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2-1. 小晴、学校でオナニーする。
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四月になって春休みが終わり、新学期が始まって二週間目も過ぎると、どこの新生活にも落ち着きが出てくる。
真夏雨家の妹小晴も兄大晴も、それぞれの学校で、それぞれの新しい教室に慣れてきたところだった。
この学校の最高学年になった小晴だが、兄と違って受験勉強の予定もないため、とくに勉強が難しくなったということもなく、小晴個人としては「例年通り、世は事もなし」というのが、いまのところの感想だ。
だけど、同級生の中には私立への進学を目指して受験勉強を始めた者もそれなりの数がいて、休み時間などにふと教室を見渡してみると分厚い問題集に取り組んでいるクラスメイトがいたりして、そんなときはなんとなく「あ、今年で最後なんだな。来年は違う学校になる子もいるんだな」という思いが過って、本当になんとなくだけど胸に穴が開いたような気持ちになった。
――とはいえ、四月だ。
まだ今年度が始まって一か月も経っちゃいない。胸にちょっぴりチクリと来ても、すぐに楽しい気持ちや欠伸で上書きされてしまうのだった。
「ふぁ……」
いまもまた、小晴は授業中だというのに噛み殺せない欠伸で大口を開いてしまう。そして、そんなときほど、教師は前から見ているものなのだ。
「そういえば、真夏雨は給食をお代わりしてたな。腹いっぱいで眠くなったか」
男性教師の皮肉に、小晴はひゅっと息を呑む。眠気が瞬間的に飛んだ。
でも、そこへすかさず別の生徒が野次を飛ばす。小晴に対してではなく、先生に対してだ。
「先生、それセクハラっすよ」
「えっ、マジか? これもセクハラなんのか?」
「なるなる。不快に思ったら全部セクハラだから訴えていいんだって、母ちゃんが言ってました」
「そうかぁ。おまえの父ちゃんも大変だな」
「あ、それもセクハラっすかね」
「そうかぁ……世知辛いなぁ」
「っすねー」
まだ三十代だろうに小皺を深くして溜め息を吐く男性教師と、へらへら笑っている男子生徒だった。
クラスの注目がそちらに集まったおかげで、小晴の欠伸もそれ以上に論われることなく授業は再開された。
この授業が終わるまでには、まだ三十分ほど残されている。
(……よし、オナニーしよ)
小晴は先生がこちらに背中を向けて板書するのを見ながら、右手に握ったシャーペンを股間へと持っていく。
小晴の席は、教室の廊下側一列目、前から二番目の席だ。なので、さっきは「先生の背中を見ながら」と言ったけれど、実際のところは「先生の右脇を見ながら」だったりするのだが……まあ、そこはどうでもいい。
ともかく、小晴は左前方に見える先生や、左横、左後ろで一緒に授業を受けているクラスメイトをちらちら横目で気にしつつ、シャーペンのお尻を股間に押し付けていく。
小晴の本日の服装は、キャラ物の袖なしキャミの上に、パンクっぽいメッシュのTシャツ。ボトムは黒地にグレーの水玉ミニスカで、生足の足元には横縞ソックス。そして下着は、ミントグリーンの地色に白いレース縁取りがされたキュートなの、だ。
小晴はいま、モノトーン調のミニスカを捲り上げるようにしてシャーペンを持った右手を股間に差し入れて、消しゴムになっているシャーペンの尻でもって緑色の可愛いショーツの上から縦筋をすりすりと小刻みに擦っているところだ。
「んっ……♥」
閉じている唇の隙間から吐息が漏れる。
教室には先生の「ここ、大事だぞー」という声と、カッカッという板書の音が一番後ろの壁まで届いている。だから、生徒たちはみんな黙ってノートを取っているけれど、小晴の立てた密やかな吐息は物音に紛れて、誰にも聞こえなかったはずだ。
……とは思ったけれど、小晴はいちおう動きを止めて、何気ないふうを装って横目でちらりと教室内を窺う。
(ん……大丈夫、誰もこっち見てないっと)
というわけで股間弄りの再開だ。
小晴は机にノートと教科書を広げておいて、先生からは正面の席に座るクラスメイトを衝立にして股間を隠しておく。右側は廊下との壁だからいいとして、左側からの視線に対しては、さり気なく左膝を上げ気味にしておくことで対処。べつに言霊を使えば教室の全員に「おかしなことがあっても気にしない」なんて催眠をかけることもできると思うのだけど、それじゃつまらないので、こうしてこそこそやっているのだ。
改めて隠蔽工作の具合を確認したところで、先端近くを持つことで長さを確保したシャーペンの尻を、ショーツ越しの縦筋に――その上端で充血している淫核にぐいぐいっと擦りつける。
「ん……っ、っ……ッ♥」
微かな喘ぎ声を息遣いで誤魔化しながら、お箸を使うような指使いでもって、クリの膨らみを下側から穿り返すように宛がったシャーペンの尻を振動させる。
指で直に触れるよりもずっと弱くて思い通りにならない、もどかしさ満点の愛撫だ。けして絶頂まで届くことのない、微温湯に半身浴しているような緩い快感だ。
「ふ、ぅ……♥」
先生が板書している間にこっそりシャーペンでクリ豆くりくりして、先生が振り返って教科書を読み進めたりしているときは、真面目な顔で板書をノートに書き写す。その合間に、誰もこちらを見ていないことを横目で何度も確認しては、自然な感じでお尻の位置をずらして、ショーツを食い込ませたり、足を開き気味にしてみたりして、クリの位置や角度を変えることでシャーペンを持つ手を動かすことなく、新鮮な気分でクリ弄りを楽しんだ。
幸いにも、小晴の自慰は誰に気づかれることもなく授業終了のチャイムを迎えた。
「はい、今日はここまで。じゃあ、このまま帰りの会な」
いまのが今日最後の授業だったので、そのまま始まったホームルームが済むと、生徒たちは三々五々に散っていく。掃除当番の生徒はそれぞれの持ち場に、そうでない生徒は友達と連れ立って昇降口へ、だ。
小晴たちの班は今週、教室掃除の当番だった。
班のみんなで手分けして机を運び、広くなった教室を箒で掃き掃除する。
その途中、小晴は一緒に掃除中の女子から声をかけられた。
「小晴ちゃん」
「あ、茉莉花ちゃん。なにー?」
声をかけてきたのは、山本茉莉花。小晴の右隣の席を使っている女子だ。去年も同じクラスだったこともあり、小晴とはわりと気心の知れた友達だった。
「うんとね……小晴ちゃん、さっきの授業中ずっと、ごそごそしていたよね。最初は、先生に隠れてこっそりゲームしてるのかなとも思ったんだけど違うみたいだったし、何してたのかなって、気になって」
「あぁ……」
気づかれてたのか、と小晴は口元を引き攣らせた。
周りの視線には気を付けていたつもりでも、授業中オナニーという非日常感にだいぶ没頭していた感があるのは否めない。きっと、小晴が横目を飛ばしたときは素早く目を逸らしていたのだろう。
「小晴ちゃん?」
表情を固めたまま答えないでいる小晴に、茉莉花は不安そうに眉尻を下げる。
茉莉花は腰の近くまで伸ばされている黒髪ロングのハーフアップに、草色の膝丈シャツワンピと麻紐を編んだメッシュベルトというアースカラーなコーデという、落ち着いたお嬢様といった雰囲気の女子だ。
小晴はというと、今日はセミロングの髪を下ろしていて、服装もメッシュにキャラクタープリントに水玉に――と、ポップというか騒々しいもので、茉莉花と並んでいると対照性が著しい。実際、性格の面でも見た目と同様に違っているのだけど、だからこそなのか、二人は初めて同じクラスになった去年の春からずっと仲良しだった。
だからこそ気軽に聞いてきた茉莉花と、だからこそ答えを言い淀んでしまう小晴なのだ。
「あ……えっと、何してたかっていうと、えっと……」
「……わたしに言えないようなこと?」
「そんなことは! ……そんなことはー」
反射的に語気を強めたけれど、直後には冷静になって「そんなことあるよなー」と目を逸らしながらの棒読み口調になる小晴だ。
当然、茉莉花の顔は不満げになる。といっても、素が清楚可愛い美少女顔なので全然可愛いが。
「小晴ちゃん……」
「あーもー、教えるよー。だから、そんな可愛い顔、男子のいるところでしちゃ駄目だぞー」
「きゃっ……もう、小晴ちゃんはっ」
小晴が茉莉花の顎を指でくいっと上げて冗談めかすと、彼女は愉快げに微笑む。釣られて、小晴もくすくす笑った。
そこへ、一人の男子が声をかけてきた。
「二人ともサボってんなよ。掃除しろよ」
箒を持った手が止まっていることを注意する言葉だったが、本気で怒っている口調ではない。軽く窘める程度のものだ。
その声の主は、富士田竜馬。小晴たちのクラスメイトで、眼鏡はしていないけれど眼鏡が似合いそうな性格の男子だ。ポロシャツに膝丈のカーゴパンツという活動的な雰囲気の服装だけど、友達とドッジボールするよりも一人で読書や勉強しているほうが好きそうな冷めた感じの顔つきには、その服装は少々ミスマッチにも思える。
「あ、うん。ごめんなさい」
竜馬に注意された茉莉花は、申し訳なさげに首を竦めると掃き掃除を再開させた。だけど、小晴は箒を持って棒立ちしたまま、じっと竜馬を見つめ返している。
「……なんだよ?」
一重瞼の目を細めて訝る竜馬に向かって、小晴はにこっと笑いかけた。
「竜馬くん、今日、暇? よかったら、家こない? 茉莉花”マリちゃんと一緒にさ」
「ん?」
「えっ?」
竜馬だけでなく、掃除に戻っていた茉莉花も振り返って疑問の声を上げる。そんな二人に、小晴は愛嬌たっぷりの笑顔で告げた。
「二人にイイコト、教えてあげる♥」
真夏雨家の妹小晴も兄大晴も、それぞれの学校で、それぞれの新しい教室に慣れてきたところだった。
この学校の最高学年になった小晴だが、兄と違って受験勉強の予定もないため、とくに勉強が難しくなったということもなく、小晴個人としては「例年通り、世は事もなし」というのが、いまのところの感想だ。
だけど、同級生の中には私立への進学を目指して受験勉強を始めた者もそれなりの数がいて、休み時間などにふと教室を見渡してみると分厚い問題集に取り組んでいるクラスメイトがいたりして、そんなときはなんとなく「あ、今年で最後なんだな。来年は違う学校になる子もいるんだな」という思いが過って、本当になんとなくだけど胸に穴が開いたような気持ちになった。
――とはいえ、四月だ。
まだ今年度が始まって一か月も経っちゃいない。胸にちょっぴりチクリと来ても、すぐに楽しい気持ちや欠伸で上書きされてしまうのだった。
「ふぁ……」
いまもまた、小晴は授業中だというのに噛み殺せない欠伸で大口を開いてしまう。そして、そんなときほど、教師は前から見ているものなのだ。
「そういえば、真夏雨は給食をお代わりしてたな。腹いっぱいで眠くなったか」
男性教師の皮肉に、小晴はひゅっと息を呑む。眠気が瞬間的に飛んだ。
でも、そこへすかさず別の生徒が野次を飛ばす。小晴に対してではなく、先生に対してだ。
「先生、それセクハラっすよ」
「えっ、マジか? これもセクハラなんのか?」
「なるなる。不快に思ったら全部セクハラだから訴えていいんだって、母ちゃんが言ってました」
「そうかぁ。おまえの父ちゃんも大変だな」
「あ、それもセクハラっすかね」
「そうかぁ……世知辛いなぁ」
「っすねー」
まだ三十代だろうに小皺を深くして溜め息を吐く男性教師と、へらへら笑っている男子生徒だった。
クラスの注目がそちらに集まったおかげで、小晴の欠伸もそれ以上に論われることなく授業は再開された。
この授業が終わるまでには、まだ三十分ほど残されている。
(……よし、オナニーしよ)
小晴は先生がこちらに背中を向けて板書するのを見ながら、右手に握ったシャーペンを股間へと持っていく。
小晴の席は、教室の廊下側一列目、前から二番目の席だ。なので、さっきは「先生の背中を見ながら」と言ったけれど、実際のところは「先生の右脇を見ながら」だったりするのだが……まあ、そこはどうでもいい。
ともかく、小晴は左前方に見える先生や、左横、左後ろで一緒に授業を受けているクラスメイトをちらちら横目で気にしつつ、シャーペンのお尻を股間に押し付けていく。
小晴の本日の服装は、キャラ物の袖なしキャミの上に、パンクっぽいメッシュのTシャツ。ボトムは黒地にグレーの水玉ミニスカで、生足の足元には横縞ソックス。そして下着は、ミントグリーンの地色に白いレース縁取りがされたキュートなの、だ。
小晴はいま、モノトーン調のミニスカを捲り上げるようにしてシャーペンを持った右手を股間に差し入れて、消しゴムになっているシャーペンの尻でもって緑色の可愛いショーツの上から縦筋をすりすりと小刻みに擦っているところだ。
「んっ……♥」
閉じている唇の隙間から吐息が漏れる。
教室には先生の「ここ、大事だぞー」という声と、カッカッという板書の音が一番後ろの壁まで届いている。だから、生徒たちはみんな黙ってノートを取っているけれど、小晴の立てた密やかな吐息は物音に紛れて、誰にも聞こえなかったはずだ。
……とは思ったけれど、小晴はいちおう動きを止めて、何気ないふうを装って横目でちらりと教室内を窺う。
(ん……大丈夫、誰もこっち見てないっと)
というわけで股間弄りの再開だ。
小晴は机にノートと教科書を広げておいて、先生からは正面の席に座るクラスメイトを衝立にして股間を隠しておく。右側は廊下との壁だからいいとして、左側からの視線に対しては、さり気なく左膝を上げ気味にしておくことで対処。べつに言霊を使えば教室の全員に「おかしなことがあっても気にしない」なんて催眠をかけることもできると思うのだけど、それじゃつまらないので、こうしてこそこそやっているのだ。
改めて隠蔽工作の具合を確認したところで、先端近くを持つことで長さを確保したシャーペンの尻を、ショーツ越しの縦筋に――その上端で充血している淫核にぐいぐいっと擦りつける。
「ん……っ、っ……ッ♥」
微かな喘ぎ声を息遣いで誤魔化しながら、お箸を使うような指使いでもって、クリの膨らみを下側から穿り返すように宛がったシャーペンの尻を振動させる。
指で直に触れるよりもずっと弱くて思い通りにならない、もどかしさ満点の愛撫だ。けして絶頂まで届くことのない、微温湯に半身浴しているような緩い快感だ。
「ふ、ぅ……♥」
先生が板書している間にこっそりシャーペンでクリ豆くりくりして、先生が振り返って教科書を読み進めたりしているときは、真面目な顔で板書をノートに書き写す。その合間に、誰もこちらを見ていないことを横目で何度も確認しては、自然な感じでお尻の位置をずらして、ショーツを食い込ませたり、足を開き気味にしてみたりして、クリの位置や角度を変えることでシャーペンを持つ手を動かすことなく、新鮮な気分でクリ弄りを楽しんだ。
幸いにも、小晴の自慰は誰に気づかれることもなく授業終了のチャイムを迎えた。
「はい、今日はここまで。じゃあ、このまま帰りの会な」
いまのが今日最後の授業だったので、そのまま始まったホームルームが済むと、生徒たちは三々五々に散っていく。掃除当番の生徒はそれぞれの持ち場に、そうでない生徒は友達と連れ立って昇降口へ、だ。
小晴たちの班は今週、教室掃除の当番だった。
班のみんなで手分けして机を運び、広くなった教室を箒で掃き掃除する。
その途中、小晴は一緒に掃除中の女子から声をかけられた。
「小晴ちゃん」
「あ、茉莉花ちゃん。なにー?」
声をかけてきたのは、山本茉莉花。小晴の右隣の席を使っている女子だ。去年も同じクラスだったこともあり、小晴とはわりと気心の知れた友達だった。
「うんとね……小晴ちゃん、さっきの授業中ずっと、ごそごそしていたよね。最初は、先生に隠れてこっそりゲームしてるのかなとも思ったんだけど違うみたいだったし、何してたのかなって、気になって」
「あぁ……」
気づかれてたのか、と小晴は口元を引き攣らせた。
周りの視線には気を付けていたつもりでも、授業中オナニーという非日常感にだいぶ没頭していた感があるのは否めない。きっと、小晴が横目を飛ばしたときは素早く目を逸らしていたのだろう。
「小晴ちゃん?」
表情を固めたまま答えないでいる小晴に、茉莉花は不安そうに眉尻を下げる。
茉莉花は腰の近くまで伸ばされている黒髪ロングのハーフアップに、草色の膝丈シャツワンピと麻紐を編んだメッシュベルトというアースカラーなコーデという、落ち着いたお嬢様といった雰囲気の女子だ。
小晴はというと、今日はセミロングの髪を下ろしていて、服装もメッシュにキャラクタープリントに水玉に――と、ポップというか騒々しいもので、茉莉花と並んでいると対照性が著しい。実際、性格の面でも見た目と同様に違っているのだけど、だからこそなのか、二人は初めて同じクラスになった去年の春からずっと仲良しだった。
だからこそ気軽に聞いてきた茉莉花と、だからこそ答えを言い淀んでしまう小晴なのだ。
「あ……えっと、何してたかっていうと、えっと……」
「……わたしに言えないようなこと?」
「そんなことは! ……そんなことはー」
反射的に語気を強めたけれど、直後には冷静になって「そんなことあるよなー」と目を逸らしながらの棒読み口調になる小晴だ。
当然、茉莉花の顔は不満げになる。といっても、素が清楚可愛い美少女顔なので全然可愛いが。
「小晴ちゃん……」
「あーもー、教えるよー。だから、そんな可愛い顔、男子のいるところでしちゃ駄目だぞー」
「きゃっ……もう、小晴ちゃんはっ」
小晴が茉莉花の顎を指でくいっと上げて冗談めかすと、彼女は愉快げに微笑む。釣られて、小晴もくすくす笑った。
そこへ、一人の男子が声をかけてきた。
「二人ともサボってんなよ。掃除しろよ」
箒を持った手が止まっていることを注意する言葉だったが、本気で怒っている口調ではない。軽く窘める程度のものだ。
その声の主は、富士田竜馬。小晴たちのクラスメイトで、眼鏡はしていないけれど眼鏡が似合いそうな性格の男子だ。ポロシャツに膝丈のカーゴパンツという活動的な雰囲気の服装だけど、友達とドッジボールするよりも一人で読書や勉強しているほうが好きそうな冷めた感じの顔つきには、その服装は少々ミスマッチにも思える。
「あ、うん。ごめんなさい」
竜馬に注意された茉莉花は、申し訳なさげに首を竦めると掃き掃除を再開させた。だけど、小晴は箒を持って棒立ちしたまま、じっと竜馬を見つめ返している。
「……なんだよ?」
一重瞼の目を細めて訝る竜馬に向かって、小晴はにこっと笑いかけた。
「竜馬くん、今日、暇? よかったら、家こない? 茉莉花”マリちゃんと一緒にさ」
「ん?」
「えっ?」
竜馬だけでなく、掃除に戻っていた茉莉花も振り返って疑問の声を上げる。そんな二人に、小晴は愛嬌たっぷりの笑顔で告げた。
「二人にイイコト、教えてあげる♥」
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