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7. 狩り初めカガチ
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「訓練、訓練、ずっと訓練――それではカガチも飽きるだろう」
ある晩、スースが夕飯の席で演説を打った。
曰く、ずっと同じことを続けていては惰性が混ざってくる。訓練には気分転換と切り替え、そして実戦による己の実力確認が必要だ――要約すれば、「我輩もカガチと遊ばせろ!」ということをスースは語ったわけだ。赤身で硬いすね肉のステーキを噛み千切りながら。
「……それも悪くないかもな」
クダンは頬張っていた腰回りの美味しいところを嚥下したところで、スースの訴えに許可を出した。
「本当か!?」
すんなり了承されて驚くスース。
「なんだよ、その驚きようは。まさかおまえ、適当に言ったのか?」
「おう、適当だ。当に適切という意味でな」
「なら驚くなよ。っつか実際、おまえの言ったことはもっともだと思ったんだよ」
クダンはスースからカガチへと視線を移した。
カガチは二人を交互に見やっていたが、口のほうは一番上品なところを食べるのに忙しくて、会話に耳を傾けているだけだった。だから、急にクダンから視線を向けられて驚き、喉を詰まらせた。フィレ肉で。
「んんっ……!?」
「カガチ!?」
「大丈夫か!? これ飲め!」
クダンが汁物の椀を差し出すと、カガチはずずぅっと勢いよく啜った。
「……、……っはふ……」
喉をごくんと鳴らしたカガチは、すっきりした顔で息を吐いた。
「何やってるんだよ、まったく」
クダンが呆れ顔をする。
「……だ、って……お、お師様、きゅ、急に、見てく、っから……」
「そういうところだ!」
クダンがびしっとカガチに指を突きつけた。そのせいで、またカガチはまたびくっと身を竦ませる。
「カガチ、おまえはとにかく真面目だ。水遣りも訓練も食事当番も、やると決めたことはやり通している。非常によろしい。だがな、俺の正式な弟子だというからには、真面目なだけじゃ足りねぇ。どんな状況になっても動じない胆力を持て。――魔物が怖くて魔力が練れませんでしたってんじゃ、笑い話にもなんねぇからな」
「はっ、はい……!」
カガチは崩して座っていた足を素早く組み直し、正座になって真剣な顔で返事した。
それから一時間と少しの後――カガチはスースと共に、森の中にいた。
クダンの庵も森の外縁から大分入ったところにあるのだけれど、カガチがそこを住処と定めたときに、周囲の掃除をした上で魔物が寄ってきたくなる細工をしていたから、ここが魔境【混沌の森】だということを忘れかけるくらい長閑だった。
だが、庵からある程度離れると、途端に木々の密度が膨れ上がる。日差しが遮られて空気の匂いまで変わり、ここが確かに【混沌の森】なのだという事実をカガチに突きつけていた。
「んっ……」
緊張にごくりと唾を飲み込んだカガチに、たった一人の同行者であるスースが笑いかける。
「安心せよ、カガチ。我輩がいれば、どこであろうと危険はない。安心して――ん? いや、それでは駄目なのか……そこそこ危険だけど、本当に危険になりそうだったら、そうなる前に我輩がなんとかしてやるので大いに安心するがいい――んん? だから安心しては駄目ではないか!!」
「あっ、うん。わ、分かるっ、から……だいっ、大丈夫!」
勝手に混乱し始めたスースに、カガチが慌てて握り拳を作って答えた。
「む、そうか。分かっているのか。ならば良し!」
スース、すぐに立ち直って胸を張った。二股の尻尾が上機嫌にふりふり揺れていた。
カガチとスースが森に来たのは、カガチに狩りの経験を積ませるためだ。カガチの魔力操作がぎりぎり見られるものになってきたため、スースをお守りにして森に入らせたのだった。
【混沌の森】は手練れの戦士でも容易に命を落とす魔境なのだが、スースが引率しているのだから万が一にも大丈夫だろう――と、クダンもスース自身も思っている。ただし、それを素直に伝えてカガチを安心させてしまっては、この野外活動の意味がなくなってしまう。なので、スースはクダンから「本当に危険な目に遭わせるつもりはないが、そのことは言わないでおくべし」と言い含められていた。
いたのだが……初めて踏み入る森のあちこちに忙しなく視線を投げては過剰に警戒しているカガチを見ていると、ついつい先のような発言をして安心させてやりたくなってしまい、難儀しているのだった。
「……ふむ、そうか」
森を奥へ奥へと、カガチの歩調に合わせて進みながら懊悩していたスースは、ついに解決策を思いついた。
「カガチよ、おまえに武器を預けておこう」
「ぶ、武器……あ……」
スースに言われて初めて、カガチは自分が武器を持っていないことに気づかされた。服装こそ、いつものシャツとズボン(クダンが調達してきた、カガチに合ったサイズ)の上から毛皮の上着と脚絆を着用しているものの、寸鉄ひとつ帯びずに来たとはどういうことか。
確かに、とんとん拍子で狩りにいくことが決まったせいで、カガチは出発前から緊張していた。してはいたが、まさかこんな失敗をしていたなんて――!
――でもでもだってお師様だって何も言わなかったし!
心の中で、ここにはいない師匠へ向けて言い訳をするカガチ。
「……カガチ?」
「あっ」
スースの胡乱げな眼差しに、カガチはようやく正気に戻った。
「なっ、んでも……ないっ!」
「そうか? 顔が赤いが……むっ! まさか、どこかで毒でも貰ったか!?」
「ちっ違うっから!」
カガチは両手の掌を見せるようにして、ぶんぶん手を振る。しかし、スースは納得しなかった。
「しかしな、顔色がこうも不自然では……ふむ、念のためだ」
そう言うや否や、スースは二股尻尾のひとつをひゅんと閃かせた。
「ひゃっ!?」
右の掌にちくっと走った痛みに、カガチは仰け反り、勢い余って尻餅をつく。なんでそうされたのかは分からないが、スースが尻尾を鞭にして自分の掌を叩いたのだということは、カガチにも分かった。
「ふぇ……ど、して……」
「あっ、勘違いするでないぞ! これは治療だ。念のために【治癒の剣】で解毒したのだ」
スースは尻尾のひとつをカガチの眼前に持っていく。その尻尾の先っぽは、黒光りする剣になっていた。その剣をまじまじ見つめて、カガチは自分の掌が叩かれたのではなく、切られたのだと気がつく――
「――あ、れ?」
カガチが不思議そうな声を上げたのは、黒い剣で斬られたのだと思った掌に傷ひとつ付いていないことに気がついたからだ。
スースがにやりと笑う。
「どうだ、この剣は面白かろう? 斬っても斬れず、むしろなんでか治るのだ。怪我で毒でも病気でも、大概治すぞ。我輩所有の剣の中でも、何故剣か分からないシリーズの一振りだ」
「わ、わぁ……」
なんと言っていいのか分からないカガチは、とりあえず驚きの声を上げてみておいた。
そんな棒読みの賞賛でも良かったらしく、スースはにやりと満足げに笑った。牙を剥き出しにして威嚇するような笑い方にも、カガチはすっかり慣れたものだった。
「……よし、顔色も戻ったな」
「ふぇ……? ……あっ」
いきなり斬られたのに斬れていないという手品を実演されたせいか、それともスースのおっかなくて面白い笑顔を見たせいか――カガチの緊張と気恥ずかしさは、いつの間にか解れていた。
「……う、ん。もっ、平気!」
「よしよし、いい顔だ。では改めて……カガチ、我が剣の一振りをおまえに預けよう。さあ、手をここへ」
「う、うん」
カガチが水を受け止めるようにして両手を差し出すと、スースの尻尾がそこに載せられる。すると、その尻尾が先のほうから三つ編みを解くようにしゅるしゅると解けていく。そうして解けた尻尾の内側から現れたのは、黒革の鞘に収められた一振りの短剣だった。
「なっ、ナイフ……」
「魔剣【不知錆】。手入れをせずとも錆びず、鈍らずの便利な奴ぞ。小振りで取り回しも易いので、ずぶの素人に貸し出すのならこの辺だろうなシリーズの一振りだ」
スースのそうした説明を受けながら、カガチは短剣・不知錆を鞘から抜いてみる。
両刃の直刀で、刃渡りは15センチほど。鍔にも柄にも特段の意匠はなく、至って素朴な造りの短剣だ。魔剣だと言われなかったら、ただのどこにでもある短剣にしか見えないだろう。まして、剣の造詣など皆無のカガチからすれば、「スースが貸してくれたの嬉しいな」でしかなかった。
「あ、ありっ……がと。だっ、大事に、つ、使う、ねっ」
「うむ。だが、道具に遠慮するではないぞ。道具は使い潰してこそ、であるからな」
「ん……わ、分かった」
あんまり分かっていない顔で頷くカガチに、スースは牙の隙間から空気を抜くようにして苦笑した。
ある晩、スースが夕飯の席で演説を打った。
曰く、ずっと同じことを続けていては惰性が混ざってくる。訓練には気分転換と切り替え、そして実戦による己の実力確認が必要だ――要約すれば、「我輩もカガチと遊ばせろ!」ということをスースは語ったわけだ。赤身で硬いすね肉のステーキを噛み千切りながら。
「……それも悪くないかもな」
クダンは頬張っていた腰回りの美味しいところを嚥下したところで、スースの訴えに許可を出した。
「本当か!?」
すんなり了承されて驚くスース。
「なんだよ、その驚きようは。まさかおまえ、適当に言ったのか?」
「おう、適当だ。当に適切という意味でな」
「なら驚くなよ。っつか実際、おまえの言ったことはもっともだと思ったんだよ」
クダンはスースからカガチへと視線を移した。
カガチは二人を交互に見やっていたが、口のほうは一番上品なところを食べるのに忙しくて、会話に耳を傾けているだけだった。だから、急にクダンから視線を向けられて驚き、喉を詰まらせた。フィレ肉で。
「んんっ……!?」
「カガチ!?」
「大丈夫か!? これ飲め!」
クダンが汁物の椀を差し出すと、カガチはずずぅっと勢いよく啜った。
「……、……っはふ……」
喉をごくんと鳴らしたカガチは、すっきりした顔で息を吐いた。
「何やってるんだよ、まったく」
クダンが呆れ顔をする。
「……だ、って……お、お師様、きゅ、急に、見てく、っから……」
「そういうところだ!」
クダンがびしっとカガチに指を突きつけた。そのせいで、またカガチはまたびくっと身を竦ませる。
「カガチ、おまえはとにかく真面目だ。水遣りも訓練も食事当番も、やると決めたことはやり通している。非常によろしい。だがな、俺の正式な弟子だというからには、真面目なだけじゃ足りねぇ。どんな状況になっても動じない胆力を持て。――魔物が怖くて魔力が練れませんでしたってんじゃ、笑い話にもなんねぇからな」
「はっ、はい……!」
カガチは崩して座っていた足を素早く組み直し、正座になって真剣な顔で返事した。
それから一時間と少しの後――カガチはスースと共に、森の中にいた。
クダンの庵も森の外縁から大分入ったところにあるのだけれど、カガチがそこを住処と定めたときに、周囲の掃除をした上で魔物が寄ってきたくなる細工をしていたから、ここが魔境【混沌の森】だということを忘れかけるくらい長閑だった。
だが、庵からある程度離れると、途端に木々の密度が膨れ上がる。日差しが遮られて空気の匂いまで変わり、ここが確かに【混沌の森】なのだという事実をカガチに突きつけていた。
「んっ……」
緊張にごくりと唾を飲み込んだカガチに、たった一人の同行者であるスースが笑いかける。
「安心せよ、カガチ。我輩がいれば、どこであろうと危険はない。安心して――ん? いや、それでは駄目なのか……そこそこ危険だけど、本当に危険になりそうだったら、そうなる前に我輩がなんとかしてやるので大いに安心するがいい――んん? だから安心しては駄目ではないか!!」
「あっ、うん。わ、分かるっ、から……だいっ、大丈夫!」
勝手に混乱し始めたスースに、カガチが慌てて握り拳を作って答えた。
「む、そうか。分かっているのか。ならば良し!」
スース、すぐに立ち直って胸を張った。二股の尻尾が上機嫌にふりふり揺れていた。
カガチとスースが森に来たのは、カガチに狩りの経験を積ませるためだ。カガチの魔力操作がぎりぎり見られるものになってきたため、スースをお守りにして森に入らせたのだった。
【混沌の森】は手練れの戦士でも容易に命を落とす魔境なのだが、スースが引率しているのだから万が一にも大丈夫だろう――と、クダンもスース自身も思っている。ただし、それを素直に伝えてカガチを安心させてしまっては、この野外活動の意味がなくなってしまう。なので、スースはクダンから「本当に危険な目に遭わせるつもりはないが、そのことは言わないでおくべし」と言い含められていた。
いたのだが……初めて踏み入る森のあちこちに忙しなく視線を投げては過剰に警戒しているカガチを見ていると、ついつい先のような発言をして安心させてやりたくなってしまい、難儀しているのだった。
「……ふむ、そうか」
森を奥へ奥へと、カガチの歩調に合わせて進みながら懊悩していたスースは、ついに解決策を思いついた。
「カガチよ、おまえに武器を預けておこう」
「ぶ、武器……あ……」
スースに言われて初めて、カガチは自分が武器を持っていないことに気づかされた。服装こそ、いつものシャツとズボン(クダンが調達してきた、カガチに合ったサイズ)の上から毛皮の上着と脚絆を着用しているものの、寸鉄ひとつ帯びずに来たとはどういうことか。
確かに、とんとん拍子で狩りにいくことが決まったせいで、カガチは出発前から緊張していた。してはいたが、まさかこんな失敗をしていたなんて――!
――でもでもだってお師様だって何も言わなかったし!
心の中で、ここにはいない師匠へ向けて言い訳をするカガチ。
「……カガチ?」
「あっ」
スースの胡乱げな眼差しに、カガチはようやく正気に戻った。
「なっ、んでも……ないっ!」
「そうか? 顔が赤いが……むっ! まさか、どこかで毒でも貰ったか!?」
「ちっ違うっから!」
カガチは両手の掌を見せるようにして、ぶんぶん手を振る。しかし、スースは納得しなかった。
「しかしな、顔色がこうも不自然では……ふむ、念のためだ」
そう言うや否や、スースは二股尻尾のひとつをひゅんと閃かせた。
「ひゃっ!?」
右の掌にちくっと走った痛みに、カガチは仰け反り、勢い余って尻餅をつく。なんでそうされたのかは分からないが、スースが尻尾を鞭にして自分の掌を叩いたのだということは、カガチにも分かった。
「ふぇ……ど、して……」
「あっ、勘違いするでないぞ! これは治療だ。念のために【治癒の剣】で解毒したのだ」
スースは尻尾のひとつをカガチの眼前に持っていく。その尻尾の先っぽは、黒光りする剣になっていた。その剣をまじまじ見つめて、カガチは自分の掌が叩かれたのではなく、切られたのだと気がつく――
「――あ、れ?」
カガチが不思議そうな声を上げたのは、黒い剣で斬られたのだと思った掌に傷ひとつ付いていないことに気がついたからだ。
スースがにやりと笑う。
「どうだ、この剣は面白かろう? 斬っても斬れず、むしろなんでか治るのだ。怪我で毒でも病気でも、大概治すぞ。我輩所有の剣の中でも、何故剣か分からないシリーズの一振りだ」
「わ、わぁ……」
なんと言っていいのか分からないカガチは、とりあえず驚きの声を上げてみておいた。
そんな棒読みの賞賛でも良かったらしく、スースはにやりと満足げに笑った。牙を剥き出しにして威嚇するような笑い方にも、カガチはすっかり慣れたものだった。
「……よし、顔色も戻ったな」
「ふぇ……? ……あっ」
いきなり斬られたのに斬れていないという手品を実演されたせいか、それともスースのおっかなくて面白い笑顔を見たせいか――カガチの緊張と気恥ずかしさは、いつの間にか解れていた。
「……う、ん。もっ、平気!」
「よしよし、いい顔だ。では改めて……カガチ、我が剣の一振りをおまえに預けよう。さあ、手をここへ」
「う、うん」
カガチが水を受け止めるようにして両手を差し出すと、スースの尻尾がそこに載せられる。すると、その尻尾が先のほうから三つ編みを解くようにしゅるしゅると解けていく。そうして解けた尻尾の内側から現れたのは、黒革の鞘に収められた一振りの短剣だった。
「なっ、ナイフ……」
「魔剣【不知錆】。手入れをせずとも錆びず、鈍らずの便利な奴ぞ。小振りで取り回しも易いので、ずぶの素人に貸し出すのならこの辺だろうなシリーズの一振りだ」
スースのそうした説明を受けながら、カガチは短剣・不知錆を鞘から抜いてみる。
両刃の直刀で、刃渡りは15センチほど。鍔にも柄にも特段の意匠はなく、至って素朴な造りの短剣だ。魔剣だと言われなかったら、ただのどこにでもある短剣にしか見えないだろう。まして、剣の造詣など皆無のカガチからすれば、「スースが貸してくれたの嬉しいな」でしかなかった。
「あ、ありっ……がと。だっ、大事に、つ、使う、ねっ」
「うむ。だが、道具に遠慮するではないぞ。道具は使い潰してこそ、であるからな」
「ん……わ、分かった」
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