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第三章 世界に降りかかる受難

第674話

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 滅びた国の跡地にジャングルを爆誕させた親子です。毎度!
 ただいま暮らしたい魔物さん募集中、人間お断りなのでお気軽にどうぞ!

 人間お断りな理由はね……もふもふ天国を作りたいからです!
 あと巨大魔物を中心に解き放つ予定なので、下手に人間が近づくとプチっとされます。

 引き続きジャングル改造しようかと思ったのですが、今日は新ダンジョンに行きたいと思います!
 天ぷら!
 揚げ物!
 運が良いとポン酢や塩、大根おろしなどがドロップするよ!

「海老は五層以降らしいです、そこまで戦闘全部スルーして、あとは五層を周回希望!」
「下層に行くと巨大伊勢海老出るらしいぞ、神薙様が振りまいた魔素の影響で期間限定だけど魔物が巨大化したみたいだな」
「行きましょう!」
『手のひら返しね』

 イネスは今日も自由。
 海老狩りを前にテンションが高いけれど、今日はネヴォラも一緒なので僕にはもう止められない。

「父ちゃんが鯛の天ぷら手に入れたいみたいなんよ、どの辺に出るかな?」
「あれは高級品だから伊勢海老よりさらに下なんじゃないか?」
「海老ー!」
『イネス突撃しちゃったよ』

 ダンジョンに入る前に皆で打ち合わせしていたら、待ちきれなかったイネスが解き放たれた矢のようにダンジョンに吸い込まれていった。
 おうちでも海老独り占めしてたのになぁ、お昼には合流するの忘れないようにねー。
 まぁ僕らにはえっちゃんがいますから、お互いの位置が分からなくても何の問題もないのである。

 そしてやって参りました天ぷらダンジョンに。
 見た目はゾンビ映画で活躍しそうなショッピングモール、入って正面奥に受付、右に定番のクエストボードや食事処。
 左側に入っている店舗は鍛冶屋や教会、商業ギルドなど冒険に密接したお店が中心。 
 二階は資料室、宿屋、仮眠室――と入り口の地図に図解してあったよ。アー君親切。

 何より注目すべきは……どれかな、祈りの泉も気になるし、神薙神社出張店も気になる。
 よく見たら神社横にはヨムちゃんの神殿も、通りすがりの冒険者に聞いたらそれぞれ利用目的が違うらしい。

 まず、教会は状態異常や怪我の治療。
 主にダンジョンで負傷した人が利用する施設。

 次に神薙神社はお守りや強化系の効果が付与された携帯食料などが販売。
 利用はダンジョンに入る前がオススメ。

 ヨムちゃんの神殿はお布施を払うとドロップ率が変動、海鮮類を増やしたり減らしたり出来るらしい。
 今は利用者はほとんどいないけれど、イネスのように海老だけを狙いたい人などの利用が見込まれる。

「金に余裕があって運に自信があるならオススメはおみくじだな、噂だと縁結びのお守りが出たって話だ」

 俺もまた金を貯めて買うつもりだ。そう言って親切な解説者は去っていった。
 ありがとう親切な人、破産に気を付けてね。
 お礼をする暇もなく去っていったけど、えっちゃんが僕らの代わりに祝福をしておいてくれたって、効果はクリティカル効果アップ、うまく使えば魔物を一撃で屠れるんだって。
 発動出来るかはお兄さん次第、僕としてはぜひ頑張って欲しい。

 ダンジョンは建物の中にあり、受付でギルドカードを提示して使用料を払うと入り口が見えるようになる仕様。なのでこっそり紛れ込むとか絶対に出来ないダンジョンでもある。
 僕らはパーティーで入場するのでリーダーを決めてお支払い、と思ったらアー君がすでに払ってあった。アー君が紳士。

「じゃあイネスが入れたのも?」
「イネス様は統括と交渉してフリーパスチケットを発行されております」
『抜け駆けぇ』
「海老のためなら何でもありだなぁ」
「海老はイネスに任せてわたしは海鮮類狙うんよ! かしこみしてくるから待ってて!」

 ぴゅーんとネヴォラが神殿にすっ飛んでいった。
 僕らはどうしようかなぁ。
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