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地上の大華国 篇
〈終幕〉女神は天上の華界で至福を得る
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(ーもはや、ここまでなのかー……)
片膝をつく皇帝王華。ここに来て初めて項垂れる。
やはり女神は天上世界の住人。
人間の世界に一時紛れ込んだだけのこと。その幸運をほんの僅かでも享受する事が出来た皇帝王華は、むしろ幸運だとも。
皇帝王華の引き際は意外にも呆気なく、女神彩華を易々と最高神華王へと委ねる。
消滅して永遠に失われるより、逢えなくとも存在してくれる方が良いのは明白。それは争うまでもない。
そして、最高神華王に抱かれ、天上の華界へと戻った女神彩華。
此処は天上の華界。
穏やかな時の流れの中、華界の清浄の神気に包まれる女神彩華は生気を養い、見事に玉のような美しい御子を産み落とせば、最高神華王の華妃として迎えられる。
今の女神彩華は、華妃彩華。
華界一美しい華妃の誕生。
女神彩華に似た美しい御子も、親神からの愛情を過分に注がれ、ゆっくりともする時の中で健やかに育つ。
最高神華王が住まう御殿。この程、装い新たに広く造り直された瀟洒な〈奥宮〉。
寝台を囲うように下ろされる御簾。
仲睦まじい者らが、互いの情愛を確かめ合い、そして目合う姿が透けて見える。
広く豪華な寝台の上には、最高神華王に愛でられる愛妃彩華。驚くべきは、共に愛妃彩華を愛でる者が、もう一人存在する。
嘗ての皇帝王華。紛れもなく、その姿が在る。
それも全ては最高神華王の温情とも情けとも。
女神彩華を想う皇帝王華の深い情愛を憐れんだ最高神華王は、人間の世界での生を終えた皇帝王華の魂魄を天上の華界へと連れ帰り、己れの生命の欠片を分け与え、芍薬の根元へと埋める。
長い歳月が経てば、やがて顕現する男神王華。
元々からして似た容姿を持つ最高神華王と皇帝王華。どこか通じるものがあったのかもしれない。
ーだからこそ、女神彩華を愛おしむ心根も同じ。
今この刻も、美しい女神を穿つ二人の男神。
激しい睦み合いの最中。
「嗚呼っ! 我の彩華ー……そなたが愛しい。おまえはどれほどに淫欲の華と化すのか……!」
「……やっ! あっあっあっ……ああっ! やぁ……華王、華王……! あっ、あっ、ああんっ!」
愛妃彩華を四つん這いにさせ、未だ挿入に慣れない後孔にもかかわらず、剛直な男根を挿し込み、ぐちゅぐちゅと激しく打ち付ける最高神華王。
「あんっ、あんっ、あん……やぁ、ああん!」
ぐちゅぐちゅと激しく腰を打ち付けられる所為で、愛妃彩華の豊かな乳房が前後に揺れる。
ついで、乳房の頂きへと挿さる二人の男神から贈られた黄金の胸飾りが、いやらしくもシャラシャラと音を奏で、余計に愛妃彩華を艶かしく彩る。
「……彩華、余の男根もそなたが欲しくて滾っている……」
その瞬間、愛妃彩華の口内へとぬちゅりと挿し仕込まれる男神王華の滾る男根。
「……ふぅっ、ううぅ……」
呻く愛妃彩華。
それにもかかわらず、ぬちゅりぬちゅりと抜き差しを繰り返し、淫らな口淫は続く。
「嗚呼っ! 彩華はどこもかしこも素晴らしい! 全てが淫欲の穴とはー……!」
二人の男神が、前から後ろからと愛妃彩華を貪り尽くす。
しまいにはどくどくと吐き出される欲情の汁が、愛妃彩華の股の間や口横さえも汚し、そこに咲くのは卑猥な一輪の華。
尽きる事のない愛欲の日々。
三人での密なる目合いが終われば、両脇から愛妃彩華を抱く二人の男神の胸の中で、夜毎に眠りに就く愛妃彩華。
互いに抱き合えば、触れる肌の温もりに心地良さを覚える。
「……華王……王華……愛する人に囲まれる私は、とても幸せですー……ありがとうー……」
愛しい二人へと、そっと口付けを落とす愛妃彩華。
男神二人からも甘い口付けを返される。
今こそ至上の至福を味わう。
〈完〉
片膝をつく皇帝王華。ここに来て初めて項垂れる。
やはり女神は天上世界の住人。
人間の世界に一時紛れ込んだだけのこと。その幸運をほんの僅かでも享受する事が出来た皇帝王華は、むしろ幸運だとも。
皇帝王華の引き際は意外にも呆気なく、女神彩華を易々と最高神華王へと委ねる。
消滅して永遠に失われるより、逢えなくとも存在してくれる方が良いのは明白。それは争うまでもない。
そして、最高神華王に抱かれ、天上の華界へと戻った女神彩華。
此処は天上の華界。
穏やかな時の流れの中、華界の清浄の神気に包まれる女神彩華は生気を養い、見事に玉のような美しい御子を産み落とせば、最高神華王の華妃として迎えられる。
今の女神彩華は、華妃彩華。
華界一美しい華妃の誕生。
女神彩華に似た美しい御子も、親神からの愛情を過分に注がれ、ゆっくりともする時の中で健やかに育つ。
最高神華王が住まう御殿。この程、装い新たに広く造り直された瀟洒な〈奥宮〉。
寝台を囲うように下ろされる御簾。
仲睦まじい者らが、互いの情愛を確かめ合い、そして目合う姿が透けて見える。
広く豪華な寝台の上には、最高神華王に愛でられる愛妃彩華。驚くべきは、共に愛妃彩華を愛でる者が、もう一人存在する。
嘗ての皇帝王華。紛れもなく、その姿が在る。
それも全ては最高神華王の温情とも情けとも。
女神彩華を想う皇帝王華の深い情愛を憐れんだ最高神華王は、人間の世界での生を終えた皇帝王華の魂魄を天上の華界へと連れ帰り、己れの生命の欠片を分け与え、芍薬の根元へと埋める。
長い歳月が経てば、やがて顕現する男神王華。
元々からして似た容姿を持つ最高神華王と皇帝王華。どこか通じるものがあったのかもしれない。
ーだからこそ、女神彩華を愛おしむ心根も同じ。
今この刻も、美しい女神を穿つ二人の男神。
激しい睦み合いの最中。
「嗚呼っ! 我の彩華ー……そなたが愛しい。おまえはどれほどに淫欲の華と化すのか……!」
「……やっ! あっあっあっ……ああっ! やぁ……華王、華王……! あっ、あっ、ああんっ!」
愛妃彩華を四つん這いにさせ、未だ挿入に慣れない後孔にもかかわらず、剛直な男根を挿し込み、ぐちゅぐちゅと激しく打ち付ける最高神華王。
「あんっ、あんっ、あん……やぁ、ああん!」
ぐちゅぐちゅと激しく腰を打ち付けられる所為で、愛妃彩華の豊かな乳房が前後に揺れる。
ついで、乳房の頂きへと挿さる二人の男神から贈られた黄金の胸飾りが、いやらしくもシャラシャラと音を奏で、余計に愛妃彩華を艶かしく彩る。
「……彩華、余の男根もそなたが欲しくて滾っている……」
その瞬間、愛妃彩華の口内へとぬちゅりと挿し仕込まれる男神王華の滾る男根。
「……ふぅっ、ううぅ……」
呻く愛妃彩華。
それにもかかわらず、ぬちゅりぬちゅりと抜き差しを繰り返し、淫らな口淫は続く。
「嗚呼っ! 彩華はどこもかしこも素晴らしい! 全てが淫欲の穴とはー……!」
二人の男神が、前から後ろからと愛妃彩華を貪り尽くす。
しまいにはどくどくと吐き出される欲情の汁が、愛妃彩華の股の間や口横さえも汚し、そこに咲くのは卑猥な一輪の華。
尽きる事のない愛欲の日々。
三人での密なる目合いが終われば、両脇から愛妃彩華を抱く二人の男神の胸の中で、夜毎に眠りに就く愛妃彩華。
互いに抱き合えば、触れる肌の温もりに心地良さを覚える。
「……華王……王華……愛する人に囲まれる私は、とても幸せですー……ありがとうー……」
愛しい二人へと、そっと口付けを落とす愛妃彩華。
男神二人からも甘い口付けを返される。
今こそ至上の至福を味わう。
〈完〉
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