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5章 太歳公主
5-8.
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侯都正面で鶴翼の陣を敷いて待ち構えていたマガーダ軍六千の軍勢に対して、グプタ軍一千の兵は首無し騎士を陣頭に立てた楔形の陣形で突撃をかけた。時間をかけて不利になるのはグプタ軍のほうだったから、せっかく野戦を挑んできてくれたマガーダ軍をここで一気に叩きたいと考えたのは当然のように思われた。
ブリハルドがもっとも警戒したジャオの星呼びは、彼が目論んだ通り、この戦況ではどうにも使いようがなかった。
星呼びは一度そのための瞑想に入ると、隕石を落としたい場所を変えることはできなくなる上に、視線を遮られても瞑想は中断されてしまう。さらには、瞑想が中断されて隕石を落とすのに失敗したとしても、そこから二十四日間は再度の星呼びができなくなるという弱点もあった。
星呼びは小さな城ひとつを瞬く間に壊滅させるほど強力な術だが、逆に言うと城のような不動の構造物しかまともに狙えない、使い所の難しい術でもあった。少なくとも、彼我の動きが流動的な野戦においては、不用意に使えば味方を巻き込みかねないものだった。
その結果、グプタ軍は首無し騎士を大きく先行させる形での楔陣形で突撃したのだが、この動きはブリハルドの掌中だった。
首無し騎士と接触した部隊は応戦せずにすぐさま後退して、首無し騎士を自陣の深くに引き込む。それと同時に、後退する隊の左右の隊が蓋を閉じるように動いて、首無し騎士が開けた風穴に雪崩れ込もうとしていたグプタ兵を阻む。こうしてマガーダ軍は、首無し騎士をグプタ軍本隊から分断することに成功した。
しかし、後続の兵と分断されたとはいえ、首無しの黒馬を駆る首無し騎士が一騎当千の強敵であることは変わらない。事実、首無し騎士は分断されたことなどお構いなしに長矛を振りまわし、当たるを幸い、マガーダ兵を薙ぎ倒して突き進む。後続と合流することは考えず、敵の本陣を目指すようだった。
その目的はひとつ、マガーダ軍の大将であるマガーダ候ブリハルドの首級だ。大将の首を獲れば、他の兵がどれだけ残っていようが意味はない。マガーダ軍はたちまち瓦解することだろう。寡兵のグプタ軍にとって、もっとも理想的な決着のつけ方だった。
だからこそ、マガーダ軍にも予想することが容易だった。
ここが本陣で総大将ブリハルドがいるぞ、と喧伝するような物々しい幟が立っているほうへと、首無し騎士は自分が誘導されていると疑いもせず、まっすぐに馬を駆る。
――いや、待ち伏せくらいは予想していたかもしれないが、そうだとしても、まとめて叩き潰す自信があったのだろう。
そして面白いほど見事に、足下にぴんと張られていた縄に黒馬の脚を取られて、その先に隠されていた落とし穴に嵌まったのだった。
首無し騎士が誘い込まれたのは一際背の高い下草が生い茂っている一帯で、いかにも周囲で伏兵が息を潜めていそうな場所だった。だからこそ、首無し騎士は左右を警戒する余りに、足下に張られた縄や、土や草で蓋をした上に下草を植え直すほど念入りに隠蔽された陥穽を見落としてしまったのだろう。
落とし穴の深さは、首無し騎士の巨躯が半分以上も隠れてしまうほどの深さだった。
首無しの黒馬は、縄に前肢を取られて乗り手を放り投げた直後に、朝焼けを浴びた霧のように掻き消えてしまっていた。
首無し騎士はすぐに落とし穴から這い出ようとするが、マガーダ軍がそれを黙って見ているはずがない。わっと駆け寄った兵士たちが、罠に掛かった首無し騎士へと一斉に槍を突き出した。
● ● ●
一方その頃、アルジュたちグプタ軍本隊もマガーダ軍に包囲されつつあった。
首無し騎士への対処にも相当な兵力が注ぎ込まれているが、それでもなお、グプタ軍本隊に向けられた兵力は三千近くあった。
グプタ軍本隊は、人間兵士六百名が中心に集まり、その周りをワイルドハント猟兵団が包むという円陣に隊列を変化させて、マガーダ軍の猛攻に耐えていた。
邪妖精の弓から放たれた狼は隊列を組んで攻めてくるマガーダ兵の足下を擦り抜け、隊列を掻き乱す。兵士たちは革の長靴を履いていたが、大腿部はズボンの布地が露出している。狼たちはそうした守りの薄いところを狙って、兵士たちの肉を噛み千切っていった。
兵士たちも狼に刃を突き立て応戦しようとするが、密集していることが仇になって、隊列の足下を縫って駆けまわる狼たちを上手く斬りつけられない。太腿を噛まれて叫んだ兵士が闇雲に剣を振りまわしては、前や隣の味方に傷を負わせてしまう――という事態が、包囲陣のそこかしこで起きた。
兵が密集しているだけに、混乱は収まるよりも早く隣から隣へと伝播して、マガーダ軍の行き足を鈍らせた。
「いまだ、行け!」
アルジュの命令はワイルドハントの団長ハッケンベルクに向けてのものだ。
「主様の仰せのままに」
ハッケンベルクは黒い口紅をにんまり揺らして笑むと、日傘を両手で差しながら、しゃなりしゃなりとしなを作った歩き方で前線に向かっていく。そして日傘が、巨大な狼が牽く馬車へと変わる。
ハッケンベルクが乗り込んだ狼馬車は、マガーダ軍の陣列にものすごい速度で突っ込んでいった。
「おおーほほほほッ!!」
花園を吹き抜けた突風が空に花弁を撒き散らすように、狼馬車の通り過ぎた後には、轢き飛ばされた兵士の身体が、血飛沫が、いくつも宙を舞っては落ちた。
団員の放つ狼が攪乱して足止めしたところを、団長ハッケンベルクの乗り回す狼馬車が轢き飛ばしていく――。
ワイルドハント猟兵団はたった五百の手勢で、三千近いマガーダ軍を相手によく戦った。
だが、鎧のような無粋なものを身につけずにドレス姿で踊り狂っている邪妖精たちは、斬りつけられれば易々と肌を裂かれて、血飛沫と断末魔の笑い声を上げながら頽れていった。
彼女たちが息絶えても彼女たちの弓から生まれた狼は消えないが、彼女たちが死んでしまえば、狼たちは復活できなくなる。
邪妖精が断末魔の笑い声を上げるたび、狼の数は少しずつ減っていった。
ワイルドハントとマガーダ兵は互いに殺し合い、消耗していく。
ハッケンベルクの狼馬車はマガーダ兵を次々と、木枯らしが枯れ葉を吹き散らすように轢き飛ばしていくのだが……如何せん、元の数に差がありすぎる。
このままでいけば、ワイルドハントの壊滅は時間の問題だった。
だから、そうなる前にレリクスが介入した。
ブリハルドがもっとも警戒したジャオの星呼びは、彼が目論んだ通り、この戦況ではどうにも使いようがなかった。
星呼びは一度そのための瞑想に入ると、隕石を落としたい場所を変えることはできなくなる上に、視線を遮られても瞑想は中断されてしまう。さらには、瞑想が中断されて隕石を落とすのに失敗したとしても、そこから二十四日間は再度の星呼びができなくなるという弱点もあった。
星呼びは小さな城ひとつを瞬く間に壊滅させるほど強力な術だが、逆に言うと城のような不動の構造物しかまともに狙えない、使い所の難しい術でもあった。少なくとも、彼我の動きが流動的な野戦においては、不用意に使えば味方を巻き込みかねないものだった。
その結果、グプタ軍は首無し騎士を大きく先行させる形での楔陣形で突撃したのだが、この動きはブリハルドの掌中だった。
首無し騎士と接触した部隊は応戦せずにすぐさま後退して、首無し騎士を自陣の深くに引き込む。それと同時に、後退する隊の左右の隊が蓋を閉じるように動いて、首無し騎士が開けた風穴に雪崩れ込もうとしていたグプタ兵を阻む。こうしてマガーダ軍は、首無し騎士をグプタ軍本隊から分断することに成功した。
しかし、後続の兵と分断されたとはいえ、首無しの黒馬を駆る首無し騎士が一騎当千の強敵であることは変わらない。事実、首無し騎士は分断されたことなどお構いなしに長矛を振りまわし、当たるを幸い、マガーダ兵を薙ぎ倒して突き進む。後続と合流することは考えず、敵の本陣を目指すようだった。
その目的はひとつ、マガーダ軍の大将であるマガーダ候ブリハルドの首級だ。大将の首を獲れば、他の兵がどれだけ残っていようが意味はない。マガーダ軍はたちまち瓦解することだろう。寡兵のグプタ軍にとって、もっとも理想的な決着のつけ方だった。
だからこそ、マガーダ軍にも予想することが容易だった。
ここが本陣で総大将ブリハルドがいるぞ、と喧伝するような物々しい幟が立っているほうへと、首無し騎士は自分が誘導されていると疑いもせず、まっすぐに馬を駆る。
――いや、待ち伏せくらいは予想していたかもしれないが、そうだとしても、まとめて叩き潰す自信があったのだろう。
そして面白いほど見事に、足下にぴんと張られていた縄に黒馬の脚を取られて、その先に隠されていた落とし穴に嵌まったのだった。
首無し騎士が誘い込まれたのは一際背の高い下草が生い茂っている一帯で、いかにも周囲で伏兵が息を潜めていそうな場所だった。だからこそ、首無し騎士は左右を警戒する余りに、足下に張られた縄や、土や草で蓋をした上に下草を植え直すほど念入りに隠蔽された陥穽を見落としてしまったのだろう。
落とし穴の深さは、首無し騎士の巨躯が半分以上も隠れてしまうほどの深さだった。
首無しの黒馬は、縄に前肢を取られて乗り手を放り投げた直後に、朝焼けを浴びた霧のように掻き消えてしまっていた。
首無し騎士はすぐに落とし穴から這い出ようとするが、マガーダ軍がそれを黙って見ているはずがない。わっと駆け寄った兵士たちが、罠に掛かった首無し騎士へと一斉に槍を突き出した。
● ● ●
一方その頃、アルジュたちグプタ軍本隊もマガーダ軍に包囲されつつあった。
首無し騎士への対処にも相当な兵力が注ぎ込まれているが、それでもなお、グプタ軍本隊に向けられた兵力は三千近くあった。
グプタ軍本隊は、人間兵士六百名が中心に集まり、その周りをワイルドハント猟兵団が包むという円陣に隊列を変化させて、マガーダ軍の猛攻に耐えていた。
邪妖精の弓から放たれた狼は隊列を組んで攻めてくるマガーダ兵の足下を擦り抜け、隊列を掻き乱す。兵士たちは革の長靴を履いていたが、大腿部はズボンの布地が露出している。狼たちはそうした守りの薄いところを狙って、兵士たちの肉を噛み千切っていった。
兵士たちも狼に刃を突き立て応戦しようとするが、密集していることが仇になって、隊列の足下を縫って駆けまわる狼たちを上手く斬りつけられない。太腿を噛まれて叫んだ兵士が闇雲に剣を振りまわしては、前や隣の味方に傷を負わせてしまう――という事態が、包囲陣のそこかしこで起きた。
兵が密集しているだけに、混乱は収まるよりも早く隣から隣へと伝播して、マガーダ軍の行き足を鈍らせた。
「いまだ、行け!」
アルジュの命令はワイルドハントの団長ハッケンベルクに向けてのものだ。
「主様の仰せのままに」
ハッケンベルクは黒い口紅をにんまり揺らして笑むと、日傘を両手で差しながら、しゃなりしゃなりとしなを作った歩き方で前線に向かっていく。そして日傘が、巨大な狼が牽く馬車へと変わる。
ハッケンベルクが乗り込んだ狼馬車は、マガーダ軍の陣列にものすごい速度で突っ込んでいった。
「おおーほほほほッ!!」
花園を吹き抜けた突風が空に花弁を撒き散らすように、狼馬車の通り過ぎた後には、轢き飛ばされた兵士の身体が、血飛沫が、いくつも宙を舞っては落ちた。
団員の放つ狼が攪乱して足止めしたところを、団長ハッケンベルクの乗り回す狼馬車が轢き飛ばしていく――。
ワイルドハント猟兵団はたった五百の手勢で、三千近いマガーダ軍を相手によく戦った。
だが、鎧のような無粋なものを身につけずにドレス姿で踊り狂っている邪妖精たちは、斬りつけられれば易々と肌を裂かれて、血飛沫と断末魔の笑い声を上げながら頽れていった。
彼女たちが息絶えても彼女たちの弓から生まれた狼は消えないが、彼女たちが死んでしまえば、狼たちは復活できなくなる。
邪妖精が断末魔の笑い声を上げるたび、狼の数は少しずつ減っていった。
ワイルドハントとマガーダ兵は互いに殺し合い、消耗していく。
ハッケンベルクの狼馬車はマガーダ兵を次々と、木枯らしが枯れ葉を吹き散らすように轢き飛ばしていくのだが……如何せん、元の数に差がありすぎる。
このままでいけば、ワイルドハントの壊滅は時間の問題だった。
だから、そうなる前にレリクスが介入した。
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