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配信減額型くすぐりリフレ
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エステ業界というかリフレ業界は常に新しい形態の癒やしを模索している。それは偏に、リフレ関係の業務は国家資格無しで始められるからだろう。江戸時代の医者は風邪が流行ると藪が茂るように増えるものだったからヤブ医者なんて言葉が出来たそうだが、その状況と大差はない――と言ったら、同業界の関係各位に怒られるだろうか。
それはともかく、最近流行りつつある、とあるリフレの話だ。その名も、くすぐりリフレ、あるいはくすぐりエステである。中にはくすぐリフレという呼称を提唱する団体もあったけれど、いまいち普及には至っていない。
また、一口にくすぐりリフレと言っても、その内容は多岐に渡っている。女性エステティシャンが抱きつくようにして脇腹をくすぐるサービスの店もあれば、頑丈な椅子やベッドに客を拘束して羽箒などで嬲るという店もある。そしてもちろん、これまた最近の流行りである機械化、全自動化を全面導入した無人型店舗も存在していた。
そんな無人サービス型のくすぐりリフレ店に、その青年はふらりと入っていく。
店の内装は、角を丸くした意匠の家具で統一されていて、民家やペンションを思わせるものだ。しかし、受付には――少なくとも客側から見える範囲では――誰もおらず、タッチパネルを操作するだけで、空き室の確認から施術の依頼までを行えた。
そうして青年は、指定された施術室へと向かう。これまた典型的な、六畳程度の防音された個室だ。部屋の中央にはX字の磔台があって、その正面にはカメラがあった。配信用のカメラだ。これもまた最近の流行というやつで、自分が施術される場面を撮影して、その場で動画サイトに投稿できるというものだ。上手くすれば、施術代を賄えることも、あるとかないとか。
ともあれ、青年はカメラの撮影設定を有効にした上で、服を脱いでいく。脱いだ服をきれいに畳んで部屋の脇に置かれたハンガーラックと籠に仕舞うと、自分から磔台に背中を預けて、X字の形に沿うように両手両足を広げた。
自動で感知した磔台が、湾曲したトラバサミのような拘束具を作動させて、青年の両手と両足をがっちりと固定させた。
全裸でXの形に両手両足を広げた青年を、カメラがじっと見つめている。
筋肉を感じさせない、華奢な手足だ。胴回りも細くて、色も白い。見るからにインドアで少食の、なよっとした青年だった。
そんな青年の身体に、部屋の壁から伸びてきた蟹の足みたいなロボットアームが近づいていく。その数は四本で、それぞれが目指したのは青年の二の腕、太ももだ。いきなり肌の薄いところは狙わず、まずは普通にマッサージするようなところから始めようということらしい。
「ん……」
青年の口から静かな吐息が漏れる。
ロボットアームの先端は羽箒になっていて、その柔らかな羽が青年の四肢を、内から外へ、根本から先の方へと撫で回していく。けして強すぎず、リズムを乱すこともない羽箒での愛撫が青年の気持ちを落ち着かせ、筋肉を弛緩させていき、同時に皮膚感覚を高めさせていく。
青年の肘から先、膝から下は、金属製だか強化プラスチック製だかの拘束具に埋もれてしまっているため、愛撫されるのは左右の二の腕と大腿部だけだ。
……このあたり、磔台の仕様と、くすぐりリフレに客が求めるものとの齟齬が有るように思われる。たぶん、この磔台は早々に改良されるか製造中止になるかするだろう。
その話は置いておくとして――ロボットアームは青年の四肢を十分に温めたと判断すると、次いで拘束具を越えた先にある、手の平と足の裏へと向かう。
くすぐりと言えば足の裏は定番ポイントであり、青年も当然、そこを羽箒で撫でられる刺激に、拘束された裸体を捻って悶え始める。だが、手の平もまた、感覚点が多く集まっている部位だ。そこをくすぐられるのは、足の裏をくすぐられるのに負けないくらいのくすぐったさを青年に味わわせてくれた。
「……ひぃ♡ ……っ、ぅ……♡」
ここまで冷然としていた青年の口元が、引っ張られたゴム紐が弾かれるみたいに波打つ。
その反応を感知する機能が無いのか、それとも感知した上で無視すると判断したのか――AI制御のロボットアームはペースを変えることなく、ときどき強弱を付けた動きで羽箒を前後に振って、青年の手の平と足の裏を執拗に嬲り続けた。
「っ……っふ……ぅ……」
どんな刺激も、続けば鈍るものだ。だから、どれだけ強弱を付けた撫で方をされていても、青年の顔は次第に落ち着きを取り戻していく。口角からも力が抜けて、ぬるま湯に肩まで浸かっているようなリラックス感を出していく。
そうして青年がすっかり油断したところで、ロボットアームの動きがまた変化した。というか、増えた。
手足の末端を羽箒で嬲る四本はそのままに、壁からさらに四本のロボットアームが伸びてきて、青年の腋窩と脇腹をくすぐりにかかったのだ。
「ひっふああ――ッ……ッ♡ あっ……っ……ッ♡」
追加ロボットアームの先端に付いているのは、羽箒ではなく、ブラシだ。極細で柔らかな毛のボディブラシで、それが静かなモーター音を立てて回転しているのだった。
そんな回転ブラシが腋窩の窪みにぴたりと押し当てられて、皮膚の薄いそこを無遠慮に刺激する。それと同時に、残りの追加分二本の回転ブラシも、モーター音を奏でながら、本当に体を洗うかのように脇の下を上下に往復して、皮膚に散りばめられた感覚点を休ませることなく刺激していく。
「おっ、ひ――ッ♡ いっ、っ、ぅあ! っ、っ……っふぁあ――ッ♡」
青年は四肢拘束された華奢な身体を必死に暴れさせ始める。
そこへ止めを刺すように、さらにロボットアームが追加される。最初の四本に付いていたものより細くて小さい、だけどもっとこしのあるミニサイズ羽箒が四本だ。二本は首筋をぐるりとなぞりにかかって、もう二本は胸板を撫で回していく。
「っ、っ、っぅん――ッ……っ、んにゃ! ぁんにゃ! あっ、っ、っ……ッ♡」
青年は絶対に笑うまいとして、必死に唇を噛み締めようとする。それは辛うじて成功していたけれど、その表情はどう見ても失敗していた。快感と苦悶を同居させた表情の歪みは、カメラの向こうのくすぐり責め愛好家をきっと大いに興奮させていることだろう。
青年は首を揺すって、首筋をくすぐってくる羽箒から逃れようと悶えるが、大した意味はない。薄い胸板をぐるぐると輪を描くように撫で回す羽箒から逃れる術はないのだから。
いっそ乳首を嬲ってくれ、と青年は思っているかもしれないけれど、ミニ羽箒は器用に乳輪を避けて、皮膚だけを満遍なく刺激していく。
そして最後、ダメ押しの一本が追加された。アームの先端は、耳かきの梵天みたいな形状をした、球状のナイロンブラシだ。歯ブラシによく使われる材質だ。
そのボール型ナイロンブラシは、青年の臍に押し込まれて、ぶいぃんとモーター駆動で回転する。
「おあっ、あっあぁ、んぉっほぉおおっおおおおッ♡♡」
青年は涙と涎を撒き散らしながら、電気ショックを受けたみたいに腰を激しく捻りまくって――びゅぶぶぶっ、と水っぽい射精をぶちまけた。
くすぐりのみできっちり射精を決めたあたり、この青年、くすぐりプレイの上級者だったようだ。
そしてまた、中毒者でもあったようだ。
「んっひゅあうぁああ! っはっはっはははッ! あっひゅううっ、ああうあぁ! あぁあああッ♡♡ ふぅっひゃうはあはぁああッ♡♡」
青年はその後も延々二時間、喉が枯れて笑い声が出なくなり、射精と潮吹きと失禁まで決めて、とうとう水分が一滴も出なくなるまで、くすぐりだけで絶頂し続けたのだった。
この動画はいまも動画サイトで再生数を伸ばし続けており、青年の懐を暖め続けている。
それはともかく、最近流行りつつある、とあるリフレの話だ。その名も、くすぐりリフレ、あるいはくすぐりエステである。中にはくすぐリフレという呼称を提唱する団体もあったけれど、いまいち普及には至っていない。
また、一口にくすぐりリフレと言っても、その内容は多岐に渡っている。女性エステティシャンが抱きつくようにして脇腹をくすぐるサービスの店もあれば、頑丈な椅子やベッドに客を拘束して羽箒などで嬲るという店もある。そしてもちろん、これまた最近の流行りである機械化、全自動化を全面導入した無人型店舗も存在していた。
そんな無人サービス型のくすぐりリフレ店に、その青年はふらりと入っていく。
店の内装は、角を丸くした意匠の家具で統一されていて、民家やペンションを思わせるものだ。しかし、受付には――少なくとも客側から見える範囲では――誰もおらず、タッチパネルを操作するだけで、空き室の確認から施術の依頼までを行えた。
そうして青年は、指定された施術室へと向かう。これまた典型的な、六畳程度の防音された個室だ。部屋の中央にはX字の磔台があって、その正面にはカメラがあった。配信用のカメラだ。これもまた最近の流行というやつで、自分が施術される場面を撮影して、その場で動画サイトに投稿できるというものだ。上手くすれば、施術代を賄えることも、あるとかないとか。
ともあれ、青年はカメラの撮影設定を有効にした上で、服を脱いでいく。脱いだ服をきれいに畳んで部屋の脇に置かれたハンガーラックと籠に仕舞うと、自分から磔台に背中を預けて、X字の形に沿うように両手両足を広げた。
自動で感知した磔台が、湾曲したトラバサミのような拘束具を作動させて、青年の両手と両足をがっちりと固定させた。
全裸でXの形に両手両足を広げた青年を、カメラがじっと見つめている。
筋肉を感じさせない、華奢な手足だ。胴回りも細くて、色も白い。見るからにインドアで少食の、なよっとした青年だった。
そんな青年の身体に、部屋の壁から伸びてきた蟹の足みたいなロボットアームが近づいていく。その数は四本で、それぞれが目指したのは青年の二の腕、太ももだ。いきなり肌の薄いところは狙わず、まずは普通にマッサージするようなところから始めようということらしい。
「ん……」
青年の口から静かな吐息が漏れる。
ロボットアームの先端は羽箒になっていて、その柔らかな羽が青年の四肢を、内から外へ、根本から先の方へと撫で回していく。けして強すぎず、リズムを乱すこともない羽箒での愛撫が青年の気持ちを落ち着かせ、筋肉を弛緩させていき、同時に皮膚感覚を高めさせていく。
青年の肘から先、膝から下は、金属製だか強化プラスチック製だかの拘束具に埋もれてしまっているため、愛撫されるのは左右の二の腕と大腿部だけだ。
……このあたり、磔台の仕様と、くすぐりリフレに客が求めるものとの齟齬が有るように思われる。たぶん、この磔台は早々に改良されるか製造中止になるかするだろう。
その話は置いておくとして――ロボットアームは青年の四肢を十分に温めたと判断すると、次いで拘束具を越えた先にある、手の平と足の裏へと向かう。
くすぐりと言えば足の裏は定番ポイントであり、青年も当然、そこを羽箒で撫でられる刺激に、拘束された裸体を捻って悶え始める。だが、手の平もまた、感覚点が多く集まっている部位だ。そこをくすぐられるのは、足の裏をくすぐられるのに負けないくらいのくすぐったさを青年に味わわせてくれた。
「……ひぃ♡ ……っ、ぅ……♡」
ここまで冷然としていた青年の口元が、引っ張られたゴム紐が弾かれるみたいに波打つ。
その反応を感知する機能が無いのか、それとも感知した上で無視すると判断したのか――AI制御のロボットアームはペースを変えることなく、ときどき強弱を付けた動きで羽箒を前後に振って、青年の手の平と足の裏を執拗に嬲り続けた。
「っ……っふ……ぅ……」
どんな刺激も、続けば鈍るものだ。だから、どれだけ強弱を付けた撫で方をされていても、青年の顔は次第に落ち着きを取り戻していく。口角からも力が抜けて、ぬるま湯に肩まで浸かっているようなリラックス感を出していく。
そうして青年がすっかり油断したところで、ロボットアームの動きがまた変化した。というか、増えた。
手足の末端を羽箒で嬲る四本はそのままに、壁からさらに四本のロボットアームが伸びてきて、青年の腋窩と脇腹をくすぐりにかかったのだ。
「ひっふああ――ッ……ッ♡ あっ……っ……ッ♡」
追加ロボットアームの先端に付いているのは、羽箒ではなく、ブラシだ。極細で柔らかな毛のボディブラシで、それが静かなモーター音を立てて回転しているのだった。
そんな回転ブラシが腋窩の窪みにぴたりと押し当てられて、皮膚の薄いそこを無遠慮に刺激する。それと同時に、残りの追加分二本の回転ブラシも、モーター音を奏でながら、本当に体を洗うかのように脇の下を上下に往復して、皮膚に散りばめられた感覚点を休ませることなく刺激していく。
「おっ、ひ――ッ♡ いっ、っ、ぅあ! っ、っ……っふぁあ――ッ♡」
青年は四肢拘束された華奢な身体を必死に暴れさせ始める。
そこへ止めを刺すように、さらにロボットアームが追加される。最初の四本に付いていたものより細くて小さい、だけどもっとこしのあるミニサイズ羽箒が四本だ。二本は首筋をぐるりとなぞりにかかって、もう二本は胸板を撫で回していく。
「っ、っ、っぅん――ッ……っ、んにゃ! ぁんにゃ! あっ、っ、っ……ッ♡」
青年は絶対に笑うまいとして、必死に唇を噛み締めようとする。それは辛うじて成功していたけれど、その表情はどう見ても失敗していた。快感と苦悶を同居させた表情の歪みは、カメラの向こうのくすぐり責め愛好家をきっと大いに興奮させていることだろう。
青年は首を揺すって、首筋をくすぐってくる羽箒から逃れようと悶えるが、大した意味はない。薄い胸板をぐるぐると輪を描くように撫で回す羽箒から逃れる術はないのだから。
いっそ乳首を嬲ってくれ、と青年は思っているかもしれないけれど、ミニ羽箒は器用に乳輪を避けて、皮膚だけを満遍なく刺激していく。
そして最後、ダメ押しの一本が追加された。アームの先端は、耳かきの梵天みたいな形状をした、球状のナイロンブラシだ。歯ブラシによく使われる材質だ。
そのボール型ナイロンブラシは、青年の臍に押し込まれて、ぶいぃんとモーター駆動で回転する。
「おあっ、あっあぁ、んぉっほぉおおっおおおおッ♡♡」
青年は涙と涎を撒き散らしながら、電気ショックを受けたみたいに腰を激しく捻りまくって――びゅぶぶぶっ、と水っぽい射精をぶちまけた。
くすぐりのみできっちり射精を決めたあたり、この青年、くすぐりプレイの上級者だったようだ。
そしてまた、中毒者でもあったようだ。
「んっひゅあうぁああ! っはっはっはははッ! あっひゅううっ、ああうあぁ! あぁあああッ♡♡ ふぅっひゃうはあはぁああッ♡♡」
青年はその後も延々二時間、喉が枯れて笑い声が出なくなり、射精と潮吹きと失禁まで決めて、とうとう水分が一滴も出なくなるまで、くすぐりだけで絶頂し続けたのだった。
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