお昼も来る前提でお昼を作るよ、来なかったら神薙さんが食べてくれるから安心。
従者には翡翠くんを引きずって行った。
シャムスの名前を呼びながら泣き叫んでいたけど、笑顔で手を振られてエヘっとなったところで強制連行だった。容赦なし。
お仕えしたくてもシャムス赤ちゃんだしねー、獅皇さんや僕、兄弟にべったりで他人の手は必要としてないんだよね、下手すればシャムスが成人するより先に翡翠くんの寿命尽きちゃいそう。
学校も通うらしいよ双子の世話役として。
つまり、双子も学園デビュー…………映像機、欲しいな、僕のポイントとかどうやって調べればいいんだろう、交換方法とか知りたい。
運動会とかあるのかな、お弁当作っちゃうのに、でも保護者スペースが凄い事になりそう。
よし決めた。
「今日のお昼は重箱お弁当!」
テーマは運動会!
「樹はマイペースだよね」
騎士様に言われたくない。
「仕込みがあるのでこれで失礼します!」
「え、魔力補給は?」
「ドリちゃんのミルク一気飲みで凌ぎます!」
「っく、その手に気付いたか」
僕も最近気付きました!
元々シャムスを餓えさせないためにドリちゃんが魔力入りミルク出せるようになったんだよね、そのために触手プレイなるものを体験する羽目になったのに色々あって忘れていた。
魔力枯渇と同時にスタミナ不足も解決、ドリちゃん最高!
「……ねぇ樹……」
「もっふもーーーーふ!!」
わおーーーーん!!!
騎士様が声色を変えたと同時にもふもふズを呼び出した、閨に引きずり込まれてたまるかぁ!
庭で遊んでいたもふもふズが部屋に雪崩込み、あっという間に騎士様が毛皮の海に沈んだ。
お弁当と言えば唐揚げ、あと卵焼きでしょ、あと何が入ってるものなんだろう?
もふもふズにその場を任せ、僕はドリちゃんと打ち合わせすべく台所を目指した。
部屋を出る際、ちらっと振り返ったけどもふもふに埋もれて騎士様はとても幸せそうでした。
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