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最終章 愛されていた鳥
第20話
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――――パァァァン……!!!
「……なっ!!」
突然、男の持っていたナイフが弾き飛ばされる。男が突然の出来事に何が起こったか分からなくて、声を上げる。
「そこまでだ!!!」
物置小屋に透たちが入ってくる。
「奏ちゃん!!」
冴子が慌てて奏に駆け寄る。
「大丈夫?!奏ちゃん!!」
冴子が奏を抱き起しながらそう声を掛ける。
「さ……冴子……さん……?」
奏が途切れ途切れにそう言葉を発する。
「槙!奏ちゃんを車まで運ぶのを手伝って!!」
「はい!!」
冴子が槙にそう声を掛けて、二人で奏を運ぶ。
「……さて♪お縄について貰いましょうか?♪」
紅蓮が軽快にそう言葉を綴る。
「くっ……」
男が顔を歪ませる。
「なんで……警察がここに……」
男がそう声を発する。
「貴様をおびき寄せる為だ。まんまと俺たちが張った罠に引っ掛かったんだよ」
透がそう言葉を綴る。
「くそっ……」
その言葉に男がそう声を発する。
――――ガシャーンっ!!!
男は近くにあった大きなガラスの水槽を持ち、透たちに投げつける。
「うわっ!!!」
紅蓮と透がその水槽をよける。
――――ダダダッ……!!!
男がその隙に走り、ナイフを拾い上げる。そして、ポケットからもう一本のナイフを取り出す。
「二刀流でやり合おうというのか?」
透がそう言葉を綴り、腰から警棒を抜く。
「いいぜ……?やってやるよ……」
透が警棒を持ちながら構える。
そして……。
――――ガキーンッ……!!!
透と男が持っている警棒とナイフが交わり、音が響く。
――――カキンッ!カキンッ!カキンッ!!
激しい音が響き、警棒とナイフが何度も交わり音を鳴らす。
――――カキンッ!カキンッ!カキンッ!
お互いの腕が互角なのか、どちらも相手に傷をつけられない。
――――カキンッ!カキンッ!カキンッ!……カキーーーンッ!!!
何度も交じり合いの音が響き、透が一枚上手だったのか男のナイフが空中を舞う。
―――――――ドスッ!!!
男のナイフが床に刺さる。
「……勝負あったな」
透がそう口を開く。
男が残ったもう一つのナイフを構える。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
男が息を乱しながらナイフを透に向ける。
「……まだやるか?」
透がそう声を出す。
次の瞬間だった。
「……なっ?!」
男がナイフを自分の喉元に向ける。
「させるか!!」
紅蓮がそう叫びながら銃の引き金を引く。
――――パァァァン……!!!
紅蓮が放った銃弾が男のナイフに当たり、ナイフが空中を舞い、床に落ちる。
その瞬間を逃さないように透が男に駆け寄り、男を捕まえる。
「殺人未遂の容疑で逮捕する!!」
透がそう叫んで男の手に手錠をかける。
「さて……顔を拝ませてもらいましょうか?」
紅蓮がそう言って、男のサングラスを取る。
そして、男の素顔が晒される。
(あれ?この顔どこかで……?)
透が男の素顔を見て心でそう呟く。
男は紅蓮に連れられて物置小屋を出て行く。
「大丈夫ですか?」
透が賀川にそう声を掛ける。
「アクシデントが起こり、危険な目に遭わせてすみません……。とりあえず、賀川さんも署の方までご同行願えますか?」
透の言葉に賀川が頷く。
「奏ちゃん?大丈夫?」
冴子が車の中で奏にそう声を掛ける。
奏は目を覚まして、呼吸も落ち着いてきていた。
「すみません……」
奏が申し訳なさそうにそう声を発する。
「大丈夫よ。透たちならやってくれるわ」
冴子が微笑みながらそう言葉を綴る。
「……おい、戻ってきたぞ」
槙が奏と冴子にそう声を掛ける。
「無事犯人を確保できたみたいだな」
男が紅蓮に連れてこちらに向って歩いてくるのが見えてそう声を出す。
奏が車の窓からそっと犯人の顔を覗く。
「…………え?」
「……なっ!!」
突然、男の持っていたナイフが弾き飛ばされる。男が突然の出来事に何が起こったか分からなくて、声を上げる。
「そこまでだ!!!」
物置小屋に透たちが入ってくる。
「奏ちゃん!!」
冴子が慌てて奏に駆け寄る。
「大丈夫?!奏ちゃん!!」
冴子が奏を抱き起しながらそう声を掛ける。
「さ……冴子……さん……?」
奏が途切れ途切れにそう言葉を発する。
「槙!奏ちゃんを車まで運ぶのを手伝って!!」
「はい!!」
冴子が槙にそう声を掛けて、二人で奏を運ぶ。
「……さて♪お縄について貰いましょうか?♪」
紅蓮が軽快にそう言葉を綴る。
「くっ……」
男が顔を歪ませる。
「なんで……警察がここに……」
男がそう声を発する。
「貴様をおびき寄せる為だ。まんまと俺たちが張った罠に引っ掛かったんだよ」
透がそう言葉を綴る。
「くそっ……」
その言葉に男がそう声を発する。
――――ガシャーンっ!!!
男は近くにあった大きなガラスの水槽を持ち、透たちに投げつける。
「うわっ!!!」
紅蓮と透がその水槽をよける。
――――ダダダッ……!!!
男がその隙に走り、ナイフを拾い上げる。そして、ポケットからもう一本のナイフを取り出す。
「二刀流でやり合おうというのか?」
透がそう言葉を綴り、腰から警棒を抜く。
「いいぜ……?やってやるよ……」
透が警棒を持ちながら構える。
そして……。
――――ガキーンッ……!!!
透と男が持っている警棒とナイフが交わり、音が響く。
――――カキンッ!カキンッ!カキンッ!!
激しい音が響き、警棒とナイフが何度も交わり音を鳴らす。
――――カキンッ!カキンッ!カキンッ!
お互いの腕が互角なのか、どちらも相手に傷をつけられない。
――――カキンッ!カキンッ!カキンッ!……カキーーーンッ!!!
何度も交じり合いの音が響き、透が一枚上手だったのか男のナイフが空中を舞う。
―――――――ドスッ!!!
男のナイフが床に刺さる。
「……勝負あったな」
透がそう口を開く。
男が残ったもう一つのナイフを構える。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
男が息を乱しながらナイフを透に向ける。
「……まだやるか?」
透がそう声を出す。
次の瞬間だった。
「……なっ?!」
男がナイフを自分の喉元に向ける。
「させるか!!」
紅蓮がそう叫びながら銃の引き金を引く。
――――パァァァン……!!!
紅蓮が放った銃弾が男のナイフに当たり、ナイフが空中を舞い、床に落ちる。
その瞬間を逃さないように透が男に駆け寄り、男を捕まえる。
「殺人未遂の容疑で逮捕する!!」
透がそう叫んで男の手に手錠をかける。
「さて……顔を拝ませてもらいましょうか?」
紅蓮がそう言って、男のサングラスを取る。
そして、男の素顔が晒される。
(あれ?この顔どこかで……?)
透が男の素顔を見て心でそう呟く。
男は紅蓮に連れられて物置小屋を出て行く。
「大丈夫ですか?」
透が賀川にそう声を掛ける。
「アクシデントが起こり、危険な目に遭わせてすみません……。とりあえず、賀川さんも署の方までご同行願えますか?」
透の言葉に賀川が頷く。
「奏ちゃん?大丈夫?」
冴子が車の中で奏にそう声を掛ける。
奏は目を覚まして、呼吸も落ち着いてきていた。
「すみません……」
奏が申し訳なさそうにそう声を発する。
「大丈夫よ。透たちならやってくれるわ」
冴子が微笑みながらそう言葉を綴る。
「……おい、戻ってきたぞ」
槙が奏と冴子にそう声を掛ける。
「無事犯人を確保できたみたいだな」
男が紅蓮に連れてこちらに向って歩いてくるのが見えてそう声を出す。
奏が車の窓からそっと犯人の顔を覗く。
「…………え?」
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