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「そりゃ、蔓だろ。紐じゃなくてよ」
庵室の中、炉端に胡座を掻いてカガチとスースの話(主にスースが語って、カガチは相槌係)を聞いたクダンは、さして考え込みもせずにそう答えた。
「蔓……やはり、そういうことか」
スースが納得した様子で呟く。
「そういうことだ。っつうか、カガチ。憶えているか?」
「ぴゃい!?」
クダンからいきなり話を振られて、カガチは雛鳥みたいな声で驚いた。クダンは軽く肩を竦めただけで、質問を続ける。
「おまえを治療するのに使った魔物の名前、憶えてねぇか?」
「え……え、と……、……あっ」
カガチが顔に理解の色を浮かべたのと前後して、スースも唸った。
「あの植物型の魔物を、おまえは蔓鬼灯と呼んでいたな」
「ああ、そうだ。つまり、カガチの手から出た緑色の紐ってのは蔓鬼灯の蔓だ」
「つ、る……」
クダンに断言されたカガチは、何かを掲げるように持ち上げた自分の両手を見て、不安げに瞳を揺らした。
「安心しろ」
クダンが茶を啜りながら、カガチに向けて笑いかけた。かつて「ゴブリンの嚔顔」と呼ばれてご婦人方を卒倒させた笑顔も、カガチにとっては不安を融かしてくれる日差しになるらしい。
はにかむような笑顔になったカガチに、クダンは説明を続ける。
「カガチ、おまえはもっと遠くに手を伸ばしたいと思ったんだろ。訓練通りに、伸ばしている最中の腕を魔力で賦活しながら」
「うっ、うん」
「で、おまえの身体の中には蔓鬼灯が張り巡らされる形で同化している。無論、腕にも手にも指先にもだ」
「つまり、カガチが腕を限界以上に伸ばしたいと思いながら魔力操作したことに、身体の一部である蔓鬼灯が応えた――ということか」
スースはクダンの言葉を引き継いで、そう結論付けた。
「そういうことだろうな」
と、クダンも同意した。
「……」
当事者であるカガチは、戸惑いの顔で自分の手に視線を落としている。クダンに安心しろと言ってもらったおかげで、先ほどまでのような不安顔ではないけれど、自分の身体に自覚していなかった部位が存在していたことをすぐに受け入れるのは難しいようだ。
「カガチ、あんまり難しく考えんな。おまえはもう魔力を思い通りに操れるようになった。蔓が出てきて操れたってのは、そういうことだ。だから喜べ。不安がる必要は全くない。俺が何度でも保障してやる」
「あ……っ……はい……はいっ!」
こくこく頷くカガチの顔からは、憂いがきれいに消えていた。
なお余談だが、スースが勢子になってカガチが仕留めた毛もじゃの豚は、クダンがささっと捌いて、一部の肉が晩の食卓に上がった。
この豚はカガチが抱えられる程度の大きさしかなかったが、これで成体なのだ。体毛は硬くて癖が強いため、衣類やブラシとして利用するのは難しい。鞣し革にも普通の豚と目に見えて分かるほどの違いがないため、成体の大きさの違いで、豚より利用価値が劣るといえよう。また、これが最大の問題なのだが――肉が臭いのだ。
カガチは恐怖で錯覚していたけれど、この毛豚は爪も牙もない。また体格も小さいため、脅威度はかなり低い。そのため、ただの獣だと思われることも間々あるけれど、実際には魔臓を具えた立派な魔物なのだ。つまり、魔術を使うのだが――その魔術が、臭気を放つという魔術だった。
毛豚は外的要因で死ぬと、反射行動で自分の体内で臭気を爆発させて、とても食えたものではない死体になるのだ。
このときに生成される臭気は、物理的な鋭さを持っていると言い切っていいほど臭い。うっかり食ってしまったら三日はものの味がしなくなる、と言われているほど臭いのだ。そのことを知っている魔物は、毛豚を見ても襲ったりしない。むしろ全力で回避する。それだからこそ、体当たりするくらいしか戦闘力がないのに【混沌の森】で生きていけているのだった。
死に際に放たれる臭気は勿論、人間にとっても鼻の曲がる臭さだ。食べるのはおろか、解体することさえ困難を極める。毛や皮の利用法を考える前に、この臭さに対処して解体できる方法の確率が必要であろう。
しかし、クダンは三年に及ぶ隠棲の最中、この臭気を無効化させる方法を見出してた。燃やすと強烈な刺激性の煙を発する魔草を使って燻すと、毛豚の臭気は臭味から風味へと劇的に転化されるのだ。
クダンがこの方法を発見したのは、スースがうっかり狩ってきた毛豚を「勿体ないから食えるようにしてくれ」と言われたときに、何をやっても上手く行かなくて「どうせ臭味を抜けないのなら、どこまで臭くなるか試してやれ」という気持ちで燻してみたら偶然上手くいった、という経緯でだった。
偶然から生まれた臭味抜きの方法だったが、こうして燻した毛豚の肉は、種々の香草に漬け込んでから燻煙した熟成チーズ、とでもいうような趣の味わいに生まれ変わるのだ。
この方法に気づいて以来、クダンは毛豚のことを【燻り子豚】と呼んでいる。
燻り子豚の焙り焼きを一口噛めば、苦みと酸味、若干の甘みを含んだ圧倒的な香ばしさが口いっぱいに広がり、そこへ間髪入れずに濃縮された肉の旨味がジュッと溢れて、口の中で香ばしさと美味さが絡んで溶け合う。玄妙にして豊満な風味を奏でるこの燻製肉には、葡萄酒なら酸味、渋み、重厚感を併せ持った熟女のような赤、蒸留酒なら燻蒸香を効かせたお騒がせ女優のようなのが良く合うだろう。
そんな上等な酒はなかったが、クダンもスースも自家製の葡萄酒を飲みつつ食べる燻り子豚に舌鼓を打ち合った。でも、カガチだけは眉根を寄せた微妙な顔だった。酒も燻製も、カガチにはまだ早かったようである。
庵室の中、炉端に胡座を掻いてカガチとスースの話(主にスースが語って、カガチは相槌係)を聞いたクダンは、さして考え込みもせずにそう答えた。
「蔓……やはり、そういうことか」
スースが納得した様子で呟く。
「そういうことだ。っつうか、カガチ。憶えているか?」
「ぴゃい!?」
クダンからいきなり話を振られて、カガチは雛鳥みたいな声で驚いた。クダンは軽く肩を竦めただけで、質問を続ける。
「おまえを治療するのに使った魔物の名前、憶えてねぇか?」
「え……え、と……、……あっ」
カガチが顔に理解の色を浮かべたのと前後して、スースも唸った。
「あの植物型の魔物を、おまえは蔓鬼灯と呼んでいたな」
「ああ、そうだ。つまり、カガチの手から出た緑色の紐ってのは蔓鬼灯の蔓だ」
「つ、る……」
クダンに断言されたカガチは、何かを掲げるように持ち上げた自分の両手を見て、不安げに瞳を揺らした。
「安心しろ」
クダンが茶を啜りながら、カガチに向けて笑いかけた。かつて「ゴブリンの嚔顔」と呼ばれてご婦人方を卒倒させた笑顔も、カガチにとっては不安を融かしてくれる日差しになるらしい。
はにかむような笑顔になったカガチに、クダンは説明を続ける。
「カガチ、おまえはもっと遠くに手を伸ばしたいと思ったんだろ。訓練通りに、伸ばしている最中の腕を魔力で賦活しながら」
「うっ、うん」
「で、おまえの身体の中には蔓鬼灯が張り巡らされる形で同化している。無論、腕にも手にも指先にもだ」
「つまり、カガチが腕を限界以上に伸ばしたいと思いながら魔力操作したことに、身体の一部である蔓鬼灯が応えた――ということか」
スースはクダンの言葉を引き継いで、そう結論付けた。
「そういうことだろうな」
と、クダンも同意した。
「……」
当事者であるカガチは、戸惑いの顔で自分の手に視線を落としている。クダンに安心しろと言ってもらったおかげで、先ほどまでのような不安顔ではないけれど、自分の身体に自覚していなかった部位が存在していたことをすぐに受け入れるのは難しいようだ。
「カガチ、あんまり難しく考えんな。おまえはもう魔力を思い通りに操れるようになった。蔓が出てきて操れたってのは、そういうことだ。だから喜べ。不安がる必要は全くない。俺が何度でも保障してやる」
「あ……っ……はい……はいっ!」
こくこく頷くカガチの顔からは、憂いがきれいに消えていた。
なお余談だが、スースが勢子になってカガチが仕留めた毛もじゃの豚は、クダンがささっと捌いて、一部の肉が晩の食卓に上がった。
この豚はカガチが抱えられる程度の大きさしかなかったが、これで成体なのだ。体毛は硬くて癖が強いため、衣類やブラシとして利用するのは難しい。鞣し革にも普通の豚と目に見えて分かるほどの違いがないため、成体の大きさの違いで、豚より利用価値が劣るといえよう。また、これが最大の問題なのだが――肉が臭いのだ。
カガチは恐怖で錯覚していたけれど、この毛豚は爪も牙もない。また体格も小さいため、脅威度はかなり低い。そのため、ただの獣だと思われることも間々あるけれど、実際には魔臓を具えた立派な魔物なのだ。つまり、魔術を使うのだが――その魔術が、臭気を放つという魔術だった。
毛豚は外的要因で死ぬと、反射行動で自分の体内で臭気を爆発させて、とても食えたものではない死体になるのだ。
このときに生成される臭気は、物理的な鋭さを持っていると言い切っていいほど臭い。うっかり食ってしまったら三日はものの味がしなくなる、と言われているほど臭いのだ。そのことを知っている魔物は、毛豚を見ても襲ったりしない。むしろ全力で回避する。それだからこそ、体当たりするくらいしか戦闘力がないのに【混沌の森】で生きていけているのだった。
死に際に放たれる臭気は勿論、人間にとっても鼻の曲がる臭さだ。食べるのはおろか、解体することさえ困難を極める。毛や皮の利用法を考える前に、この臭さに対処して解体できる方法の確率が必要であろう。
しかし、クダンは三年に及ぶ隠棲の最中、この臭気を無効化させる方法を見出してた。燃やすと強烈な刺激性の煙を発する魔草を使って燻すと、毛豚の臭気は臭味から風味へと劇的に転化されるのだ。
クダンがこの方法を発見したのは、スースがうっかり狩ってきた毛豚を「勿体ないから食えるようにしてくれ」と言われたときに、何をやっても上手く行かなくて「どうせ臭味を抜けないのなら、どこまで臭くなるか試してやれ」という気持ちで燻してみたら偶然上手くいった、という経緯でだった。
偶然から生まれた臭味抜きの方法だったが、こうして燻した毛豚の肉は、種々の香草に漬け込んでから燻煙した熟成チーズ、とでもいうような趣の味わいに生まれ変わるのだ。
この方法に気づいて以来、クダンは毛豚のことを【燻り子豚】と呼んでいる。
燻り子豚の焙り焼きを一口噛めば、苦みと酸味、若干の甘みを含んだ圧倒的な香ばしさが口いっぱいに広がり、そこへ間髪入れずに濃縮された肉の旨味がジュッと溢れて、口の中で香ばしさと美味さが絡んで溶け合う。玄妙にして豊満な風味を奏でるこの燻製肉には、葡萄酒なら酸味、渋み、重厚感を併せ持った熟女のような赤、蒸留酒なら燻蒸香を効かせたお騒がせ女優のようなのが良く合うだろう。
そんな上等な酒はなかったが、クダンもスースも自家製の葡萄酒を飲みつつ食べる燻り子豚に舌鼓を打ち合った。でも、カガチだけは眉根を寄せた微妙な顔だった。酒も燻製も、カガチにはまだ早かったようである。
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