神様のポイント稼ぎに利用された3~過保護な神々と溺愛家族に囲われています~

ゆめ

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第二章 聖杯にまつわるお話

第155話

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 元呪われていた岩の狼が仲間になった!
 死者はなし、重傷者はいたけれど野菜を食べて回復、ついでに好き嫌いも克服して八方好し!

「良くねぇっすよ!」
「俺らのアイテムボックスが野菜と漬物だらけなのは!?」
「屋台のおばちゃんに売ればいいと思う」
「漬物買ってくれるかな……」
「居酒屋に売るか?」

 苦情を述べたりもしょもしょと相談したり忙しいですね。

『ろでおー』
「シャムス兄とロデオ!」
「「ぎゃーーー!!」」

 シャムスと涼玉がキャッキャウフフと遊び始めたのを見て、冒険者が可愛らしい悲鳴を一斉に上げた。
 そりゃそうだよね、せっかく野菜地獄から生還したのに、また降ってきたらたまったもんじゃないだろう。

「これ、お前の好きな料理が作れるやつだな」
「ぎゃぅ!」
「帰ったら野菜炒め作るけど、お前らも食うか?」
「ぎゃぎゃ!」

 騎士団は将軍の指示で周囲に散らばった野菜を回収、もふもふズと一緒にのんびりと作業している。
 しかもサラッと夕食に誘ったりしているあたり、今回の参加者はもふもふ好きが多いようだ。

「アルジュナ様、あの……」
「生臭いな……もうやだ」

 申し訳なさそうに話しかけてくる冒険者、遠い目をしながら現実逃避するアー君。
 何と今度は空から生魚が降ってきました。

「わはは、楽しいな!」
『あい!』

 原因はいつの間にかシャムスに同乗しているヨムちゃんだろう、海の神様も兼ねているからね、涼玉の能力と混ざった結果こんなことになっているのは否定できない。

「確かゴブリン菜園この近くだったよな」
「おう、お前も同じ考えか」
「あそこならドラゴンもいるらしいし、大量消費に付き合ってくれるだろ」
「そうしようか」

 なんということでしょう、冒険者が状況に適応した上に、自ら解決策を思いついたようです。
 神様の遊戯に口を出すことも、止めることも叶わないなら諦めて終わるのを待つことにしたのか……諦めるの早いなぁ。

「涼ー、そろそろ帰るぞー」
「分かったー!」
『あーい』

 日が落ちる前に帰ろうとアー君に言うと、心得たとばかりに頷いて涼玉に声をかけてくれた。
 遊び倒して疲れたからか、素直に返事してくれたよ! 周囲からもホッとしたため息が漏れてました。

「楽しかった! お前やるな!!」

 岩の狼から降りたヨムちゃんが、狼をバシバシ叩きながら大口を開けて笑っている。

「ロデオもお疲れ、楽しかったなぁ」
「もぉぉ」
「撤収作業開始!」

 刀雲の一言を合図に騎士団と冒険者が機敏に動き始めた。
 他国では冒険者と騎士というのは仲が悪いことが多い、けど刀国においてそれはない、騎士から冒険者になる人もいればその逆も普通にあるし、元気が有り余っているタイプだと兼業しちゃう猛者もいるらしい。
 
 刀雲は騎士からすれば将軍という騎士のトップ、冒険者からはギルド統括であるアー君パパということで、自然と今回の責任者扱いだったけど、それでいいのだろうか、刀国ってなぁなぁで済ませること多いよね。

「しょうぐーん、カボチャこんなに要らないっす!」
「アイテムボックスが満タンでもう入らないでっす」
「閣下! こちらのマジック鞄も満杯となっております!」
「持ち帰れない分はアー君に預けろ、明日以降ギルドで受け取るか売り払うか出来るから」
「「了解!!」」

 いや、責任者というより保護者……?

「パパ肩車」
「え、もう良くない? 帰宅するだけよ?」
「なんか、こう、歩くの面倒?」

 一方、アー君は冒険者の面倒を刀雲に任せ、自分は歩きたくないと騎士様に肩車を再び要求していました。
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