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第五章 羽を失った鳥は猛獣をエサにする
第17話
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「……零士を殺害したのは麗美ではない?」
「あぁ……」
冴子の言葉に本山がそう答える。
「先程の取り調べでな……」
そう言って本山が先程の会話を説明した。
「それは……、その……毒の入ったカプセルを零士のところにこの前のことを謝りに行った時にこっそりとサプリメントケースに忍び込ませたんです……。似たようなカプセルが入っているのを見たことがあったからそれに紛れ込ませました……。それをいつか飲んで死ねばいいって思っていたんです……。でも、その毒を使わずに零士は突き飛ばされて死んだわけですが……」
麗美が静かにそう言葉を語る。
「……しかし、毒のカプセルは一つじゃないだろ?」
「……え?」
本山の言葉に麗美がそう声を出す。
「高血圧の零士に低血圧用の血圧が上がる薬も仕込んだだろ?」
「高血圧……?」
本山の言葉に麗美が「なんの事?」と言うような顔をする。
「あんた、零士が高血圧だってことを知っていてその薬も仕込んだんじゃないのか?」
本山が「どういうことだ?」と、疑問に思いながらそう言葉を綴る。
「……零士が高血圧?……え?どういうこと??私が毒を仕込んだカプセルは一つだけよ?」
「……という事を言っていたんだ。つまり、その低血圧用の薬を仕込んだのは別の人物という事になる……」
本山が話し終わり、ため息を吐く。
「……じゃあ、零士殺しの犯人は別にいるってこと?」
冴子が驚いたようにそう言葉を綴る。
「……じゃあ、それを仕込んだのは……」
紅蓮がそう言ってある人物の名前を出す。
「だが、今のところ、零士とその人の接点は見つかっていない……」
透が神妙な顔でそう言葉を綴る。
「……とりあえず、その二人の接点を探ってみましょう……」
冴子の言葉で今度はその二人の接点を探る事になった。
翌日、奏たちは二人の接点を探るために、零士が勤めていたクラブに向かった。そこである人物の事を聞いてみる。
「あぁ……、知っていますよ。零士はこの子の事気に入っていましたから……」
あるホストにその人物と零士の接点がある事を教えて貰い、奏たちは驚きを隠せない。
「それに、その子って確か……」
そのホストがある話を奏たちに聞かせる。
「……じゃあ、まさか金森さんの言っていた人って……」
話を聞いて奏がそう呟く。
「……だとしたら、その薬を自分で作ったかもしれないな……」
透が神妙な顔でそう言葉を綴る。
そして、話をしてくれたホストにお礼を言って奏たちはその場を後にする。
「……もしかしたら、作った時に使用した道具が捨てられている可能性がないか?」
槙がそう言葉を綴る。
「……確か、眞子ちゃんが言っていたマンションの名前は「アステルジー久保田」だったよな?確かそこのマンションのゴミ捨て場は共有だって言っていたはずだ……」
「……よしっ!そのマンションに行ってみよう!」
紅蓮の言葉に透がそう声を発する。
奏たちは手掛かりを探るために、今度はそのマンションに向った。
「……やっぱ、もう何日も前だからさすがに残ってないか……」
マンションのゴミ置き場を管理人に開けてもらい、ゴミを確認するがそれらしいゴミはない。
「管理人さん!ここのゴミを持っていく集積所は分かりますか?」
奏がゴミ置き場の外で待機してもらっている管理人にそう声を掛ける。
「あぁ、それなら……」
集積所を教えて貰い、奏たちは今度はそちらに向かう。
「……道具のようなゴミ?あぁ……、あれかな?」
集積所で最近、そのマンションからのゴミでおかしなものがなかったかを聞くと、集積所の担当者が何か思い当たるものがあるらしく、ゴミを保管している場所からあるものを持ってくる。
「……ほれ、これだよ」
そう言ってビニール袋に入ったゴミを奏たちに見せる。
「全く……。なんか薬品名が書いてあるような瓶もあったから、何かに引火して爆発でも起こったら大変だと思ってな……。それで、別にしていたんだよ」
担当者の男が「困ったもんだ」と言う表情でそう言葉を綴る。
「良かったらこちらで処分するのでこのゴミを頂いても宜しいですか?」
奏が男にそうお願いをする。
「あぁ、構わんよ。こっちも処分に困っていたしな」
男の言葉に奏たちがお礼を言って道具が入った袋を二つ受け取る。そして、その集積所を後にすると、急いで署に戻っていった。
「……調べたら、やはり道具についていた粉のようなものや、瓶の中の薬品は低血圧に使用する薬品だったわ」
冴子が持ち帰った道具を調べた結果を話す。
「やはりな……」
透が神妙な顔で言葉を綴る。
「……よしっ!任意同行してもらおう!」
その場にいる本山がそう声を張り上げる。そして、杉原と共に部屋を出るとフェリチタに向かった。
「……最近客足が悪いわね……」
開店前のクラブ「フェリチタ」で、ママがため息を吐きながらそう言葉を綴る。
麗美が逮捕されてから、店の客足は悪くなっていた。
「まさか、麗美ちゃんが殺人を犯すなんて……」
ママがため息を吐きながら言う。
「びっくりですよね……。麗美ちゃんがそんな事をするなんて……」
真奈美も息を吐きながら「信じられない」と言う感じでそう言葉を綴る。
「もう嫌になっちゃうわ……。他の女の子にまで迷惑掛けて……。真奈美ちゃんのお客さんも遠のいている人がいるし……」
ママが少し怒り気味でそう言葉を綴る。
「あの……ママ……」
「あぁ……」
冴子の言葉に本山がそう答える。
「先程の取り調べでな……」
そう言って本山が先程の会話を説明した。
「それは……、その……毒の入ったカプセルを零士のところにこの前のことを謝りに行った時にこっそりとサプリメントケースに忍び込ませたんです……。似たようなカプセルが入っているのを見たことがあったからそれに紛れ込ませました……。それをいつか飲んで死ねばいいって思っていたんです……。でも、その毒を使わずに零士は突き飛ばされて死んだわけですが……」
麗美が静かにそう言葉を語る。
「……しかし、毒のカプセルは一つじゃないだろ?」
「……え?」
本山の言葉に麗美がそう声を出す。
「高血圧の零士に低血圧用の血圧が上がる薬も仕込んだだろ?」
「高血圧……?」
本山の言葉に麗美が「なんの事?」と言うような顔をする。
「あんた、零士が高血圧だってことを知っていてその薬も仕込んだんじゃないのか?」
本山が「どういうことだ?」と、疑問に思いながらそう言葉を綴る。
「……零士が高血圧?……え?どういうこと??私が毒を仕込んだカプセルは一つだけよ?」
「……という事を言っていたんだ。つまり、その低血圧用の薬を仕込んだのは別の人物という事になる……」
本山が話し終わり、ため息を吐く。
「……じゃあ、零士殺しの犯人は別にいるってこと?」
冴子が驚いたようにそう言葉を綴る。
「……じゃあ、それを仕込んだのは……」
紅蓮がそう言ってある人物の名前を出す。
「だが、今のところ、零士とその人の接点は見つかっていない……」
透が神妙な顔でそう言葉を綴る。
「……とりあえず、その二人の接点を探ってみましょう……」
冴子の言葉で今度はその二人の接点を探る事になった。
翌日、奏たちは二人の接点を探るために、零士が勤めていたクラブに向かった。そこである人物の事を聞いてみる。
「あぁ……、知っていますよ。零士はこの子の事気に入っていましたから……」
あるホストにその人物と零士の接点がある事を教えて貰い、奏たちは驚きを隠せない。
「それに、その子って確か……」
そのホストがある話を奏たちに聞かせる。
「……じゃあ、まさか金森さんの言っていた人って……」
話を聞いて奏がそう呟く。
「……だとしたら、その薬を自分で作ったかもしれないな……」
透が神妙な顔でそう言葉を綴る。
そして、話をしてくれたホストにお礼を言って奏たちはその場を後にする。
「……もしかしたら、作った時に使用した道具が捨てられている可能性がないか?」
槙がそう言葉を綴る。
「……確か、眞子ちゃんが言っていたマンションの名前は「アステルジー久保田」だったよな?確かそこのマンションのゴミ捨て場は共有だって言っていたはずだ……」
「……よしっ!そのマンションに行ってみよう!」
紅蓮の言葉に透がそう声を発する。
奏たちは手掛かりを探るために、今度はそのマンションに向った。
「……やっぱ、もう何日も前だからさすがに残ってないか……」
マンションのゴミ置き場を管理人に開けてもらい、ゴミを確認するがそれらしいゴミはない。
「管理人さん!ここのゴミを持っていく集積所は分かりますか?」
奏がゴミ置き場の外で待機してもらっている管理人にそう声を掛ける。
「あぁ、それなら……」
集積所を教えて貰い、奏たちは今度はそちらに向かう。
「……道具のようなゴミ?あぁ……、あれかな?」
集積所で最近、そのマンションからのゴミでおかしなものがなかったかを聞くと、集積所の担当者が何か思い当たるものがあるらしく、ゴミを保管している場所からあるものを持ってくる。
「……ほれ、これだよ」
そう言ってビニール袋に入ったゴミを奏たちに見せる。
「全く……。なんか薬品名が書いてあるような瓶もあったから、何かに引火して爆発でも起こったら大変だと思ってな……。それで、別にしていたんだよ」
担当者の男が「困ったもんだ」と言う表情でそう言葉を綴る。
「良かったらこちらで処分するのでこのゴミを頂いても宜しいですか?」
奏が男にそうお願いをする。
「あぁ、構わんよ。こっちも処分に困っていたしな」
男の言葉に奏たちがお礼を言って道具が入った袋を二つ受け取る。そして、その集積所を後にすると、急いで署に戻っていった。
「……調べたら、やはり道具についていた粉のようなものや、瓶の中の薬品は低血圧に使用する薬品だったわ」
冴子が持ち帰った道具を調べた結果を話す。
「やはりな……」
透が神妙な顔で言葉を綴る。
「……よしっ!任意同行してもらおう!」
その場にいる本山がそう声を張り上げる。そして、杉原と共に部屋を出るとフェリチタに向かった。
「……最近客足が悪いわね……」
開店前のクラブ「フェリチタ」で、ママがため息を吐きながらそう言葉を綴る。
麗美が逮捕されてから、店の客足は悪くなっていた。
「まさか、麗美ちゃんが殺人を犯すなんて……」
ママがため息を吐きながら言う。
「びっくりですよね……。麗美ちゃんがそんな事をするなんて……」
真奈美も息を吐きながら「信じられない」と言う感じでそう言葉を綴る。
「もう嫌になっちゃうわ……。他の女の子にまで迷惑掛けて……。真奈美ちゃんのお客さんも遠のいている人がいるし……」
ママが少し怒り気味でそう言葉を綴る。
「あの……ママ……」
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