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花の王国ブルーム 篇

突然の異世界転移と散らされる無垢な番

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※初回からR回となります(後半部分)。




* * * * * * * * * *


現実世界にせいを受けた雨花うか


さかのぼれば。

しとしと降る小雨こさめの中、散り落ちる花弁はなびらの上に捨て置かれていた美しい赤子は、その胸を打つような光景にちなんで「雨花うか」と名付けられる。


時が経つのは早い。

雨花うかと名付けられた赤子も、まもなく成人を迎えるまでに成長し、あどけなさも残しつつ美しい少女からかぐわしい大人の女性へと花開こうとしている。

その一方で、赤子の時に捨てられていた雨花うかには、当然に身寄みよりもなく、頼れる者もいない。愛する者もいない。


今の雨花うかにあるのは、さいわいにも丈夫な身体からだ生来せいらいからの恵まれた容姿のみ。

長く豊かな濡羽色ぬればいろの髪と瞳をいろどあかれた唇。それとは対照的に、艶肌つやはだは雪のように白く、きめが細かくしっとりとうるおう。

余計な物を食さない身体からだは線が細く華奢きゃしゃで、小柄な雨花うかは本人の意思とは関係なしに庇護欲ひごよくすらそそる。その所為せいか、言い寄る者や保護を申し出る者も少なくはない。

折しも、恵まれた容姿を持つ雨花うか

ーしかし、それを嬉々ききとしたことはない。

「私が本当に欲しいのはー……」

そっと溜息ためいきこぼす。

雨花うかが心より望み、つねよくするものは「自分を心から愛してくれる家族」、あるいは「愛し愛される者」とも。

「……まさに、無いものねだりよねー……」

雨花うかにとっては、誰もが振り返る程の美しい容姿などは、今更いまさら何の意味も成さない。




* * * * * * * * * * 


日々、街中にあふれる仲睦なかむつまじく連れ添う人々を目にすれば、余計に「うらやましい……」とがれる雨花うかがいる。


静寂せいじゃくな夜。

一人寝台に沈めば、家族のぬくもりを知らない雨花うかは、特にさびしさが募り、人肌が恋しくなる。

幼な子のままではいられない成長する心と身体からだは、いやおうでも「ひとりぼっちの自身の境遇きょうぐう」をしかと突き付ける。

「……これまでもこの先もー……このままずっとひとりでいるのはさびしいものね……」

むなしいひとごとが、自然と口からこぼれ落ちる。


最近はとみに「愛されたいー……」と、そう強く望む自分がいることをいなめない。

、なのか?

それとも「この世界にわずかな未練もない」所為せいなのかはわからない。

その夜は、特に深く深く眠りに落ちる雨花うか

眠る雨花うかの耳元へとささやくような甘い声が響く。それがとても心地良ここちよ雨花うかを包み込む。

「誰かー」の呼び声。

それを求める雨花うか

淡い光りが雨花うか身体からだを優しく包み込み、きらきらと輝きを放つ。

その刹那せつな

まるで「何者かー」に呼ばれるようにして、その場から忽然こつぜんと消える雨花うかがいる。

其処そこに残されたのは、もはや住む者のいない部屋と静寂せいじゃくさ。


その後。

不思議な事に、誰も雨花うかの事を覚えている者はいない。




* * * * * * * * * *


何者かに呼ばれた雨花うかが、次に目を覚ました時には、名前以外の全ての記憶を失くし、異世界へと転移した後。


雨花うか微睡まどろみから目覚めれば、かすむ視界に映り込む見知らぬ豪華な居室きょしつ

寝台の上、やわらかな敷布しきふの上へと組み敷かれる雨花うか

輝く黄金の髪をまと美貌びぼうの男の腕に絡め取られ、まさに目合まぐわいの最中さなか。気品漂う見目麗みめうるわしい男は、いかにも貴公子風で端然たんぜんとしている。

突然、みちみちと肉を裂かれるような下腹部の痛みに、思わず目を見開く雨花うかは、一瞬だけだが息が止まる。

「かっ、はぁ……あっ、あっ……」

「安心してー……痛いのは最初だけだよ。大丈夫ー……息をしてごらん? いとしい私の“つがい“……嗚呼ああっ、やはり君は最高だよ……! まさに私の肉杭ものにしかと合わさる。これが“つがい”との目合まぐわいとはー……まさに至上しじょう至福しふくだ」

良く通る美しい声音こわねで、恍惚こうこつと告げる美貌びぼうの貴公子の翡翠ひすいの瞳がきらりと光る。

すぐさま雨花うかの唇を塞ぎ、強引に舌を絡めては、雨花うかの口内をくちゅりくちゅりと蹂躙じゅうりんし、気が済むまで幾度も味わう。

「可愛い私の“つがい“……君は極上の美酒びしゅのように甘くかぐわしい。全てにおいて私を魅了みりょうする君は私のものだ。いとしい私の“つがい“……君を待っていたよ。ようやく私の元にー……嗚呼ああっ、なんて可愛いんだ!」

恍惚こうこつと告げる美貌びぼうの貴公子の腰は、最初こそゆっくりと揺れるものの次第に激しさを増す。

互いにつながる淫靡いんび交接部こうせつぶからは、ぬちゅりぬちゅりとなまめかしい摩擦音まさつおんさえ響き、天蓋てんがいおおう豪華な寝台内で「何がー」が行われているかなどは一目瞭然いちもくりょうぜん

最早もはや、裸体にさらされた雨花うかの青いつぼみには、美貌びぼうの貴公子の生々しい肉杭にくくいが深々と打ち込まれ、荒々しい律動りつどうを繰り返す。

「……あっ……あっあっ……やぁーーー!」

痛みに悲鳴を上げる雨花うか

再びふさがれる唇。

美貌びぼうの貴公子からは、そのまま口移しで甘くどろりとした媚薬びやくを飲まされる雨花うかは、しかといだかれている所為せいあらがすべはなく、意思とは裏腹に全てを飲み干す。

媚薬びやく所為せいで熱く火照ほて雨花うか身体からだは、次第に些細ささいな肌への刺激さえも快美かいびへと感じる程に欲情へといざなわれる。

「良い子だねー……いとしい私の“つがい“。本能にあらがわないで私を受け入れてー……君は私のものだから“いな”は聞かないよ」

雨花うかほほを優しくでながらも尊大そんだいな口調で告げる。

幾度も幾度も荒ぶる肉杭にくくいで、もはや蜜穴みつあなと化した雨花うかの青いつぼみえぐるように犯す美貌びぼうの貴公子。

ぎしぎしと揺れる寝台に加え、ぬちゅぬちゅと互いの淫汁いんじるが混じり合う恥音ちおうが寝所内に響き渡り、せ返る程の情欲じょうよくの香りが立ち込める。

悦楽えつらくの極みへといざなわれる雨花うか

いつの間にか美貌びぼうの貴公子のたぎ肉杭にくくいをすんなりとくわえ込み、みずからも締め上げる雨花うかがいる。

 「……くっ、ぐっ……ああっ……最高だ!」

絶頂を迎える美貌びぼうの貴公子の肉杭にくくいからは、多量の子種汁がほとばしる。同時に、この世界への住人と足らしめる為の多量の魔力さえも注がれる。

「さすがはいとしい私の“つがい”……高魔力にもかかわらず、平然と受け止めては良く吸収する。素晴らしいうつわだ。いとしい私の“つがい”……良い子だねー……ふふっ、このはらへといっぱい注ごうね」

そして雨花うかはらには、温かな子種汁と高魔力が幾度も注がれ続け、おかげでふくれ上がる雨花うかはらは、余計に美貌びぼうの貴公子の欲情を刺激しそそる。

「ふふっ……この様子なら、すぐにでも私の子をはらみそうだね」


その後。

溺れる程の蜜月みつげつを過ごす「いとしい“つがい”」と呼ばれ続ける雨花うかがいる。






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