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1章 永遠の別れと運命の始まり
1-5.
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どちらかといえば学問よりも武術のほうが好きなアルジュにとって、日を追うごとに聡明さを研ぎ澄ませていく妹は誇らしくもあり、また同時に引け目を感じる相手でもあった。
相反する感情の混ざり合いは、妹をどこか神聖視するような形に止揚されていた。
その妹が興奮に頬を上気させて言う。
「お兄様、わたし見つけたの。あの陰険因業淫乱親父をぎゃふんと言わせる奇跡のような方法!」
「ええと、陰険因業云々というのはマガーダ候のことかい?」
アルジュが苦笑混じりに聞き返すと、リシュナは艶やかな黒髪が飛び跳ねるくらい元気よく頷いた。
「そうよ。こんな形容詞の似合う親父が、あの男の他にいるわけないじゃない」
「そこまで酷くはない……こともないか」
「そんなことより、良い方法が見つかったのよ!」
「マガーダ候をやり込める方法か。リシュナが言うのだから、きっと素晴らしい方法なのだろうな」
アルジュは椅子に腰掛けていた尻を持ち上げて、背筋をまっすぐに座り直した。
「うん。あのね――」
と言いかけて、リシュナは思い出したように室内をぱっと見回す。
「お兄様、ナクラはどこに?」
「あいつにはいま食料の備蓄を確認に行ってもらっているが、呼んできたほうがいいのかい?」
「いいえ。むしろ、いなくて好都合よ」
「……ナクラに聞かれたら問題があるような方法なのか?」
「あいつは心配性だから、わたしが何を言っても怒るじゃない」
「それは、リシュナがいつも突拍子もないことばかり言うからじゃないのかな」
「でもお兄様はいつだって、いきなり却下だとか論外だとか叫ばないで、わたしの話をいつも最後まで聞いてくれるわ。それってつまり、わたしの提案はいつでも耳を傾ける価値のあるものだっていう証拠よね」
「そうだなぁ……うん、そうだな。現実的かどうかを考慮しなければ、その通りだ」
「……ん? お兄様、それは褒め言葉なのよね?」
「リシュナの提案はいつも、私やナクラではまったく思いもつかない角度から刃を入れるようなものばかりだ。蒙を啓かされる思いがして、私は好きだよ」
「やっぱり褒め言葉だった。だから好きよ、お兄様」
「それはどうも……と、何の話をしていたんだったかな?」
「あっ、それ! だから、あの因業淫乱陰険親父をぶん殴ってやる方法よ!」
リシュナは、がばっと顔を上げると、考えるように視線を惑わせてから、
「論より証拠。一緒に来て」
机越しにアルジュの片腕を取って、立ち上がるよう催促した。
「おいおい、どこへ行こうと言うんだい?」
アルジュは立ち上がって、妹に手を引かれるまま歩き出しながら問いかける。
リシュナは前を見たまま答えた。
「蔵よ」
「蔵……ああ、おまえのお気に入りの場所だな」
アルジュはまたも小さく苦笑した。
● ● ●
いま二人がいる屋敷から少し離れたところに建っている、おそらくは敷地内でもっとも古い建物。それが御塚守家の蔵だ。
魔物を退治した聖者が建てたと伝えられるだけあって、魔物に関する蔵書はなかなかのものだ。しかも、その大半が個人的にしたためられた覚え書きのようなもので、これらの蔵書を書いた者が本当に幾多の魔物と戦ってきたかのような気がしてくる。
もっとも、多くの人々はそれらの私的な書き付けを、なかなか凝った妄想の書き散らされた落書き帳だとしか思っていなかった。
アルジュとしても、自分の先祖のことだからあまり否定的なことを言いたくはないけれど、我が家の蔵に残されている書物が真実のみを書き残した記録書だと思っているのか――と問われたら、頷くことはできかねた。
石造りの大きな蔵は、見る者に長い年月を経てきた建物だけがもつ風格を感じさせる。
リシュナは、そこだけは比較的新しいものに作り替えられている木製の扉を開けると、日中でも薄暗い蔵の中へと迷いのない足取りで入っていった。
リシュナに手を引かれているままのアルジュも勿論、その後に続く。
蔵には小さいながらも窓があって、灯りを点けなくとも夕暮れ時くらいには見通すことができた。といっても、見えるのは本棚に収められた本と、床一面に積み重ねられている本くらいだ。
「どうして、こんなに本が出しっぱなしになっているんだ……」
アルジュは嘆息したが、その答えは分かりきっていた。
この蔵に入り浸っているのは妹だけで、妹は片付けるより散らかすほうが得意な類の人間だ。つまり、読み終えた本をきちんと棚に戻さず、適当に積んでいった結果がこの有様――本と本棚でできた迷路というわけだった。
「お小言なら後で聞くわ。いまはついてきて、お兄様」
リシュナは兄の溜め息を軽やかにあしらいながら、慣れた足取りで迷路を進んでいく。彼女に手を引かれているアルジュは、肩や腰を本や本棚にぶつけながら奥へと進んだ。
蔵は、庶民の家が丸々ひとつは収まるほど大きかった。入り口のほうは書物で埋められていたけれど、奥のほうに行くと、うっすらと錆の浮いた鎧や盾といったものが棚に収められていた。
「なんだか懐かしいな」
アルジュは目を細めて呟く。
子供の頃のアルジュにとって、蔵の奥は宝物庫そのものだった。錆びついた武具は、父に買ってもらった稽古用の木剣よりもずっと興奮を誘うものだった。外に持ち出すと父に叱られてしまうから、リシュナやナクラと一緒に、蔵の中でこっそり眺めては空想の中での冒険ごっこに興じていたものだ。
成長するにつれて蔵に立ち寄ることも絶えてたけれど、古めかしい武具の数々を久々に目にすると、子供の頃に感じていた興奮が立ち戻ってくるのだった。
アルジュが周りに気を取られているうちに、リシュナはずっと掴んでいたアルジュの腕を離して、床で四つん這いになっていた。それに気づいたアルジュは、ぎょっと目を剥いた。
「リシュナ、どうした!? どこか痛いのか!?」
「ううん、平気よ」
リシュナは四つん這いのまま、顔も上げずに答えた。その様子に、アルジュも妹が倒れたわけではないと分かって、安堵の息を吐く。
「それなら良いんだが……でも、急にどうしたんだ?」
「まあ、見ていて」
リシュナは悪戯っぽく笑いながら、石畳の床を掌で撫でまわしている。そんな妹を不思議そうに見下ろしていたアルジュは、ふと気がついた。
「そういえば、そこだけ何もないんだな」
リシュナが撫でている床は、そこだけ不自然に何も置かれていなかった。もう少しよく見てみれば、そこには元々、書棚が据えられていたようだ。すぐ横に、中身の空になった書棚が不自然な角度で置かれている。
「なるほど。散らかっていた本は、この書棚を動かすために抜いたものか」
「え? これを退かす前から散らかしてましたけど」
「……リシュナ。おまえはそろそろ片付けを覚えてくれ」
「機会がありましたら。そんなことより、お兄様――開きますよ」
「開く、とは――」
妹に説明を求めようとしたアルジュの言葉は、しかし、寸前で呑み込まされた。
床の下から意外に軽い音がしたかと思うや、リシュナの触れていた石畳が沈み込んだのだ。
「え……!?」
アルジュが目を丸くしているうちに、床下に沈んだ石畳はそのまま横滑りする。引き戸のような構造になっているらしかった。
沈んだ石畳が横滑りした後には、大人がゆうに出入りできる大きさの四角い穴がぽっかりと口を開いていた。
相反する感情の混ざり合いは、妹をどこか神聖視するような形に止揚されていた。
その妹が興奮に頬を上気させて言う。
「お兄様、わたし見つけたの。あの陰険因業淫乱親父をぎゃふんと言わせる奇跡のような方法!」
「ええと、陰険因業云々というのはマガーダ候のことかい?」
アルジュが苦笑混じりに聞き返すと、リシュナは艶やかな黒髪が飛び跳ねるくらい元気よく頷いた。
「そうよ。こんな形容詞の似合う親父が、あの男の他にいるわけないじゃない」
「そこまで酷くはない……こともないか」
「そんなことより、良い方法が見つかったのよ!」
「マガーダ候をやり込める方法か。リシュナが言うのだから、きっと素晴らしい方法なのだろうな」
アルジュは椅子に腰掛けていた尻を持ち上げて、背筋をまっすぐに座り直した。
「うん。あのね――」
と言いかけて、リシュナは思い出したように室内をぱっと見回す。
「お兄様、ナクラはどこに?」
「あいつにはいま食料の備蓄を確認に行ってもらっているが、呼んできたほうがいいのかい?」
「いいえ。むしろ、いなくて好都合よ」
「……ナクラに聞かれたら問題があるような方法なのか?」
「あいつは心配性だから、わたしが何を言っても怒るじゃない」
「それは、リシュナがいつも突拍子もないことばかり言うからじゃないのかな」
「でもお兄様はいつだって、いきなり却下だとか論外だとか叫ばないで、わたしの話をいつも最後まで聞いてくれるわ。それってつまり、わたしの提案はいつでも耳を傾ける価値のあるものだっていう証拠よね」
「そうだなぁ……うん、そうだな。現実的かどうかを考慮しなければ、その通りだ」
「……ん? お兄様、それは褒め言葉なのよね?」
「リシュナの提案はいつも、私やナクラではまったく思いもつかない角度から刃を入れるようなものばかりだ。蒙を啓かされる思いがして、私は好きだよ」
「やっぱり褒め言葉だった。だから好きよ、お兄様」
「それはどうも……と、何の話をしていたんだったかな?」
「あっ、それ! だから、あの因業淫乱陰険親父をぶん殴ってやる方法よ!」
リシュナは、がばっと顔を上げると、考えるように視線を惑わせてから、
「論より証拠。一緒に来て」
机越しにアルジュの片腕を取って、立ち上がるよう催促した。
「おいおい、どこへ行こうと言うんだい?」
アルジュは立ち上がって、妹に手を引かれるまま歩き出しながら問いかける。
リシュナは前を見たまま答えた。
「蔵よ」
「蔵……ああ、おまえのお気に入りの場所だな」
アルジュはまたも小さく苦笑した。
● ● ●
いま二人がいる屋敷から少し離れたところに建っている、おそらくは敷地内でもっとも古い建物。それが御塚守家の蔵だ。
魔物を退治した聖者が建てたと伝えられるだけあって、魔物に関する蔵書はなかなかのものだ。しかも、その大半が個人的にしたためられた覚え書きのようなもので、これらの蔵書を書いた者が本当に幾多の魔物と戦ってきたかのような気がしてくる。
もっとも、多くの人々はそれらの私的な書き付けを、なかなか凝った妄想の書き散らされた落書き帳だとしか思っていなかった。
アルジュとしても、自分の先祖のことだからあまり否定的なことを言いたくはないけれど、我が家の蔵に残されている書物が真実のみを書き残した記録書だと思っているのか――と問われたら、頷くことはできかねた。
石造りの大きな蔵は、見る者に長い年月を経てきた建物だけがもつ風格を感じさせる。
リシュナは、そこだけは比較的新しいものに作り替えられている木製の扉を開けると、日中でも薄暗い蔵の中へと迷いのない足取りで入っていった。
リシュナに手を引かれているままのアルジュも勿論、その後に続く。
蔵には小さいながらも窓があって、灯りを点けなくとも夕暮れ時くらいには見通すことができた。といっても、見えるのは本棚に収められた本と、床一面に積み重ねられている本くらいだ。
「どうして、こんなに本が出しっぱなしになっているんだ……」
アルジュは嘆息したが、その答えは分かりきっていた。
この蔵に入り浸っているのは妹だけで、妹は片付けるより散らかすほうが得意な類の人間だ。つまり、読み終えた本をきちんと棚に戻さず、適当に積んでいった結果がこの有様――本と本棚でできた迷路というわけだった。
「お小言なら後で聞くわ。いまはついてきて、お兄様」
リシュナは兄の溜め息を軽やかにあしらいながら、慣れた足取りで迷路を進んでいく。彼女に手を引かれているアルジュは、肩や腰を本や本棚にぶつけながら奥へと進んだ。
蔵は、庶民の家が丸々ひとつは収まるほど大きかった。入り口のほうは書物で埋められていたけれど、奥のほうに行くと、うっすらと錆の浮いた鎧や盾といったものが棚に収められていた。
「なんだか懐かしいな」
アルジュは目を細めて呟く。
子供の頃のアルジュにとって、蔵の奥は宝物庫そのものだった。錆びついた武具は、父に買ってもらった稽古用の木剣よりもずっと興奮を誘うものだった。外に持ち出すと父に叱られてしまうから、リシュナやナクラと一緒に、蔵の中でこっそり眺めては空想の中での冒険ごっこに興じていたものだ。
成長するにつれて蔵に立ち寄ることも絶えてたけれど、古めかしい武具の数々を久々に目にすると、子供の頃に感じていた興奮が立ち戻ってくるのだった。
アルジュが周りに気を取られているうちに、リシュナはずっと掴んでいたアルジュの腕を離して、床で四つん這いになっていた。それに気づいたアルジュは、ぎょっと目を剥いた。
「リシュナ、どうした!? どこか痛いのか!?」
「ううん、平気よ」
リシュナは四つん這いのまま、顔も上げずに答えた。その様子に、アルジュも妹が倒れたわけではないと分かって、安堵の息を吐く。
「それなら良いんだが……でも、急にどうしたんだ?」
「まあ、見ていて」
リシュナは悪戯っぽく笑いながら、石畳の床を掌で撫でまわしている。そんな妹を不思議そうに見下ろしていたアルジュは、ふと気がついた。
「そういえば、そこだけ何もないんだな」
リシュナが撫でている床は、そこだけ不自然に何も置かれていなかった。もう少しよく見てみれば、そこには元々、書棚が据えられていたようだ。すぐ横に、中身の空になった書棚が不自然な角度で置かれている。
「なるほど。散らかっていた本は、この書棚を動かすために抜いたものか」
「え? これを退かす前から散らかしてましたけど」
「……リシュナ。おまえはそろそろ片付けを覚えてくれ」
「機会がありましたら。そんなことより、お兄様――開きますよ」
「開く、とは――」
妹に説明を求めようとしたアルジュの言葉は、しかし、寸前で呑み込まされた。
床の下から意外に軽い音がしたかと思うや、リシュナの触れていた石畳が沈み込んだのだ。
「え……!?」
アルジュが目を丸くしているうちに、床下に沈んだ石畳はそのまま横滑りする。引き戸のような構造になっているらしかった。
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