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第二章 聖杯にまつわるお話
第192話
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刀雲が持ち込んだ激辛を超えたソースが原因で阿鼻叫喚の地獄が発生したけど、僕と子供達は室内で平和に食事を終えることが出来ました。
庭で食事が終わるまで花札やトランプで遊んだけれど、その間ずっとうめき声が聞こえていたのは気のせい、あれは美味しい食事に対する声だと思いたい。
あとですね。
子供達に囲まれていたので気付くのが遅れたのですが……アー君、幼児姿。
姿が逆行するほどの衝撃だったのか、刀雲の特製ソース。
人に迷惑をかけて申し訳ないと思ったけど、ラッキーな効果もありました!
本人が気付くまで黙っていよう、最近は精神の揺れ幅が少なくて幼児化することもほとんどなくて寂しかったんだよね。
『んー、右3と下4かな』
「シャムス強いなー」
「ぐあぁ、全然分かんねぇ」
「野生の直感が役に立たない」
シャムスが皇子やその友人とやっているのは神経衰弱、家でも涼玉やイネスとやっているので強い強い。
僕は膝にアー君を乗せ、抱っこしながら見学中。
意外と気付かないものなんだなぁ、そんな所も可愛い。
こういった勝負事は刀雲がやたら強いのだけど、現在は帝国の将軍と庭の隅に追いやられて二人仲良く特製ソースを楽しんでいるらしい。
風向きが変わったら悲劇が繰り返されるんじゃと心配したら、どうやら騎士様のパパである珱さんが風向きを調節しているようです。過保護ですね。
「七並べで勝てない」
「選手交代しよう、俺ブラックジャックで全然勝てない」
「大富豪が意味わからない、脳から煙出そう」
僕の生んだ帝国皇子は脳筋しかいないのだろうか。
「ババ抜きなんで負けるんだろう」
「顔に出てるよ」
「そんなぁ」
第四皇子が優しく答えを教えてあげたけれど、顔に出さないよう力を入れた反動で全部声に出てた。
頭脳戦無理みたいです。
「神子様、これはお茶会に入りますか?」
「どちらかと言うと昼食会?」
首をこてりと傾げて聞いてきたのは多分相談役さんの息子さんかな、あの人の子供は全体的に天使みたいなふわふわ外見の子が多いから分かりやすい。
中身はやんちゃだけどね。
「女神様がね、お茶会で皇子に媚を売るのは王道って言ってました」
「うん、無視していいよ」
自分の息子に媚を売れという意味ではなく、そういう場面が見たいだけな気がする。
「媚を売るのお茶会だけでいいのかな?」
「普段はいいのかな?」
「悩むふりしてもお前らの本性知ってるから無意味だと思うんだ」
「神子様の名前に誓う、いつかお前をメロメロにさせてやる!」
小さな天使が皇子の一人をビシリと指さして宣言した。
どちらかと言うと女神様はそういう展開の方が好きかもしれない、なんて思った僕は甘かった。
「そんな事しなくてもメロメロだから安心しろ」
「うきゃ」
甘い笑顔で頭をポン。仕草も行動も甘々、宣言した天使は茹蛸のようになっていました。
庭で食事が終わるまで花札やトランプで遊んだけれど、その間ずっとうめき声が聞こえていたのは気のせい、あれは美味しい食事に対する声だと思いたい。
あとですね。
子供達に囲まれていたので気付くのが遅れたのですが……アー君、幼児姿。
姿が逆行するほどの衝撃だったのか、刀雲の特製ソース。
人に迷惑をかけて申し訳ないと思ったけど、ラッキーな効果もありました!
本人が気付くまで黙っていよう、最近は精神の揺れ幅が少なくて幼児化することもほとんどなくて寂しかったんだよね。
『んー、右3と下4かな』
「シャムス強いなー」
「ぐあぁ、全然分かんねぇ」
「野生の直感が役に立たない」
シャムスが皇子やその友人とやっているのは神経衰弱、家でも涼玉やイネスとやっているので強い強い。
僕は膝にアー君を乗せ、抱っこしながら見学中。
意外と気付かないものなんだなぁ、そんな所も可愛い。
こういった勝負事は刀雲がやたら強いのだけど、現在は帝国の将軍と庭の隅に追いやられて二人仲良く特製ソースを楽しんでいるらしい。
風向きが変わったら悲劇が繰り返されるんじゃと心配したら、どうやら騎士様のパパである珱さんが風向きを調節しているようです。過保護ですね。
「七並べで勝てない」
「選手交代しよう、俺ブラックジャックで全然勝てない」
「大富豪が意味わからない、脳から煙出そう」
僕の生んだ帝国皇子は脳筋しかいないのだろうか。
「ババ抜きなんで負けるんだろう」
「顔に出てるよ」
「そんなぁ」
第四皇子が優しく答えを教えてあげたけれど、顔に出さないよう力を入れた反動で全部声に出てた。
頭脳戦無理みたいです。
「神子様、これはお茶会に入りますか?」
「どちらかと言うと昼食会?」
首をこてりと傾げて聞いてきたのは多分相談役さんの息子さんかな、あの人の子供は全体的に天使みたいなふわふわ外見の子が多いから分かりやすい。
中身はやんちゃだけどね。
「女神様がね、お茶会で皇子に媚を売るのは王道って言ってました」
「うん、無視していいよ」
自分の息子に媚を売れという意味ではなく、そういう場面が見たいだけな気がする。
「媚を売るのお茶会だけでいいのかな?」
「普段はいいのかな?」
「悩むふりしてもお前らの本性知ってるから無意味だと思うんだ」
「神子様の名前に誓う、いつかお前をメロメロにさせてやる!」
小さな天使が皇子の一人をビシリと指さして宣言した。
どちらかと言うと女神様はそういう展開の方が好きかもしれない、なんて思った僕は甘かった。
「そんな事しなくてもメロメロだから安心しろ」
「うきゃ」
甘い笑顔で頭をポン。仕草も行動も甘々、宣言した天使は茹蛸のようになっていました。
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