627 / 802
第三章 世界に降りかかる受難
第616話
しおりを挟む
昨日は大混乱を起こしたので、今日は大人しくしてようね。って朝アー君に言われた樹です。
思えばあれはフラグだったのだろう。
目の前では「神子様どうかこの国をお救いください」というテンプレなあれが行われている。でも神子様と呼ばれているのが別の人な件。
そして僕の横にもう一人、サラリーマンっぽいスーツ姿の人がいるんです、これはあれです「おまけと思って追放された方が本当は神子だった」というあれ。
まだ追放されてないけど。
謁見の間っぽい所に召喚された二人に僕が巻き込まれました。
えっちゃんがそういうの好きみたいで……。
「しかし神子様が二人……いや三人?」
「ゲフッ」
きゃぴきゃぴと「僕が神子です!」と主張する男子中学生、状況に戸惑いながらも僕を庇う姿勢を見せるサラリーマン、国を救って演説をしていたキラキラ王子、人数が多い事に困惑する宰相っぽい人、チラッとサラリーマンの後ろから顔を出した僕を見て吐血する王様。
カオスです。
「僕が神子? やったぁぁ!!」
「どうかこの国のためにお力をお貸しください」
「はい!」
「王子、ま、まて」
「僕頑張りますね王子様!」
王子よ少年と二人の世界に入る前にパパのお話聞いてあげて、何かブルブル震えてるし顔色が大変な事になっているよ。
王様の顔色に気付いて駆け寄るお偉いさまたち、ビビり散らしてまともに喋れない王様、その間に頭がお花畑になってしまった王子が、城を案内すると少年を連れて謁見の間から出て行っちゃったけど誰も気付いてないです。
「大丈夫だ。俺が守ってやるからな」
ほえーとカオスな状況を見ていたら、サラリーマンが僕の頭を優しく撫でてくれた。
お仕事大変なんだろうなぁ、目の下の隈がすごい。
「父上を寝台へ」
「だ、だめだ、それよりも、腕を貸してくれ」
「父上?」
遠目でも分かるぐらいガクガクブルブル震えている王様が、もう一人の王子の手を借りて王座から立ち上がり、よろよろしながらも僕の方へと歩いてきた。
おじいちゃん大丈夫?
召喚された時から数分しか経ってないのに十数年分ぐらい年取った?
「このたびは、大変、申し訳っぐっ」
王子その2の手を借りて僕の前まで来た王様、フラフラしながらも土下座をしながら謝ったと思ったらまた吐血しました。
これ、胃に穴が開いたんじゃ。胃薬持ってたかなぁ?
「父上!?」
「ポーションのむ?」
「いえ、お心だけでっ!」
王様、顔色が土気色だよ。
大丈夫、僕に危害加えてないから突然国を滅ぼしたりなんてしないよ、事情聞くからちょっと落ち着こう。
あっまた吐血した。
口の周りがモザイクでなんかおめめが疲れてきました。えっちゃん、クリーンかけてあげてください。
思えばあれはフラグだったのだろう。
目の前では「神子様どうかこの国をお救いください」というテンプレなあれが行われている。でも神子様と呼ばれているのが別の人な件。
そして僕の横にもう一人、サラリーマンっぽいスーツ姿の人がいるんです、これはあれです「おまけと思って追放された方が本当は神子だった」というあれ。
まだ追放されてないけど。
謁見の間っぽい所に召喚された二人に僕が巻き込まれました。
えっちゃんがそういうの好きみたいで……。
「しかし神子様が二人……いや三人?」
「ゲフッ」
きゃぴきゃぴと「僕が神子です!」と主張する男子中学生、状況に戸惑いながらも僕を庇う姿勢を見せるサラリーマン、国を救って演説をしていたキラキラ王子、人数が多い事に困惑する宰相っぽい人、チラッとサラリーマンの後ろから顔を出した僕を見て吐血する王様。
カオスです。
「僕が神子? やったぁぁ!!」
「どうかこの国のためにお力をお貸しください」
「はい!」
「王子、ま、まて」
「僕頑張りますね王子様!」
王子よ少年と二人の世界に入る前にパパのお話聞いてあげて、何かブルブル震えてるし顔色が大変な事になっているよ。
王様の顔色に気付いて駆け寄るお偉いさまたち、ビビり散らしてまともに喋れない王様、その間に頭がお花畑になってしまった王子が、城を案内すると少年を連れて謁見の間から出て行っちゃったけど誰も気付いてないです。
「大丈夫だ。俺が守ってやるからな」
ほえーとカオスな状況を見ていたら、サラリーマンが僕の頭を優しく撫でてくれた。
お仕事大変なんだろうなぁ、目の下の隈がすごい。
「父上を寝台へ」
「だ、だめだ、それよりも、腕を貸してくれ」
「父上?」
遠目でも分かるぐらいガクガクブルブル震えている王様が、もう一人の王子の手を借りて王座から立ち上がり、よろよろしながらも僕の方へと歩いてきた。
おじいちゃん大丈夫?
召喚された時から数分しか経ってないのに十数年分ぐらい年取った?
「このたびは、大変、申し訳っぐっ」
王子その2の手を借りて僕の前まで来た王様、フラフラしながらも土下座をしながら謝ったと思ったらまた吐血しました。
これ、胃に穴が開いたんじゃ。胃薬持ってたかなぁ?
「父上!?」
「ポーションのむ?」
「いえ、お心だけでっ!」
王様、顔色が土気色だよ。
大丈夫、僕に危害加えてないから突然国を滅ぼしたりなんてしないよ、事情聞くからちょっと落ち着こう。
あっまた吐血した。
口の周りがモザイクでなんかおめめが疲れてきました。えっちゃん、クリーンかけてあげてください。
30
お気に入りに追加
142
あなたにおすすめの小説
気づいたら周りの皆が僕を溺愛していた。
しののめ
BL
クーレル侯爵家に末っ子として生まれたノエルがなんだかんだあって、兄達や学園の友達etc…に溺愛される???
家庭環境複雑でハチャメチャな毎日に奮闘するノエル君の物語です。
若干過激な描写の際には※をつけさせて頂きます。
新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します
華音 楓
ファンタジー
旧題:re:birth 〜勇者じゃないと追放された最強職【何でも屋】は、異世界でチートスキル【DIY】で無双します~
「役立たずの貴様は、この城から出ていけ!」
国王から殺気を含んだ声で告げられた海人は頷く他なかった。
ある日、異世界に魔王討伐の為に主人公「石立海人」(いしだてかいと)は、勇者として召喚された。
その際に、判明したスキルは、誰にも理解されない【DIY】と【なんでも屋】という隠れ最強職であった。
だが、勇者職を有していなかった主人公は、誰にも理解されることなく勇者ではないという理由で王族を含む全ての城関係者から露骨な侮蔑を受ける事になる。
城に滞在したままでは、命の危険性があった海人は、城から半ば追放される形で王城から追放されることになる。 僅かな金銭で追放された海人は、生活費用を稼ぐ為に冒険者として登録し、生きていくことを余儀なくされた。
この物語は、多くの仲間と出会い、ダンジョンを攻略し、成りあがっていくストーリーである。
異世界に召喚されて失明したけど幸せです。
るて
BL
僕はシノ。
なんでか異世界に召喚されたみたいです!
でも、声は聴こえるのに目の前が真っ暗なんだろう
あ、失明したらしいっす
うん。まー、別にいーや。
なんかチヤホヤしてもらえて嬉しい!
あと、めっちゃ耳が良くなってたよ( ˘꒳˘)
目が見えなくても僕は戦えます(`✧ω✧´)
召喚先は腕の中〜異世界の花嫁〜【完結】
クリム
BL
僕は毒を飲まされ死の淵にいた。思い出すのは優雅なのに野性味のある獣人の血を引くジーンとの出会い。
「私は君を召喚したことを後悔していない。君はどうだい、アキラ?」
実年齢二十歳、製薬会社勤務している僕は、特殊な体質を持つが故発育不全で、十歳程度の姿形のままだ。
ある日僕は、製薬会社に侵入した男ジーンに異世界へ連れて行かれてしまう。僕はジーンに魅了され、ジーンの為にそばにいることに決めた。
天然主人公視点一人称と、それ以外の神視点三人称が、部分的にあります。スパダリ要素です。全体に甘々ですが、主人公への気の毒な程の残酷シーンあります。
このお話は、拙著
『巨人族の花嫁』
『婚約破棄王子は魔獣の子を孕む』
の続作になります。
主人公の一人ジーンは『巨人族の花嫁』主人公タークの高齢出産の果ての子供になります。
重要な世界観として男女共に平等に子を成すため、宿り木に赤ん坊の実がなります。しかし、一部の王国のみ腹実として、男女平等に出産することも可能です。そんなこんなをご理解いただいた上、お楽しみください。
★なろう完結後、指摘を受けた部分を変更しました。変更に伴い、若干の内容変化が伴います。こちらではpc作品を削除し、新たにこちらで再構成したものをアップしていきます。
公爵令嬢ルナベルはもう一度人生をやり直す
金峯蓮華
恋愛
卒業パーティーで婚約破棄され、国外追放された公爵令嬢ルナベルは、国外に向かう途中に破落戸達に汚されそうになり、自害した。
今度生まれ変わったら、普通に恋をし、普通に結婚して幸せになりたい。
死の間際にそう臨んだが、気がついたら7歳の自分だった。
しかも、すでに王太子とは婚約済。
どうにかして王太子から逃げたい。王太子から逃げるために奮闘努力するルナベルの前に現れたのは……。
ルナベルはのぞみどおり普通に恋をし、普通に結婚して幸せになることができるのか?
作者の脳内妄想の世界が舞台のお話です。
弟いわく、ここは乙女ゲームの世界らしいです
慎
BL
――‥ 昔、あるとき弟が言った。此処はある乙女ゲームの世界の中だ、と。我が侯爵家 ハワードは今の代で終わりを迎え、父・母の散財により没落貴族に堕ちる、と… 。そして、これまでの悪事が晒され、父・母と共に令息である僕自身も母の息の掛かった婚約者の悪役令嬢と共に公開処刑にて断罪される… と。あの日、珍しく滑舌に喋り出した弟は予言めいた言葉を口にした――‥ 。
【完結】婚約者が好きなのです
maruko
恋愛
リリーベルの婚約者は誰にでも優しいオーラン・ドートル侯爵令息様。
でもそんな優しい婚約者がたった一人に対してだけ何故か冷たい。
冷たくされてるのはアリー・メーキリー侯爵令嬢。
彼の幼馴染だ。
そんなある日。偶然アリー様がこらえきれない涙を流すのを見てしまった。見つめる先には婚約者の姿。
私はどうすればいいのだろうか。
全34話(番外編含む)
※他サイトにも投稿しております
※1話〜4話までは文字数多めです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる