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4章 秋の歓談、冬の閑談
4-3.
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マガーダ候との戦争は、マガーダ候ウルゥカを討ち取ったことで終結した。
グプタ軍は逃げ帰るマガーダ軍を追撃しなかったので、マガーダ領は相応の兵力を残しておくことができた。しかし、直後に次期領主の座を巡る争いが始まったために、マガーダは奪われた領地の奪還を企てるどころではなくなってしまった。
そのこともあって、アルジュは新たな領境を警戒するための兵団に魔物を入れなかった。
魔物は契約で縛られているとはいえ、距離が離れすぎれば契約の力も薄れてしまうかもしれない――アルジュはその心配が拭えなかったから、魔物たちを領境警戒のために残していくことをせず、自分と一緒に帰還させたのだった。
加えて言うなら、アルジュと離れた魔物が暴れ出すのではないかという不安は騎士たちにもあったから、アルジュが魔物を残して帰っていたら、魔物と一緒に残された騎士たちは行動に支障が出るほど動揺していただろう。
けだし、アルジュが魔物を連れ帰ったのは悪くない判断だった。
● ● ●
領都での冬を、グプタ騎士たちは例年通りに領主館の敷地や街中の雪掻きを励んで過ごしている。
一応、調練の一貫ということにはなっているが、はっきり言って単なる雪掻きだ。降雪激しい山間の冬では、雪を掻かずに剣を振っていると「そこ、だらけるな!」と叱られるのだ。
ある晴れた明け方。
領主館の前庭に集められた騎士たちは、剣の代わりにシャベルを構えて隊列を組み、整然と雪掻き作業に従事している。
付記するならば、騎士階級にない平民の兵士たちは秋から冬にかけては兵役を一時解かれて、郷里に返されている。きっとそちらで雪掻きをしていることだろう。なお、領都出身の兵士たちは街中の雪掻きに励んでいる最中だ。
激動の一年を締め括る冬はいつものごとく、静かで厳しい。
飽くことなく積もり続ける雪の前では、人も魔物も等しく小さな存在だった。
そう――人も魔物も、である。
掛け声を合わせて雪掻きに励む騎士たちから離れたところで、ただ一人、黙々と雪掻きをしている人影がある。他の騎士たちよりも一回りも二回りも大きなその人影は、他の騎士たちとは様式の異なる全身鎧を身につけている。そして何より、首から上がなかった。
言うまでもなく、首無し騎士だ。
両手でシャベルを握って、黙々(口がないのだから当たり前だが)と雪掻きをする首無し騎士だった。
「……」
そして、屋敷の窓辺から無表情でそれを見下ろしている、レリクスだ。
「どうした、何か見えるのか?」
近くで書類仕事をしていたアルジュが、手を動かしながら尋ねる。レリクスが窓の外を気にしているという椿事に、ついに我慢できなくなって問いかけたようだ。
「雪掻き」
レリクスは端的に答えたというのに、アルジュは満足しなかったようだ。仕事の手を止めて、なおも訊いてくる。
「なぜ今日に限って、雪掻きを気にする?」
「……」
レリクスはもう答えずに視線を窓の外に向けることで、気になるなら自分で見ればいい、と言外に告げた。
アルジュは溜め息を吐いて立ち上がると、レリクスの隣に立って外を見る。執務室の窓からは前庭が臨めるのだが、いまは一年で一番、景色がつまらない時季だ。見えてせいぜい、せっせと雪掻きをする外套姿の騎士たちくらいだ。
「――あっ」
アルジュも見つけたようだ。
戦場と変わらぬ鎧姿の首無し騎士が、その体格に比べて小さく見えるシャベルで雪掻きしている奇妙な姿を。
「……いや、知っていたぞ。私が命じたのだからな」
アルジュはなぜか言い訳がましく独語する。
「知っている」
レリクスが知りたいのは、そこではない。
「なぜ、あれにあのようなことを命じたのかを訊きたい」
「……雪掻きは大事だからだ」
アルジュが答えるまでに微妙な沈黙が前置きされたのは、アルジュにだって、魔物を人夫と同列に扱っていることへの後ろめたさが人並みにあったからだ。
だけど、アルジュはひとつ勘違いをしている。レリクスは、首無し騎士に雪掻きさせていることを咎めているのではないのだ。
「……あれはその昔、人間だった」
レリクスは窓の外を見下ろしながら、唐突に話し始める。
アルジュは驚いた顔をしたものの、黙って耳を傾けることにしたようだ。
「人間だった頃のあれは、誰よりも義に厚い忠臣だった。王のため国のために剣を振るい続けた。民衆は彼を褒め称え、騎士たちは彼に憧れた――しかし、最後は王に殺された」
「王よりも有能で人気のある臣下、か。共感はしないが理解はできるな」
アルジュの感想にはとくに何も返さず、レリクスは続ける。
「しかし、彼が死んだことで敵国と戦える者がいなくなり、その国は滅びるところだった」
「その言い方だと、実際は滅びなかったのか?」
「……死んだ騎士が蘇って、敵国の将を討ち取った。それに恐れをなした敵兵は逃げ帰っていった」
「なんと……ああ、なるほど。その蘇った騎士が、あの首無し騎士なのか」
「いや、違う」
「違うのか!?」
「敵将を討ち取ったのは蘇った騎士ではなく、彼の弟だった。兄の甲冑を身に纏った姿を、敵も味方も勘違いしたのだ」
「なんだ……いや、上手い策だったと思うが……なんだ、弟か……」
肩透かしを食らったアルジュが、納得いかぬという顔をした。
レリクスは構わず、意外と長い話をまだ続ける。
「そうして戦いに勝った後、弟も王に殺された」
「えっ!?」
「王は、兄を処刑したことの復讐をされると思ったのだ」
「……」
「共感はしないが理解はできる、か」
「いや、さすがに理解しかねる。そこは弟を褒め称えて、兄の処刑で落ちた士気の回復に努めるべきだろう」
「おまえはそう考えるのか。では、弟を処刑した王がこの後どうなったと、おまえは考える?」
「……臣下に殺された。臣下は王の首を手土産にして敵国に降った、かな」
アルジュが少し考えてから答えると、レリクスは顎を引くように小さく首肯した。
「正解だ。そして、その国は滅び、兄弟二人の無念は数多の無念を食らいながら鎧に宿って、ひとつの魔物になった――それがあれだ」
古来より、騎士の叙勲とは、跪いて首を垂れた騎士の肩に王が剣を当てるという儀礼的な斬首をもって行われる。
騎士とは主君に首を差し出した者のこと。故に、主君に裏切られた怨念の化身であるあれは、差し出すべき首を持たないのだ。
あれがアルジュに従っているのは、血の契約で縛られているからにすぎない。でなければ、何が悲しくて、黙って雪掻きしているものか。
「――主君に裏切られた騎士の成れ果て、か」
アルジュは慨嘆すると、前庭にいる首無し騎士を見やる。
首無し騎士は一人だけ離れたところで雪掻きしているのに、隊列を組んで雪掻きしている他の騎士たちとあまり変わらない速度で雪が掻き取られていっていた。一度に掻き取る雪の量が段違いなのだ。積雪の下の方は根雪と呼ばれて、重みで圧縮されている分だけ重くなっているのに、降ったばかりの粉雪を掬うかのように軽々とシャベルを動かしていた。
「……嫌々従っていても、仕事は手が抜けない性格なんだな」
ふっと苦笑を零すアルジュだったが、自分を見つめるレリクスの冷たい目に気づいて少し慌てる。
「な、なんだ?」
「……」
「言いたいことは分かる。嫌々従わせている自覚があるのなら、せめて騎士らしからぬ仕事をさせるな、と言いたいんだろ。けどな、ここでは除雪も立派な騎士の仕事だ。それによく見ろ――楽しそうに見えないか?」
アルジュはレリクスから首無し騎士へと視線を移す。レリクスも一拍遅れて、その視線を追う。
首無し騎士は一人だけ、掛け声に合わせてシャベルを使っている皆とは離れたところで雪掻きしている。けれどもよく見ていれば、首無し騎士も皆の掛け声に合わせて雪掻きしていた。
「あいつにはずっと単騎で特攻してもらっていたから、これが初めての共同戦線だな」
アルジュの冗談はつまらなかったが、皆と離れながらも、皆と息を合わせて雪掻きをしている首無し騎士は、確かに、あくまでもなんとなくだが――楽しげに見えないこともなかった。
● ● ●
雪深く閉ざされた暮らしの中で、人と魔物は少しずつ距離を縮めていく。
けれど、人は人であり、魔物は魔物だ。
どれだけ近付こうとも、その手が触れ合うことは――
グプタ軍は逃げ帰るマガーダ軍を追撃しなかったので、マガーダ領は相応の兵力を残しておくことができた。しかし、直後に次期領主の座を巡る争いが始まったために、マガーダは奪われた領地の奪還を企てるどころではなくなってしまった。
そのこともあって、アルジュは新たな領境を警戒するための兵団に魔物を入れなかった。
魔物は契約で縛られているとはいえ、距離が離れすぎれば契約の力も薄れてしまうかもしれない――アルジュはその心配が拭えなかったから、魔物たちを領境警戒のために残していくことをせず、自分と一緒に帰還させたのだった。
加えて言うなら、アルジュと離れた魔物が暴れ出すのではないかという不安は騎士たちにもあったから、アルジュが魔物を残して帰っていたら、魔物と一緒に残された騎士たちは行動に支障が出るほど動揺していただろう。
けだし、アルジュが魔物を連れ帰ったのは悪くない判断だった。
● ● ●
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一応、調練の一貫ということにはなっているが、はっきり言って単なる雪掻きだ。降雪激しい山間の冬では、雪を掻かずに剣を振っていると「そこ、だらけるな!」と叱られるのだ。
ある晴れた明け方。
領主館の前庭に集められた騎士たちは、剣の代わりにシャベルを構えて隊列を組み、整然と雪掻き作業に従事している。
付記するならば、騎士階級にない平民の兵士たちは秋から冬にかけては兵役を一時解かれて、郷里に返されている。きっとそちらで雪掻きをしていることだろう。なお、領都出身の兵士たちは街中の雪掻きに励んでいる最中だ。
激動の一年を締め括る冬はいつものごとく、静かで厳しい。
飽くことなく積もり続ける雪の前では、人も魔物も等しく小さな存在だった。
そう――人も魔物も、である。
掛け声を合わせて雪掻きに励む騎士たちから離れたところで、ただ一人、黙々と雪掻きをしている人影がある。他の騎士たちよりも一回りも二回りも大きなその人影は、他の騎士たちとは様式の異なる全身鎧を身につけている。そして何より、首から上がなかった。
言うまでもなく、首無し騎士だ。
両手でシャベルを握って、黙々(口がないのだから当たり前だが)と雪掻きをする首無し騎士だった。
「……」
そして、屋敷の窓辺から無表情でそれを見下ろしている、レリクスだ。
「どうした、何か見えるのか?」
近くで書類仕事をしていたアルジュが、手を動かしながら尋ねる。レリクスが窓の外を気にしているという椿事に、ついに我慢できなくなって問いかけたようだ。
「雪掻き」
レリクスは端的に答えたというのに、アルジュは満足しなかったようだ。仕事の手を止めて、なおも訊いてくる。
「なぜ今日に限って、雪掻きを気にする?」
「……」
レリクスはもう答えずに視線を窓の外に向けることで、気になるなら自分で見ればいい、と言外に告げた。
アルジュは溜め息を吐いて立ち上がると、レリクスの隣に立って外を見る。執務室の窓からは前庭が臨めるのだが、いまは一年で一番、景色がつまらない時季だ。見えてせいぜい、せっせと雪掻きをする外套姿の騎士たちくらいだ。
「――あっ」
アルジュも見つけたようだ。
戦場と変わらぬ鎧姿の首無し騎士が、その体格に比べて小さく見えるシャベルで雪掻きしている奇妙な姿を。
「……いや、知っていたぞ。私が命じたのだからな」
アルジュはなぜか言い訳がましく独語する。
「知っている」
レリクスが知りたいのは、そこではない。
「なぜ、あれにあのようなことを命じたのかを訊きたい」
「……雪掻きは大事だからだ」
アルジュが答えるまでに微妙な沈黙が前置きされたのは、アルジュにだって、魔物を人夫と同列に扱っていることへの後ろめたさが人並みにあったからだ。
だけど、アルジュはひとつ勘違いをしている。レリクスは、首無し騎士に雪掻きさせていることを咎めているのではないのだ。
「……あれはその昔、人間だった」
レリクスは窓の外を見下ろしながら、唐突に話し始める。
アルジュは驚いた顔をしたものの、黙って耳を傾けることにしたようだ。
「人間だった頃のあれは、誰よりも義に厚い忠臣だった。王のため国のために剣を振るい続けた。民衆は彼を褒め称え、騎士たちは彼に憧れた――しかし、最後は王に殺された」
「王よりも有能で人気のある臣下、か。共感はしないが理解はできるな」
アルジュの感想にはとくに何も返さず、レリクスは続ける。
「しかし、彼が死んだことで敵国と戦える者がいなくなり、その国は滅びるところだった」
「その言い方だと、実際は滅びなかったのか?」
「……死んだ騎士が蘇って、敵国の将を討ち取った。それに恐れをなした敵兵は逃げ帰っていった」
「なんと……ああ、なるほど。その蘇った騎士が、あの首無し騎士なのか」
「いや、違う」
「違うのか!?」
「敵将を討ち取ったのは蘇った騎士ではなく、彼の弟だった。兄の甲冑を身に纏った姿を、敵も味方も勘違いしたのだ」
「なんだ……いや、上手い策だったと思うが……なんだ、弟か……」
肩透かしを食らったアルジュが、納得いかぬという顔をした。
レリクスは構わず、意外と長い話をまだ続ける。
「そうして戦いに勝った後、弟も王に殺された」
「えっ!?」
「王は、兄を処刑したことの復讐をされると思ったのだ」
「……」
「共感はしないが理解はできる、か」
「いや、さすがに理解しかねる。そこは弟を褒め称えて、兄の処刑で落ちた士気の回復に努めるべきだろう」
「おまえはそう考えるのか。では、弟を処刑した王がこの後どうなったと、おまえは考える?」
「……臣下に殺された。臣下は王の首を手土産にして敵国に降った、かな」
アルジュが少し考えてから答えると、レリクスは顎を引くように小さく首肯した。
「正解だ。そして、その国は滅び、兄弟二人の無念は数多の無念を食らいながら鎧に宿って、ひとつの魔物になった――それがあれだ」
古来より、騎士の叙勲とは、跪いて首を垂れた騎士の肩に王が剣を当てるという儀礼的な斬首をもって行われる。
騎士とは主君に首を差し出した者のこと。故に、主君に裏切られた怨念の化身であるあれは、差し出すべき首を持たないのだ。
あれがアルジュに従っているのは、血の契約で縛られているからにすぎない。でなければ、何が悲しくて、黙って雪掻きしているものか。
「――主君に裏切られた騎士の成れ果て、か」
アルジュは慨嘆すると、前庭にいる首無し騎士を見やる。
首無し騎士は一人だけ離れたところで雪掻きしているのに、隊列を組んで雪掻きしている他の騎士たちとあまり変わらない速度で雪が掻き取られていっていた。一度に掻き取る雪の量が段違いなのだ。積雪の下の方は根雪と呼ばれて、重みで圧縮されている分だけ重くなっているのに、降ったばかりの粉雪を掬うかのように軽々とシャベルを動かしていた。
「……嫌々従っていても、仕事は手が抜けない性格なんだな」
ふっと苦笑を零すアルジュだったが、自分を見つめるレリクスの冷たい目に気づいて少し慌てる。
「な、なんだ?」
「……」
「言いたいことは分かる。嫌々従わせている自覚があるのなら、せめて騎士らしからぬ仕事をさせるな、と言いたいんだろ。けどな、ここでは除雪も立派な騎士の仕事だ。それによく見ろ――楽しそうに見えないか?」
アルジュはレリクスから首無し騎士へと視線を移す。レリクスも一拍遅れて、その視線を追う。
首無し騎士は一人だけ、掛け声に合わせてシャベルを使っている皆とは離れたところで雪掻きしている。けれどもよく見ていれば、首無し騎士も皆の掛け声に合わせて雪掻きしていた。
「あいつにはずっと単騎で特攻してもらっていたから、これが初めての共同戦線だな」
アルジュの冗談はつまらなかったが、皆と離れながらも、皆と息を合わせて雪掻きをしている首無し騎士は、確かに、あくまでもなんとなくだが――楽しげに見えないこともなかった。
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雪深く閉ざされた暮らしの中で、人と魔物は少しずつ距離を縮めていく。
けれど、人は人であり、魔物は魔物だ。
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