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第三章 世界に降りかかる受難

第631話

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 戦争の火種が育つ前に国が消えたらしい、どこの国だろうね、怖い怖い。ガクブル。

『魔石は神薙様が処分してくれたのよ』
『特大ぺかぁして大地浄化してもいいかなぁ、虹色食べたいなぁ』
『ダンジョン運営も順調みたいだし、次なにするかなー』

 久々にお出掛けもせずに座敷でゴロゴロ。
 右にゴロゴロ、左にコロコロ、真ん中に戻ってスライムでぽよぽよ。とても楽しい。

 そんな風に過ごしていたら突然部屋のど真ん中にゴトンと何かが落ちてきた。

「むー?」

 ゴトン、バキバキ、グシャァァって感じで、ドリちゃんの根っこで作った特注サイズのテーブルが壊れました。
 たまに酔っ払った神薙さんが齧っちゃうのでそこまで硬くないけど、でも一応値段の付けられない価値があるのですよ我が家の家具。

「ぶわーってしてます」
『呪いよ』
「きゃぁ怖いですぅ、呪いを送ってきた相手が破産しちゃいますね」
「頑張ったんだろうけど、なんでまたイネスが黄金マカロン食べてる時に送ってきたのかな、押し負けてるぞ」

 本来はぶわーっと広がって僕らもきゃーってなるんだろうなぁ、でもね涼玉が言った通りイネスがおやつ食べている最中でぺっかぺっか光ってるのです。
 瘴気でもふもふズが狂うとかもないのよ、そもそも彼らは謎能力の影響を受けて超進化した個体だから。

 呪詛の塊なあれ、どうしよう。
 始末に困るというよりは、処分方法で揉めるのよ。
 イネスはぺかーっとしたい、神薙さんはおやつとして食べたい、僕は謎能力ぶつけて愉快な事にしたい。

「困った時のえっちゃん」
『すでに隔離済んでいるのよ』
「仕事人だなぁ」
「子供を狙った時点でショタ守護神が激怒します」

 呪詛の隔離、犯人の特定、神薙さんへの連絡、全部えっちゃんがやってくれました。
 有能すぎて騎士様に助けを求める隙がない、人型だったらえっちゃんモテモテだったろうなぁ。

「ふぅん、これか」

 静かに怒っている神薙さんが現れた!
 果樹園で食べ放題していた所を邪魔されたから不機嫌でござる!
 さらに言えば自宅を破壊されたのも怒っている原因よね! とりあえずあれを退かさないとドリアン達が片付け出来ないのよ。

「けがはない?」
『ないのよ』
「びっくりして毛がぶわーってなりました!」
「ちびらなかった!」

 マールスと霧ちゃんは調理場でお手伝い中だったけど、すぐに駆け付けてくれて今も呪詛の塊を監視中。
 なんか、こう、呪詛の塊がうごうごしてるのよね、でもえっちゃんの力で隔離され、イネスの光に押し負け、霧ちゃんの霧が周囲をガチガチに固めているからそれ以上動けないっぽいの。

 その後、呪詛の塊は神薙さんが丸呑みしました。
 蟲毒の方がまだ味があるとのお言葉を頂いたの。後遺症とか副作用とかは一切なかったよ、さすが我が家の邪神様は最強なのである。
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