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第二章 聖杯にまつわるお話
第249話
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ライスバーガーはレッサーデーモンが守る辺境の地において、特産品扱いとなりました。
彼らお強いらしくって、そこにいるだけで侵入者に対する抑止力になってるみたい。
しかもアー君の領民になっただけでなく、謎能力で強化されているからほぼ無敵というかね。
普通にキャッキャウフフと暮らしているだけで、下手な人間は怖くて近付けないらしい。
つまり衣食住が整った後はとても暇を持て余したらしい、そこにアー君らから与えられたライスバーガーの大量生産指令。
とてもいいお小遣い稼ぎになったそうです。
「俺はこれで恋人が出来ました」
「マジかよ」
そんな会話もあったとかなんとか。
「片栗粉は原料考えるの面倒だったから一つの植物から採取できるよう、シヴァにお願いしちゃった」
『二つ返事だったの』
「理由聞かれたから素直に答えたら、定期購入の予約まで入れてくれた。ショタには優しいんだよな」
「冷凍すると長持ちするってアドバイス付きです」
凍らせれば遠方へも運べる。
遠征などにも向いているという事で、主に帝国を中心に広げる予定だとか。
刀国では広げないかって?
稲を栽培しているマシュー君にレシピを渡そうとしたら、ネヴォラの養父であるゴブリン発案ですでに量産体制に入っていたそうです。
ただマシュー君とゴブリン菜園の場所柄、自分達の消費以外は魔王領に卸していて、刀国に納品する分がないだけでした。
「あっちはドラゴンや魔物が多いからな、消費量が激しくてこっち回ってこないんだ」
『がーん』
「レッサーデーモン狩りする?」
「しちゃいます?」
お家で好きなだけ食べれるのにお外でも食べたいシャムスがショックを受け、それに対して涼玉とイネスが物騒な提案をしております。
止めようか迷っている間にネヴォラも沸いて、あいつらの住処はどこだママを連れて行こうと会議してます。
「魔物の連中も気がいい奴らが多いから知り合った冒険者にライスバーガーを分けるだろ、そこからじわじわと噂が広がって問い合わせが地味に多い」
「こういう時は孤児院の内職にするのが定番じゃない?」
「うちの孤児院はポーション市場独占してるから、ライスバーガーに手を出してる暇はないかな」
国民性が逞しすぎる。
「ああ……怪我で冒険者を続けられなくなった連中集めてやらせるか?」
『引退した人は趣味に走ってるの』
「この間も怪我で引退かぁ残念だなぁ仕方ないからトリマーに転職しようかなぁっ、て言ってる奴がいた」
「その人、僕のお店で雇いました。今は僕の専属トリマーです!」
「悩んでるのフリだったんか」
ラノベ等では冒険者を怪我で引退すると苦悩とかあるものだけど、やっぱり刀国は一味違った。
冒険者を引退しても普通に転職できるし、趣味や夢を実現する余裕がある。
闇落ちしそうにないよね刀国民って。
「刀国の引退した冒険者のその後が充実して雇えそうにない」
『引退して船乗りになった人もいるのよ』
「ゴブリン雇った方が早くないか?」
「土地は余ってます!」
「屋台をやるのが夢の冒険者探すのは?」
「「それだ!!」」
ネヴォラの提案にうちの子たちが一斉に手を叩いた。
「屋台ならそこまで量産する必要ないしな」
『一日の販売数限定するの』
「どうしても食べたければ米を買って家で作ればいいしな!」
「中の具を選べるようにしましょう」
「初級ダンジョンで素っ裸になった冒険者、慈悲でバイトに雇ってやんのよ!」
こうして刀国にライスバーガーの屋台が開店することが決定しました。
人材はこれから探します。
彼らお強いらしくって、そこにいるだけで侵入者に対する抑止力になってるみたい。
しかもアー君の領民になっただけでなく、謎能力で強化されているからほぼ無敵というかね。
普通にキャッキャウフフと暮らしているだけで、下手な人間は怖くて近付けないらしい。
つまり衣食住が整った後はとても暇を持て余したらしい、そこにアー君らから与えられたライスバーガーの大量生産指令。
とてもいいお小遣い稼ぎになったそうです。
「俺はこれで恋人が出来ました」
「マジかよ」
そんな会話もあったとかなんとか。
「片栗粉は原料考えるの面倒だったから一つの植物から採取できるよう、シヴァにお願いしちゃった」
『二つ返事だったの』
「理由聞かれたから素直に答えたら、定期購入の予約まで入れてくれた。ショタには優しいんだよな」
「冷凍すると長持ちするってアドバイス付きです」
凍らせれば遠方へも運べる。
遠征などにも向いているという事で、主に帝国を中心に広げる予定だとか。
刀国では広げないかって?
稲を栽培しているマシュー君にレシピを渡そうとしたら、ネヴォラの養父であるゴブリン発案ですでに量産体制に入っていたそうです。
ただマシュー君とゴブリン菜園の場所柄、自分達の消費以外は魔王領に卸していて、刀国に納品する分がないだけでした。
「あっちはドラゴンや魔物が多いからな、消費量が激しくてこっち回ってこないんだ」
『がーん』
「レッサーデーモン狩りする?」
「しちゃいます?」
お家で好きなだけ食べれるのにお外でも食べたいシャムスがショックを受け、それに対して涼玉とイネスが物騒な提案をしております。
止めようか迷っている間にネヴォラも沸いて、あいつらの住処はどこだママを連れて行こうと会議してます。
「魔物の連中も気がいい奴らが多いから知り合った冒険者にライスバーガーを分けるだろ、そこからじわじわと噂が広がって問い合わせが地味に多い」
「こういう時は孤児院の内職にするのが定番じゃない?」
「うちの孤児院はポーション市場独占してるから、ライスバーガーに手を出してる暇はないかな」
国民性が逞しすぎる。
「ああ……怪我で冒険者を続けられなくなった連中集めてやらせるか?」
『引退した人は趣味に走ってるの』
「この間も怪我で引退かぁ残念だなぁ仕方ないからトリマーに転職しようかなぁっ、て言ってる奴がいた」
「その人、僕のお店で雇いました。今は僕の専属トリマーです!」
「悩んでるのフリだったんか」
ラノベ等では冒険者を怪我で引退すると苦悩とかあるものだけど、やっぱり刀国は一味違った。
冒険者を引退しても普通に転職できるし、趣味や夢を実現する余裕がある。
闇落ちしそうにないよね刀国民って。
「刀国の引退した冒険者のその後が充実して雇えそうにない」
『引退して船乗りになった人もいるのよ』
「ゴブリン雇った方が早くないか?」
「土地は余ってます!」
「屋台をやるのが夢の冒険者探すのは?」
「「それだ!!」」
ネヴォラの提案にうちの子たちが一斉に手を叩いた。
「屋台ならそこまで量産する必要ないしな」
『一日の販売数限定するの』
「どうしても食べたければ米を買って家で作ればいいしな!」
「中の具を選べるようにしましょう」
「初級ダンジョンで素っ裸になった冒険者、慈悲でバイトに雇ってやんのよ!」
こうして刀国にライスバーガーの屋台が開店することが決定しました。
人材はこれから探します。
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