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第三章 世界に降りかかる受難

第515話

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 連日遊び暮らしております。
 今子供だから家事はお手伝い程度しか出来ないからね、ヘラ母さんにも「子供は遊ぶのが仕事だよ」って言われているから思う存分遊びまわっています。

 でも女神様の代理業務があるから、強制的にお仕事やらなきゃならない時もあるけどね。

「今日はどんなお悩みですか?」

 三秒で説明してください、ササっと解決して帰るのです。
 でも正直な話、個人のお悩みより涼玉とロデオして食糧難の人を助ける方が大事な気がする。

 飢饉だっけ飢餓だっけ?
 忘れちゃったけど、どちらにしろ人間にあまり優しくない世界だなぁ。

 ここはどこだろうか、ステンドグラスっぽい窓、祭壇の儀式、違う、儀式の祭壇、ぽかんと口を開けてこちらを見るローブ集団。
 うむ、それなりの手順で召喚されたっぽい。

「用がないなら帰ります」
「お待ち、お待ちください!!」

 よっこいしょ。とえっちゃんの闇に足を踏み入れようとした所でローブの一人が前に出てきた。
 そして僕の前で土下座して、床に頭をこすり付けながら長々と説明してくれた。

「ごめんなさい、長いです。もうちょっと短く」

 希望としては一分以下で。

「宰相殿、ここは私が」

 新たに前に出てきたのは、白いローブを羽織った聖職者のおじいさんだった。

「第一王子と第二王子の継承位争いで国が割れそうなので困っていたらパンドラ殿にじゃあ母ちゃん呼べよとアドバイスされました!!」

 すごいわかりやすい。

 そう言えば最近パンドラちゃん見ないな、今はこの国で活動していたのか。
 ここがどこだか分からないけど。

「正妃と側室の子供……」
「ではないです、有能ゆえに人の気持ちを考慮しない兄と、脳筋ですが人望がある弟な感じです!」
「あるあるー」
「そうなんです!」

 テンプレな感じの兄弟、でもせっかくパンドラちゃんの紹介で呼ばれたのだから、テンプレで終わらせるのはつまらないよね。
 うーんどうしようかな、国がぱっかんしなきゃいいのよね、こういうのは女神様が喜びそうな形に整えるととても成功率が良いんだ。

「お兄さんと弟さんが結婚すればよし」
「どちらが王になればよろしいでしょうか」
「王様が二人いてもいいじゃない、どちらが生むかじゃなく、お互いがお互いの子供産めば解決」
「それもそうですな」

 納得しちゃった聖職者のおじいさんに、隣で土下座したままだった宰相の人が凄い顔をしている。

「お兄さんの敵は弟さんがぶった切れば全部解決」

 チラッとお兄さんのステータス見てみたら、重度のブラコンを通り越してヤンデレって書いてあったの、弟さんが人生丸っとお兄さんに捧げれば解決するんじゃないかな?
 間違っても女の人や別の相手を宛がうと女神様の怒り買うやつ。

 その後、僕の言葉の通りに兄弟で結婚し、子供にも恵まれて王国は繁栄したらしい。
 めでたしめでたし。

 いい仕事しました。
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