神様のポイント稼ぎに利用された３

第三章 世界に降りかかる受難

第522話

　イネスの隠れ家ではなかったけど、隠れ里なのは間違ってなかった。
　僕も知ってるし、来た事もある村でした。

　霊山を背に霊山信仰をする人々が暮らす村、そう言えば稲やわさび作らせようって言ってたね。
　あちこち遊びに行くの忙しくて忘れてた。

　僕をありがたがっていたけれど、おじさんが肩に乗せているそのイネス、奇跡の塊のような神獣よ？
　今はおじさんが食べている分のおやきを盗もうと必死になってるけど。

「あの白いもちもちドラゴン、この村に祀られてた古龍の卵だったんです」

　外見ふわふわ、触るとモチモチのあの子か。
　マシュマロドラゴンって心の中で呼んでた。

　触ってよし、枕にしてよし、転がしてよしのとても楽しい子だったなぁ。
　シャムスと涼玉が混ざってコロコロして、最終的に他のチビドラゴンも混ざって皆でコロコロしてたの可愛かった。
　可愛いは正義なのはドラゴン相手でも変わらなかったね。

「で、ですねママ」
「はぁい」
「あの卵は孵らなかったから守りに使えばいいと、古龍が村にくれた結界の要です」
「ん？」

　孵らなかった？
　今、ドラゴンママのもとで他の子と毎日元気にモチモチしてるよ？

「百年孵らなかったから村に与えたのに、盗まれた挙句、卵から孵って他の地で元気に暮らしている」
「おこ？」
「激おこです」

　怒りの対象が村ではなく、卵を盗んだ人間なのが不幸中の幸いになるのかな？

「うーんと盗んだ人間…………もういない気がする」

　生贄に差し出して怒りを鎮める提案しようと思ったけど、崩壊したお城の下敷きになったと思う。

「マシュマロちゃん連れてくる？」
「兄弟と引き離して大丈夫かが問題です」
「孵化してからずっと一緒に育ったんだもんね」

　じゃああれだ、ドラゴンママを説得して移住して貰おう。
　子育て用に子守りゴブリンも勧誘するとして、問題は住むところ？

「お家建てていい場所はありますか？」
「ママ何をする気ですか？」

　恐る恐る聞いてきたイネスに考えたプランを話したら、うんうん唸った後に「ママなら出来るか！」とやけっぱちに叫ばれました。

「ゴブリン達が来てくれるなら、畑も広げても大丈夫ですね。私は村の人と打ち合わせしてくるので、ママはドラゴンの説得お願いします」
「あい」
「なんて呑気にしてたら、キターーーーーー！！」
「きゃぁぁぁ！！　イネス様ぁぁ！」
「いい年したおっさんが叫ばない！」

　現れたのは涼玉パパよりは小さい白銀のドラゴンさん、多分マシュマロちゃんのママだとは思うけど、驚くことにおデブじゃない！！　シュッとしてる！！