25 / 35
本編
〈閑話〉皇后の特別な帝宮庭園と先手打つ生母
しおりを挟む
皇帝アレクシスの〈帝宮〉に造られた美しい奥庭。
〈帝宮庭園〉。
一年を通して四季折々の樹々や色鮮やかな花々が植えられ、瀟洒な東屋も建つ其処は、皇帝アレクシスの安らぎの場ともする。
代々の皇帝の瞳を愉しませる庭園とだけあり、豪華で優美。ものの見事な造りとなっている。
折しも、皇帝アレクシスが“愛しい伴侶セレーナ”を仮面舞踏会の夜に招き入れ、其処に造られた東屋で愛を語り合った場所に他ならない。
甘美に冒される熱い肌を重ね合わせ、幾度も蜜に濡れる互いの秘部を繋ぎ、悦楽に溺れた淫欲の夜。
まさに、“素晴らしい奇跡の夜”。
皇帝アレクシスに抱かれる無垢で美しい花は、想像以上に芳しく妖艶な肢体を晒す。
皇帝アレクシスには、これまでの生の中で“最も至福で快美な夜”となった事は間違いなく、またその一方で、皇后セレーナにも“めくるめく夢のような時間”を過ごした素晴らしい場所とも。
所謂、許された者だけが立ち入る事の出来る〈帝宮庭園〉は特別な場所であり、今では皇后セレーナの気に入る場所となっている。
* * * * * * * * * *
皇后セレーナの家族ともする母アラナと義父レナルド。
奇しくもブレイディ王国の国王と王妃とあり、皇后セレーナには頼もしい後ろ盾。これ程に強力な後ろ盾を得る事が出来た皇后セレーナは、今や強運の持ち主とも。
伯爵家の妾腹の令嬢として蔑まれ、不遇であった過去は過去として過ぎ去り、今やその片鱗すらない。
皇后セレーナに訪れた「全ての奇跡」が、此処〈帝宮庭園〉から始まったとも。
ーだからこそ、皇后セレーナが「大切な人達」を〈帝宮庭園〉へと招き入れたいと思うのは当然のこと。
遡ればー。
「アレク様、お母様方を歓待のお茶に、この美しい庭園へとお招きしたいと思うですがー……許していただけますか?」
「許すも何もー……最早ブレイディ王国の国王夫妻は、私達には家族も同然。もちろん大歓迎だよ。セレーナの好きにすれば良い」
「ありがとう、アレク様……!」
美しい笑みを浮かべては、皇帝アレクシスへと礼を述べる皇后セレーナが、まさか初めて懐妊に憂慮していたとは、この時の皇帝アレクシスに分かるはずもない。
御子を宿し、母となる皇后セレーナの心の憂慮が、男の皇帝アレクシスには、やはり推し量れない。
奇しくも、その事をまざまざと知らされる事になる皇帝アレクシス。尊大な皇帝アレクシスも生母アラナの愛情の深さを見せられる。
愛しい娘セレーナの為に、皇帝アレクシスや国王レナルドよりも一歩も二歩も先を行く王妃アラナ。
夫君らが知らない間に、皇后セレーナの側へと寄り添う為に、まさかの先手を打っているとは、よもや思うまい。
〈帝宮庭園〉。
一年を通して四季折々の樹々や色鮮やかな花々が植えられ、瀟洒な東屋も建つ其処は、皇帝アレクシスの安らぎの場ともする。
代々の皇帝の瞳を愉しませる庭園とだけあり、豪華で優美。ものの見事な造りとなっている。
折しも、皇帝アレクシスが“愛しい伴侶セレーナ”を仮面舞踏会の夜に招き入れ、其処に造られた東屋で愛を語り合った場所に他ならない。
甘美に冒される熱い肌を重ね合わせ、幾度も蜜に濡れる互いの秘部を繋ぎ、悦楽に溺れた淫欲の夜。
まさに、“素晴らしい奇跡の夜”。
皇帝アレクシスに抱かれる無垢で美しい花は、想像以上に芳しく妖艶な肢体を晒す。
皇帝アレクシスには、これまでの生の中で“最も至福で快美な夜”となった事は間違いなく、またその一方で、皇后セレーナにも“めくるめく夢のような時間”を過ごした素晴らしい場所とも。
所謂、許された者だけが立ち入る事の出来る〈帝宮庭園〉は特別な場所であり、今では皇后セレーナの気に入る場所となっている。
* * * * * * * * * *
皇后セレーナの家族ともする母アラナと義父レナルド。
奇しくもブレイディ王国の国王と王妃とあり、皇后セレーナには頼もしい後ろ盾。これ程に強力な後ろ盾を得る事が出来た皇后セレーナは、今や強運の持ち主とも。
伯爵家の妾腹の令嬢として蔑まれ、不遇であった過去は過去として過ぎ去り、今やその片鱗すらない。
皇后セレーナに訪れた「全ての奇跡」が、此処〈帝宮庭園〉から始まったとも。
ーだからこそ、皇后セレーナが「大切な人達」を〈帝宮庭園〉へと招き入れたいと思うのは当然のこと。
遡ればー。
「アレク様、お母様方を歓待のお茶に、この美しい庭園へとお招きしたいと思うですがー……許していただけますか?」
「許すも何もー……最早ブレイディ王国の国王夫妻は、私達には家族も同然。もちろん大歓迎だよ。セレーナの好きにすれば良い」
「ありがとう、アレク様……!」
美しい笑みを浮かべては、皇帝アレクシスへと礼を述べる皇后セレーナが、まさか初めて懐妊に憂慮していたとは、この時の皇帝アレクシスに分かるはずもない。
御子を宿し、母となる皇后セレーナの心の憂慮が、男の皇帝アレクシスには、やはり推し量れない。
奇しくも、その事をまざまざと知らされる事になる皇帝アレクシス。尊大な皇帝アレクシスも生母アラナの愛情の深さを見せられる。
愛しい娘セレーナの為に、皇帝アレクシスや国王レナルドよりも一歩も二歩も先を行く王妃アラナ。
夫君らが知らない間に、皇后セレーナの側へと寄り添う為に、まさかの先手を打っているとは、よもや思うまい。
234
お気に入りに追加
870
あなたにおすすめの小説
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
【R18】人気AV嬢だった私は乙ゲーのヒロインに転生したので、攻略キャラを全員美味しくいただくことにしました♪
奏音 美都
恋愛
「レイラちゃん、おつかれさまぁ。今日もよかったよ」
「おつかれさまでーす。シャワー浴びますね」
AV女優の私は、仕事を終えてシャワーを浴びてたんだけど、石鹸に滑って転んで頭を打って失神し……なぜか、乙女ゲームの世界に転生してた。
そこで、可愛くて美味しそうなDKたちに出会うんだけど、この乙ゲーって全対象年齢なのよね。
でも、誘惑に抗えるわけないでしょっ!
全員美味しくいただいちゃいまーす。
【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる
奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。
だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。
「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」
どう尋ねる兄の真意は……
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
婚約者が巨乳好きだと知ったので、お義兄様に胸を大きくしてもらいます。
鯖
恋愛
可憐な見た目とは裏腹に、突っ走りがちな令嬢のパトリシア。婚約者のフィリップが、巨乳じゃないと女として見れない、と話しているのを聞いてしまう。
パトリシアは、小さい頃に両親を亡くし、母の弟である伯爵家で、本当の娘の様に育てられた。お世話になった家族の為にも、幸せな結婚生活を送らねばならないと、兄の様に慕っているアレックスに、あるお願いをしに行く。
【R18】愛され総受け女王は、20歳の誕生日に夫である美麗な年下国王に甘く淫らにお祝いされる
奏音 美都
恋愛
シャルール公国のプリンセス、アンジェリーナの公務の際に出会い、恋に落ちたソノワール公爵であったルノー。
両親を船の沈没事故で失い、突如女王として戴冠することになった間も、彼女を支え続けた。
それから幾つもの困難を乗り越え、ルノーはアンジェリーナと婚姻を結び、単なる女王の夫、王配ではなく、自らも執政に取り組む国王として戴冠した。
夫婦となって初めて迎えるアンジェリーナの誕生日。ルノーは彼女を喜ばせようと、画策する。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる