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第二章 聖杯にまつわるお話
第299話
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扉をえっちゃんに開けてもらうと真っ先にイネスが乗り込んだ。
「天知る地知る我知る人知る! 正義の天秤、イネス参上!」
「イネス様、カッコイイです!」
「エッヘン!」
倒れる二人の上に乗って決めセリフを高らかに口にしたけれど、それやるなら気絶させない方が良かったかな?
「俺もやる、俺もやる!」
「涼ちゃんやると人間潰れますね」
『霧ちゃんお願い』
「いいだろう」
決め台詞を自分もやりたいと駄々をこねる涼玉、でも君、邪神一の力持ちであるマールスだから持ち運び出来るのであって、ただの人間の上に乗ったら死ぬと思う。
イネスも同じことを思ったみたいだけど、そこにシャムスが霧ちゃんに何かお願いをし、霧が涼玉を持ち上げようとして……凄いフルフルしている。
「う、うぅ」
まずい涼玉が泣きそうだ。
えっちゃん、えっちゃん先生、お願いします!
闇がシュッと伸びて下から涼玉を支える。
するとあら不思議、霧の上に立つミニドラゴンの出来上がり~。
そのまま人間の上に移動、数センチ開けて仁王立ちする涼玉。
「豊穣ドラゴン、涼玉参上!!」
『きゃー!』
「涼ちゃん輝いてますよー」
「ひゅーひゅー」
チラッと霧ちゃんを見たら脂汗をかいておりました。
小さいとは言え、ドラゴンを支えるのは中々厳しいみたいです。
遊んでいる子供たちは霧ちゃんに任せ、ベッドに近づくと薄っすらと目を開いていました。
あれだけ騒いでいたらさすがに起きるか。
「みんな、おじさ、えーお偉いさん、起きたよ」
おじさんと言っておいて復活したらお兄さんだったら気まずいと思い言い直しました。
原因は分からないけどとても衰弱しております、もうじき死にそうだなぁってぐらい、顔色も悪いし、イネスの言う通り呼吸も浅い、毒でも盛られているんだろうなぁ。
でも大丈夫!
来たのが僕らで良かったね!
「ミケーレ様……これは街に蔓延している病と同じ症状!」
『疫病ねー』
「疫病!? マールス大丈夫か?」
「ネヴォラも!!」
「私は邪神ですから、疫病を振りまく側です」
「おおー」
「ネヴォラは?」
「健康無双の呪い掛かってるから状態異常ならないの! たまには役に立つなあの変態!」
ベッドの住人と案内人の会話から分かったことですが、どうやら街全体が疫病に襲われて街道を封鎖して街ごと隔離中、食べ物の支援もなく死を待つばかりだったみたいです。
そっかぁ、普通は確かに近寄らないというか、近寄れないね。
カイちゃんが手を出さなかったも理由が分かった。治すのもその後の手助けをするのも面倒だったんだ!
疫病に関しては僕ら全員、状態異常無効があるからね、全く問題ありません。
食べ物の支援もお任せください、ひよこ豆が大量にあります、足りなかったら決め台詞ごっこしている豊穣ドラゴンが増やすのでご安心を。
「天知る地知る我知る人知る! 正義の天秤、イネス参上!」
「イネス様、カッコイイです!」
「エッヘン!」
倒れる二人の上に乗って決めセリフを高らかに口にしたけれど、それやるなら気絶させない方が良かったかな?
「俺もやる、俺もやる!」
「涼ちゃんやると人間潰れますね」
『霧ちゃんお願い』
「いいだろう」
決め台詞を自分もやりたいと駄々をこねる涼玉、でも君、邪神一の力持ちであるマールスだから持ち運び出来るのであって、ただの人間の上に乗ったら死ぬと思う。
イネスも同じことを思ったみたいだけど、そこにシャムスが霧ちゃんに何かお願いをし、霧が涼玉を持ち上げようとして……凄いフルフルしている。
「う、うぅ」
まずい涼玉が泣きそうだ。
えっちゃん、えっちゃん先生、お願いします!
闇がシュッと伸びて下から涼玉を支える。
するとあら不思議、霧の上に立つミニドラゴンの出来上がり~。
そのまま人間の上に移動、数センチ開けて仁王立ちする涼玉。
「豊穣ドラゴン、涼玉参上!!」
『きゃー!』
「涼ちゃん輝いてますよー」
「ひゅーひゅー」
チラッと霧ちゃんを見たら脂汗をかいておりました。
小さいとは言え、ドラゴンを支えるのは中々厳しいみたいです。
遊んでいる子供たちは霧ちゃんに任せ、ベッドに近づくと薄っすらと目を開いていました。
あれだけ騒いでいたらさすがに起きるか。
「みんな、おじさ、えーお偉いさん、起きたよ」
おじさんと言っておいて復活したらお兄さんだったら気まずいと思い言い直しました。
原因は分からないけどとても衰弱しております、もうじき死にそうだなぁってぐらい、顔色も悪いし、イネスの言う通り呼吸も浅い、毒でも盛られているんだろうなぁ。
でも大丈夫!
来たのが僕らで良かったね!
「ミケーレ様……これは街に蔓延している病と同じ症状!」
『疫病ねー』
「疫病!? マールス大丈夫か?」
「ネヴォラも!!」
「私は邪神ですから、疫病を振りまく側です」
「おおー」
「ネヴォラは?」
「健康無双の呪い掛かってるから状態異常ならないの! たまには役に立つなあの変態!」
ベッドの住人と案内人の会話から分かったことですが、どうやら街全体が疫病に襲われて街道を封鎖して街ごと隔離中、食べ物の支援もなく死を待つばかりだったみたいです。
そっかぁ、普通は確かに近寄らないというか、近寄れないね。
カイちゃんが手を出さなかったも理由が分かった。治すのもその後の手助けをするのも面倒だったんだ!
疫病に関しては僕ら全員、状態異常無効があるからね、全く問題ありません。
食べ物の支援もお任せください、ひよこ豆が大量にあります、足りなかったら決め台詞ごっこしている豊穣ドラゴンが増やすのでご安心を。
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