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武家屋敷然とした長峰家の門をくぐるのは、いつだって緊張する。たとえ横に八月がいたとしても、だ。
庭に面した廊下を行く。セミの大合唱を聞きながら、僕は庭に咲くひまわりをぼんやりと見つめていた。
「あら東くんいらっしゃい」
「あ……お邪魔してます……」
「いいのよ別にそんなかしこまらなくったって。なにせ八月の貴重な――」
「おい、いくぞ」
割烹着姿がよく似合う、八月に似た美しいおばさん――つまり、八月の母親――は、反抗期丸出しの息子の態度にも動じはしない。
一方の僕はそんな思春期の少年らしい態度を取る八月を見て、彼もまた僕と同じ人間なのだなと妙に感じ入る。
おばさんを前にしているときだけは、僕とふたりきりのときよりさらに等身大の八月がいるようだった。
僕は――正直に言って、八月の家族にはあまり会いたくなかった。
うっとうしく思っているのではなく、僕は八月の家族を恐れているのだ。……より正確には、その態度を恐れている。
朗らかに僕をもてなしてくれるおばさんだって、心の内ではなにを考えているかわからない――と思うのは、さすがに穿ちすぎだとわかっている。
わかっているけれども、心の弱い僕は、おばさんの心の内を妄想して勝手に恐れているのだ。
八月のすぐそばに、宇野ヒナタというオメガが存在することを知ってしまってからは、なおさら。
おばさんはさすがに僕と八月の、口にできない関係を知っているとは思えない。
それでもこんなことをつらつらと考えてしまう僕が、八月にふさわしくない友人であるとみなされないか、常に恐れている。
一流の人間には一流の友人が必要だと思う。それは僕の勝手な考えに違いはなかったが、しかし世間を見回してみてもベータはきっとそういう風に考えている。
すなわち平凡なベータである僕は、八月にふさわしくないと世間は考える。友人としても、恋人としても。……いや、現実には僕は八月の恋人ではないのだけれども。
けれども宇野ヒナタはどうだろう。
彼は瞬く間にクラスメイトたちの関心をかっさらい、好印象を植えつけることに成功している。
あからさまにオメガであるけれども、かと言って卑屈なところがなく、きっといっしょにいて楽しいと感じるような人物。
その印象は八月の中にもあるハズだ。
だって八月は妙に宇野ヒナタの世話を焼いている。
イスを引いてやったり、宇野ヒナタがしゃべりすぎないように気を配っていたり。
たったそれだけの所作を見ても、八月にとって宇野ヒナタが特別な人間であるというのがうかがえる、というものだ。
「しばらく、ヒナタの世話をすることになった」
八月は至極面倒くさそうな顔をして僕にそう告げた。
おばさんがわざわざ出してくれた麦茶の入ったグラスの中で、溶けた氷が音を立てる。
僕は赤いストローを指で所在なくもてあそびながら、「うん」とだけ言えた。
「俺は別にいちいち世話を焼いてやらなくてもいいと思っているんだが、親父たちはそうは思っていないらしい」
「えっと……なんか事件? に巻き込まれたんだっけ? 転校の理由……」
「ああ。まあ、雪宗はわかっていると思うが――」
そこから先、八月は言葉を続けなかった。
思わせぶりに切った言葉の先に待つのは、宇野ヒナタがオメガだという事実なんだろう。
けれども八月は良心として宇野ヒナタの性別をあからさまに暴露しなかったし、良心として僕だけには匂わせるようなことをしたんだろう。
「だから、しばらくは……」
「……うん。わかってる」
八月との肉体的な接触がなくなることに、僕は一抹の不安を覚える。
そして妄想たくましい僕の脳は、瞬く間に八月と宇野ヒナタの「そういう場面」を想像する。
それはおぞましい妄想だった。あらゆる意味で。
けれども現実にそうなる可能性はある、と僕は頭の冷めた部分で思う。
なにせ八月はアルファで、宇野ヒナタは――推測が外れていなければ――オメガなのだから。
そしてアルファはオメガに本能で惹かれるものだし、「つがい」というベータにはない関係を形成することができる。
もし、なにかの拍子に八月と宇野ヒナタがそうなってしまったら、僕はどうするんだろう?
怒る? 泣きわめく? ……あきらめる?
そのどれもが想像できるようで、非現実的な気がした。
けれども、僕は恐らく――八月がハッキリと関係を断ち切りたいと言うまで、「特別な友人」ヅラをするだろう。
我ながら意地が悪いと思う。
きっと僕が聖人だったなら、八月を思って身を引くという行動に出られるんだろう。
けれども僕はまったくもって聖人じゃない。
だからみっともなく八月のそばに居続ける。
居続けてやる。
「しょうがないよね」
僕はまったく毛の先ほどもそう思っていないくせに、物わかりのいい顔をしてそう答えた。
八月の表情はやっぱり読めなかった。ホッとしているようにも見えたし、アテが外れたと思っているようにも見えた。
けれどもそれは僕の邪推ってやつだ。だから、現実には八月がなにを思っているのか、僕にはさっぱりわからない。
僕にできるささやかな反抗は、物わかりのいい人間を演じて、八月の良心をちくちくと痛めつけてやることだけだ。
そうすることしかできない僕は、ひどく浅ましい。
けれどもそうしてまでも、僕は八月のそばにいたかったのだ。
八月は宣言通り宇野ヒナタのそばについて回ることが多くなった。
どこか言動が読めない宇野ヒナタは、しかし本能的にオメガに惹かれるアルファ以外にも人気で、そうなれば彼に不埒な行いをしようとする輩が出てこないとも言い切れない。
実際に宇野ヒナタが先輩のアルファに呼び出されたとかいう噂も、転校一ヶ月でまことしやかに流れてくる始末だ。
そして同時に宇野ヒナタが八月の「つがい」だという噂もささやかれるようになってきた。
それは当然の帰結、というやつなんだろう。
イトコだからって、今まで人嫌いのケがあった八月が、あれやこれやと世話を焼いているのは、周囲の人間には奇異に映る。
現実の八月が親や親戚からの付き合いや頼みごとを断れない人間だったとしても、周囲のイメージの中の彼は、そうではない。
だから当然の帰結として、アルファらしい八月と、オメガらしい宇野ヒナタは「つがい」で、だから八月は宇野ヒナタの世話を焼いているのだ――という噂が生まれたに違いない。
冷静に解体すれば、そういうことなのだ。
けれども僕の心はちくちくと痛みを訴える。
しかしそれは、どうしようもないことだ。
僕はベータであって、オメガではないのだから。
だから僕は八月の「つがい」にはなれない。八月に選ばれるようなことがあっても、「つがい」という強力で特別な関係にはなれない。
「え? 東ってオメガじゃないの?」
あまりに直接的な問いに、僕は思わず眉をひそめた。
それを見て彼――最初に名前を名乗られたけど、もう忘れた――はあわてたように「ごめんごめん」と謝る。
彼と僕は親しくもない。だから、その気安い態度に僕はいら立ちを覚えた。
昼休みに急に別のクラスの名前も知らぬ男子生徒から呼び出されたと思ったら、これだ。
彼は最初に僕のことを「好きだった」とかなんとか言ってきた。しかしハナからその気持ちには応えられないことがわかり切っている僕は、あっさりとその好意の告白を断った。
少しの罪悪感を抱かなかったわけではないけれども、続く言葉で第二の性別を聞いてきたから、そんなささやかな感情もどこかに消えてしまった。
「僕はベータだよ」
「じゃあ、なんで長峰と? やっぱりオメガなんじゃないの?」
彼はスポーツマンらしい体格をしているが、アルファとしての頭脳はお世辞にもいいとは言い難いようだ。
そう、彼は僕がオメガだと思って告白してきたアルファ――のよう、なのだ。
けれども僕は別に八月がアルファだからいっしょにいるんじゃない。
八月という人間が好きだから、いっしょにいるのだ。
けれども今僕の目の前にいる彼は、そうは考えなかったらしい。
八月といっしょにいられないストレスも相まって、僕は彼に八つ当たりをしそうになる。
しかしそれをぐっとこらえて、この場を切り上げるべく、にべもなく彼に別れを告げた。
我ながら、可愛くない人間だ。だから友達らしい友達が、八月以外にいない。
「僕はオメガじゃないし、仮に八月がアルファだからって、いっしょにいるわけでもない。……そういうわけだから。じゃあ」
彼はプライドがそうさせたのか、あるいは僕が思っていたよりも可愛げのない人間だったことに愛想をつかしたのか、追ってはこなかった。
そしてなぜか僕が彼――どうやら球技系クラブのエース選手だったらしい――を振ったという事実が、噂という形で校内を巡り、巡り巡って八月の耳にも届いたらしい。
それから八月の態度が、あからさまに変わった。
庭に面した廊下を行く。セミの大合唱を聞きながら、僕は庭に咲くひまわりをぼんやりと見つめていた。
「あら東くんいらっしゃい」
「あ……お邪魔してます……」
「いいのよ別にそんなかしこまらなくったって。なにせ八月の貴重な――」
「おい、いくぞ」
割烹着姿がよく似合う、八月に似た美しいおばさん――つまり、八月の母親――は、反抗期丸出しの息子の態度にも動じはしない。
一方の僕はそんな思春期の少年らしい態度を取る八月を見て、彼もまた僕と同じ人間なのだなと妙に感じ入る。
おばさんを前にしているときだけは、僕とふたりきりのときよりさらに等身大の八月がいるようだった。
僕は――正直に言って、八月の家族にはあまり会いたくなかった。
うっとうしく思っているのではなく、僕は八月の家族を恐れているのだ。……より正確には、その態度を恐れている。
朗らかに僕をもてなしてくれるおばさんだって、心の内ではなにを考えているかわからない――と思うのは、さすがに穿ちすぎだとわかっている。
わかっているけれども、心の弱い僕は、おばさんの心の内を妄想して勝手に恐れているのだ。
八月のすぐそばに、宇野ヒナタというオメガが存在することを知ってしまってからは、なおさら。
おばさんはさすがに僕と八月の、口にできない関係を知っているとは思えない。
それでもこんなことをつらつらと考えてしまう僕が、八月にふさわしくない友人であるとみなされないか、常に恐れている。
一流の人間には一流の友人が必要だと思う。それは僕の勝手な考えに違いはなかったが、しかし世間を見回してみてもベータはきっとそういう風に考えている。
すなわち平凡なベータである僕は、八月にふさわしくないと世間は考える。友人としても、恋人としても。……いや、現実には僕は八月の恋人ではないのだけれども。
けれども宇野ヒナタはどうだろう。
彼は瞬く間にクラスメイトたちの関心をかっさらい、好印象を植えつけることに成功している。
あからさまにオメガであるけれども、かと言って卑屈なところがなく、きっといっしょにいて楽しいと感じるような人物。
その印象は八月の中にもあるハズだ。
だって八月は妙に宇野ヒナタの世話を焼いている。
イスを引いてやったり、宇野ヒナタがしゃべりすぎないように気を配っていたり。
たったそれだけの所作を見ても、八月にとって宇野ヒナタが特別な人間であるというのがうかがえる、というものだ。
「しばらく、ヒナタの世話をすることになった」
八月は至極面倒くさそうな顔をして僕にそう告げた。
おばさんがわざわざ出してくれた麦茶の入ったグラスの中で、溶けた氷が音を立てる。
僕は赤いストローを指で所在なくもてあそびながら、「うん」とだけ言えた。
「俺は別にいちいち世話を焼いてやらなくてもいいと思っているんだが、親父たちはそうは思っていないらしい」
「えっと……なんか事件? に巻き込まれたんだっけ? 転校の理由……」
「ああ。まあ、雪宗はわかっていると思うが――」
そこから先、八月は言葉を続けなかった。
思わせぶりに切った言葉の先に待つのは、宇野ヒナタがオメガだという事実なんだろう。
けれども八月は良心として宇野ヒナタの性別をあからさまに暴露しなかったし、良心として僕だけには匂わせるようなことをしたんだろう。
「だから、しばらくは……」
「……うん。わかってる」
八月との肉体的な接触がなくなることに、僕は一抹の不安を覚える。
そして妄想たくましい僕の脳は、瞬く間に八月と宇野ヒナタの「そういう場面」を想像する。
それはおぞましい妄想だった。あらゆる意味で。
けれども現実にそうなる可能性はある、と僕は頭の冷めた部分で思う。
なにせ八月はアルファで、宇野ヒナタは――推測が外れていなければ――オメガなのだから。
そしてアルファはオメガに本能で惹かれるものだし、「つがい」というベータにはない関係を形成することができる。
もし、なにかの拍子に八月と宇野ヒナタがそうなってしまったら、僕はどうするんだろう?
怒る? 泣きわめく? ……あきらめる?
そのどれもが想像できるようで、非現実的な気がした。
けれども、僕は恐らく――八月がハッキリと関係を断ち切りたいと言うまで、「特別な友人」ヅラをするだろう。
我ながら意地が悪いと思う。
きっと僕が聖人だったなら、八月を思って身を引くという行動に出られるんだろう。
けれども僕はまったくもって聖人じゃない。
だからみっともなく八月のそばに居続ける。
居続けてやる。
「しょうがないよね」
僕はまったく毛の先ほどもそう思っていないくせに、物わかりのいい顔をしてそう答えた。
八月の表情はやっぱり読めなかった。ホッとしているようにも見えたし、アテが外れたと思っているようにも見えた。
けれどもそれは僕の邪推ってやつだ。だから、現実には八月がなにを思っているのか、僕にはさっぱりわからない。
僕にできるささやかな反抗は、物わかりのいい人間を演じて、八月の良心をちくちくと痛めつけてやることだけだ。
そうすることしかできない僕は、ひどく浅ましい。
けれどもそうしてまでも、僕は八月のそばにいたかったのだ。
八月は宣言通り宇野ヒナタのそばについて回ることが多くなった。
どこか言動が読めない宇野ヒナタは、しかし本能的にオメガに惹かれるアルファ以外にも人気で、そうなれば彼に不埒な行いをしようとする輩が出てこないとも言い切れない。
実際に宇野ヒナタが先輩のアルファに呼び出されたとかいう噂も、転校一ヶ月でまことしやかに流れてくる始末だ。
そして同時に宇野ヒナタが八月の「つがい」だという噂もささやかれるようになってきた。
それは当然の帰結、というやつなんだろう。
イトコだからって、今まで人嫌いのケがあった八月が、あれやこれやと世話を焼いているのは、周囲の人間には奇異に映る。
現実の八月が親や親戚からの付き合いや頼みごとを断れない人間だったとしても、周囲のイメージの中の彼は、そうではない。
だから当然の帰結として、アルファらしい八月と、オメガらしい宇野ヒナタは「つがい」で、だから八月は宇野ヒナタの世話を焼いているのだ――という噂が生まれたに違いない。
冷静に解体すれば、そういうことなのだ。
けれども僕の心はちくちくと痛みを訴える。
しかしそれは、どうしようもないことだ。
僕はベータであって、オメガではないのだから。
だから僕は八月の「つがい」にはなれない。八月に選ばれるようなことがあっても、「つがい」という強力で特別な関係にはなれない。
「え? 東ってオメガじゃないの?」
あまりに直接的な問いに、僕は思わず眉をひそめた。
それを見て彼――最初に名前を名乗られたけど、もう忘れた――はあわてたように「ごめんごめん」と謝る。
彼と僕は親しくもない。だから、その気安い態度に僕はいら立ちを覚えた。
昼休みに急に別のクラスの名前も知らぬ男子生徒から呼び出されたと思ったら、これだ。
彼は最初に僕のことを「好きだった」とかなんとか言ってきた。しかしハナからその気持ちには応えられないことがわかり切っている僕は、あっさりとその好意の告白を断った。
少しの罪悪感を抱かなかったわけではないけれども、続く言葉で第二の性別を聞いてきたから、そんなささやかな感情もどこかに消えてしまった。
「僕はベータだよ」
「じゃあ、なんで長峰と? やっぱりオメガなんじゃないの?」
彼はスポーツマンらしい体格をしているが、アルファとしての頭脳はお世辞にもいいとは言い難いようだ。
そう、彼は僕がオメガだと思って告白してきたアルファ――のよう、なのだ。
けれども僕は別に八月がアルファだからいっしょにいるんじゃない。
八月という人間が好きだから、いっしょにいるのだ。
けれども今僕の目の前にいる彼は、そうは考えなかったらしい。
八月といっしょにいられないストレスも相まって、僕は彼に八つ当たりをしそうになる。
しかしそれをぐっとこらえて、この場を切り上げるべく、にべもなく彼に別れを告げた。
我ながら、可愛くない人間だ。だから友達らしい友達が、八月以外にいない。
「僕はオメガじゃないし、仮に八月がアルファだからって、いっしょにいるわけでもない。……そういうわけだから。じゃあ」
彼はプライドがそうさせたのか、あるいは僕が思っていたよりも可愛げのない人間だったことに愛想をつかしたのか、追ってはこなかった。
そしてなぜか僕が彼――どうやら球技系クラブのエース選手だったらしい――を振ったという事実が、噂という形で校内を巡り、巡り巡って八月の耳にも届いたらしい。
それから八月の態度が、あからさまに変わった。
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