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第三章 世界に降りかかる受難

第669話

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 僕の望みはド派手に叶った。

「壮観だぜ!」
『派手だったねー』
「楽しかったです」
「私も満足だ」

 僕らの前に立つのは太陽のごとく輝く黄金の全身鎧を装備した戦女神様。

 レイアさんの鎧って銀色じゃなかったかな、とか。
 眩しいのに周囲がよく見えるのが不思議だなぁ、とか。
 一撃で王都丸ごと浄化する女神様すっごいなぁ、とか。
 ツッコミどころが多すぎる。

 最初はいつも通りイネスが浄化するものだと思っていたのだけど、準備段階でレイアさんが参戦。
 まず涼玉、イネスと一緒になって虹色リンゴをガリガリ。
 食べ終わったらレイアさんの周囲を二人が踊りながら周り、回転が速くなるのに合わせオーラが黄金に燃え、最終的に「破っ!!」と気合で闘気を解き放ったんだよね。

 虹色の輝きがかつてお城があっただろう場所まで飛んでいき、そこに瘴気の塊があったのかなぁ、何かを破壊する音とともに上空に花火があがりました。
 七色の火花が地上に降り注ぎ、王都に辛うじて残っていた家屋を残らず破壊。

 光が収まったので周囲を確認したら、血まみれ家屋どころか城壁もなかった。

 さ迷える魂がいたかもしれないけど、間違いなく今の一撃で浄化されたと思います。
 もう何が何だか。

「景色良くなりすぎだと思うの」
『地平線が良く見えるね』
「これ、周囲の地形変わってるよな」
「レイア様、力込めすぎですよー」

 あっけにとられる僕と違い、うちの子には好評のようです。
 派手好きだからね。ううむ。

「でもこれで瘴気は欠片も残ってないと思うぞ」

 神々の終焉の戦いを単騎で終わらせた人に王都にある瘴気だけを浄化、はちょっと難しかったかもしれない。
 もし辛うじて生き延びた人がいてもとどめ刺しちゃっただろうなー。

『生命反応あるよ』
「マジか」
「幸運なのか不運なのか悩みますね」
「どこだ? 探してみようぜ」

 どうやら王都跡地に生命反応があるとシャムスが主張しているらしい、今ので生き残ったとか生命力が強くて逆に正体が不安になりますね。
 そんな僕の不安をよそに、意気揚々と反応がある場所に向かって行く。
 待って、置いていかないでー!

『この辺りよ』
「えっちゃんの気配を感じます」
「なーんだ。えっちゃんが保護してたのか!」
「この辺の地面をえぐればいいのか?」
『地面に穴開けるのダメよ、崩壊しちゃう』
「じゃあどうしましょう?」
「掘るか」

 残っているのは牢屋だった部分、そこを一時的に無理やり強化したのでとても脆くなっているらしい。
 下手に攻撃するとその威力で牢屋ごと崩壊する危険性があると。難易度高いね。

「えっちゃんがここに転移させるのは?」
「キー」
『封印が絡まっていて難しいみたい』
「そういう時はママの出番ですね、まずは安全に掘り返しましょうか」
「あー、いや待て。ここからその場所まで階段を作るってのはどうだ?」

 レイアさんが一番まともな案を出した。
 じゃあそれで。

「でも誰が階段作るの?」
『涼ちゃん』
「ひと踊りしてもらいます」
「おう任せておけ!」
「何か手伝うか?」

 この後、涼玉とレイアさんが二人で魂のこもった熱いダンスを披露、どこから湧いたのかトレントが大量発生して地面を掘って階段を作ってくれました。
 何でもありなのである。
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