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第二章 聖杯にまつわるお話

第481話

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 夢って短いですよね。

「ママ、今度またもふもふ接待してあげるから機嫌直して」
『ママのご機嫌悪いと謎能力の作用が弱いの』
「樹、俺の腹筋触る?」
「シックスパックじゃない」

 至福のもふもふタイムはレモン国でスタンピードが発生したことで終了した。
 僕、今レモン国の王城でも一番高い塔の上にいるの。

「どうしようアー君、樹のご機嫌直らない!!」
「まぁもふもふ天国から風が強い場所に連れてこられればそうだよな!」

 至高のもふもふアルパカ親子、黄金のツキノワグマ護衛、山猫獣人の給仕……きっと会場には他の獣人もいたのだろう、目でも愛でたかった。
 待って、なんでアルパカが子供産んだ時に教えてくれなかったの?
 僕見に行きたかった。アルパカ赤ちゃん見たかった。

「ぎゃーー! 機嫌が下降した! アー君!!」
「シャムス助けて!」
『お年賀が届いたよ』
「そうだ、五平餅、五平餅が奉納されたんだ! ママ好きだろ?」
『もろこしうどん』
「うどんもあるよ、もろこしうどんだって、下に降りて食べようか! 気に入ったら皆で一から作るのも楽しいと思わない??」
「みんなで」

 その皆の中に獣人が入っていたら嬉しいな。
 肉球を真っ白にしながらお団子や餅を作ったら可愛いだろうなぁ、肉球、ぷにぷに。

 塔から降りて城壁の上に移動、僕の手にはトウモロコシたっぷりのあんかけうどん。
 お正月だからお餅も入ってるよ。おお温かい。

「よし、いいぞアー君!」
「パパもテンパってないで頑張ってよっ! 天帝だろう!?」
「権力が役に立たない時もあるの! それが今!」
『えっちゃん五平餅取って』
「キ」
「まぁまごへーもちたべさせてあげりゅ」
「!!」
 
 シャムスがお喋りしている!
 さらに小さなおててで僕に五平餅を食べさせようとしているではないですか! なお、後ろでシャムスを支えている霧ちゃんは黒子なので見ないこととする。

「あーん」
「ふぁぁ」

 自分も食べたいだろうに、僕に食べさせようとしてくるシャムス可愛い! 尊い!

「シャムスがモチモチ」
「ちあうの」
「シャムスが食べさせてくれた五平餅がモチモチ」
『おいちーね』

 ふっくら柔らか、甘すぎないタレがお米に絡んで美味しい。
 昔から愛される素朴な味だなぁ。

「ママ、これな、ツキノワグマ兄弟の実家が作り始めたんだって!」
「!?」
「ツキノワグマが作った五平餅、あの熊の大きな手で作られた五平餅!」

 ほわぁぁぁ!!

「もろこしうどんは春日の茶屋の新メニューだけど、作ったのは狐獣人!」
『幻術で作った影でうどん打ったのよ』
「母上、山猫獣人からこれを預かってきた」

 そう言って霧ちゃんが僕に渡したのはきびだんごだった。

「熊が渡したのを見て対抗意識を燃やしたようだ」

 山猫獣人の一族が作るきびだんご。
 山猫があの肉球で作ったきびだんご。

「あっ、スタンピード収まった」
『ふぃー』
「あー心臓に悪かったぁ、ママのご機嫌損ねると邪神並みに厄介!!」

 もちもちしてる。
 山猫印のきびだんご、猫の肉球のようなふわふわ感が幸せ。
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