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前編
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ルナリィは激怒した。必ず、かの淫乱尻軽の女を除かなければならぬと決意した。ルナリィにはかの女のことなどわからぬ。ルナリィは、オオカミの獣人である。いずれつがいになると信じていた彼氏と、仲睦まじく暮らしてきた。ゆえに彼氏が他の女から秋波を送られることに対しては――メンツにかかわることなので――人一倍に敏感であった。
……オオカミ獣人らしいしなやかな脚力を駆使して、しかし走らず早足でルナリィは白百合寮へと向かう。
ルナリィは見た目は実年齢より上に見られがちな、婀娜っぽい容姿をしているが、中身は歳相応の素直さを持つ優等生であった。そんな優等生はバタバタと騒がしく学校の敷地内を走ったりはしないのだ。ゆえにルナリィは長いコンパスを思い切り伸ばした大股で白百合寮へと向かっていた。
ルナリィが所属する黒薔薇寮からは離れた場所にある白百合寮へ向かう理由はただひとつ。白百合寮にはあの女――ディスティニーがいる。ルナリィの恋人であるシルバーの、近頃の「お気に入り」だという噂のある、その女が。
シルバーとルナリィは幼馴染という間柄だった。しかし今は恋人同士。未だつがいの誓いは交わしてはいないものの、いずれはそうなるだろうとルナリィは勝手に思っていた。そんな思い込みに冷や水をぶっ掛けたのがディスティニーなる女の存在である。
シルバーは美しいオオカミの獣人だ。名前の通りの白銀の艶やかな毛並みを持つシルバーに対して、ルナリィはドライな感情しか抱いていない。よく勘違いされるが、ルナリィはシルバーを情熱的に愛しているわけではなかった。
しかしふたりは恋人という間柄なのだ。いずれは正式な夫婦となる間柄なのだ。ふたりを結び付けているのは恋情よりも信頼が大きかったが、世間一般の目からすればふたりは恋人同士という関係である。
それがルナリィにとっては非常に重要であった。獣人はメンツというものを非常に気にする。
だから、ルナリィは世間一般の目から恋人として見られているシルバーが、他の女にうつつを抜かしているという状況は耐えがたかった。早い話がプライドに傷がついたのだ。
ルナリィにとってシルバーは狂おしく愛しい相手ではない。ではないが、彼が他の女に心奪われているという状況は彼女にとって非常に、非常に、許しがたい状況なのだ。
しかしルナリィとて理性のある獣である。シルバーが一方的に女を気にかけているのならば、彼本人に苦情を申し立てるだろう。
しかしだ。しかし、実際はその女――ディスティニーからシルバーに話しかけたのが始まりだと言うではないか。おまけにシルバーから「お気に入り」扱いされていて、ディスティニーはまんざらでもない態度を取っているという。
おまけにおまけに、ディスティニーはシルバーだけでは飽き足らず、他の男にまでコナをかけて回っていると言う。それが事実であればとんだ淫乱尻軽の女である。
よってルナリィは激怒した。ディスティニーを問い質してことの次第を見極めねばならないと思った。
――己が目で直接見ねば、この怒りは収まりそうもない――。
ルナリィはそういうわけで足早にディスティニーが所属する白百合寮へと向かっているのであった。つまりは殴り込みであるが、ルナリィはこれでも優等生なのでそう直接的に不穏当なことをするつもりはない。そう、直接的には。
ディスティニーはルナリィとシルバーの一年後輩にあたる。ディスティニーがどんな女かは知れないが、先輩から物申されて萎縮しないようなふてぶてしい人間であれば――そのときは、そのとき。それ相応の処置は取るつもりである。
これは、プライドを賭けた戦いなのだ。ディスティニーが度胸のない腑抜けであれば話は早いが、それはそれでそんな女に一時でもシルバーの心を奪われたとなれば業腹である。乙女心とはかくも身勝手なものであった。
白百合寮へと無事たどり着いた――たどり着いてしまった――ルナリィは、まずクラスメイトのレテを見つけて声をかける。
レテは白百合寮に顔を出したルナリィを見て苦笑をこぼす。彼女には、ルナリィの用向きがすぐにわかったのだろう。ディスティニーの噂は学園のほとんどの人間が知るところなのだ。ルナリィは自然、苦虫を噛み潰したような顔を作ってしまう。
「その顔、まるで狩りに出かける前のようね」
「場合によっては『そう』なるわ」
「やめてよ。私の所属寮で事件だなんて」
「事件はね、表沙汰にならなければ事件とは呼ばれないのよ」
「おお、こわ」……レテはそう言っていかにも恐ろしげに肩をすくめた。芝居がかった態度だが、彼女にはルナリィを止めるつもりはないらしい。
頼り甲斐のない先輩を持ったディスティニーとやらに、ルナリィは少しだけ同情したが、そもそも彼女が憤怒に駆られなければ恐ろしい状況は引き起こされないのだ、という意識が欠落している。
多少の同情心を抱いたとてルナリィにとって、ディスティニーがどうでもいい存在だという事実は変わらない。レテがそうであるように。
「私が引き入れたことは秘密にしてよ?」
「天地神明に誓って言わないわ」
「そこまで大げさじゃなくていいんだけれど……ハア。……彼女は二階に上がって左手一番奥の部屋。ちょうど数が合わなくて一年生だけど一人部屋になってるから」
「ありがとう」
一人部屋とは都合がいい。ルナリィはオオカミの耳をピクピクと動かし、舌なめずりでもしそうな表情を作る。それを見たレテはまた仕方がないとでも言うように肩をすくめて去って行った。
白百合寮の談話室を通り過ぎて奥にある階段を上がる。白百合寮は女子寮なので、ここにはディスティニーがコナをかけて回っている男子生徒は一歩も足を踏み入れられない。もちろん、シルバーもだ。
つまりは仮にずいぶんな美少女だと聞くディスティニーを、信奉する男子生徒が存在していたとしても、彼らは騎士のごとく助けには入れないということであった。
シルバーはひどくのんびりとした性格であるから、恐らく「お気に入り」が危機に瀕していても助けには入らないだろうが……いつだって物事には例外というものがある。いずれにせよ彼はこの白百合寮にやってくることはあれど、進入することは土台無理な話である。
ルナリィはまた舌なめずりでもしそうな顔で一歩一歩、着実に古びた木製の階段を上がって行く。
寮生は思い思いに放課を過ごしているので、寮内には人は少なくすれ違う人間もいないほどだった。
ますます都合がいい。これならばゆっくりとディスティニーなる女と「お話」できるだろう――。ルナリィは目を爛々と輝かせて二階左手一番奥にあるこれまた古びた扉を控えめに叩いた。
「はーい」
鈴を転がしたような可憐な――しかし今のルナリィには耳障りな――声が扉越しにくぐもって聞こえる。
返事は入室の許可と同義とみなし、ルナリィは思い切って金属製のひんやりとしたノブに手をかける。ルナリィの手のひらは、意外にもじっとりとかすかに汗をかいていた。
初手が重要、先手必勝とばかりにルナリィは勢いよく扉を開ける。キィイイーッ! っと古ぼけた蝶つがいが悲鳴を上げる。それにおどろいたのか、部屋の奥の勉強机に向かっていた背がルナリィを振り返った。夕日を浴びた小麦畑のようなウェービーロングがふわりと揺れる。
次の瞬間、口を開いた甘い香りがルナリィの鼻腔いっぱいに広がり――そして脳を直撃し、揺さぶった。
……オオカミ獣人らしいしなやかな脚力を駆使して、しかし走らず早足でルナリィは白百合寮へと向かう。
ルナリィは見た目は実年齢より上に見られがちな、婀娜っぽい容姿をしているが、中身は歳相応の素直さを持つ優等生であった。そんな優等生はバタバタと騒がしく学校の敷地内を走ったりはしないのだ。ゆえにルナリィは長いコンパスを思い切り伸ばした大股で白百合寮へと向かっていた。
ルナリィが所属する黒薔薇寮からは離れた場所にある白百合寮へ向かう理由はただひとつ。白百合寮にはあの女――ディスティニーがいる。ルナリィの恋人であるシルバーの、近頃の「お気に入り」だという噂のある、その女が。
シルバーとルナリィは幼馴染という間柄だった。しかし今は恋人同士。未だつがいの誓いは交わしてはいないものの、いずれはそうなるだろうとルナリィは勝手に思っていた。そんな思い込みに冷や水をぶっ掛けたのがディスティニーなる女の存在である。
シルバーは美しいオオカミの獣人だ。名前の通りの白銀の艶やかな毛並みを持つシルバーに対して、ルナリィはドライな感情しか抱いていない。よく勘違いされるが、ルナリィはシルバーを情熱的に愛しているわけではなかった。
しかしふたりは恋人という間柄なのだ。いずれは正式な夫婦となる間柄なのだ。ふたりを結び付けているのは恋情よりも信頼が大きかったが、世間一般の目からすればふたりは恋人同士という関係である。
それがルナリィにとっては非常に重要であった。獣人はメンツというものを非常に気にする。
だから、ルナリィは世間一般の目から恋人として見られているシルバーが、他の女にうつつを抜かしているという状況は耐えがたかった。早い話がプライドに傷がついたのだ。
ルナリィにとってシルバーは狂おしく愛しい相手ではない。ではないが、彼が他の女に心奪われているという状況は彼女にとって非常に、非常に、許しがたい状況なのだ。
しかしルナリィとて理性のある獣である。シルバーが一方的に女を気にかけているのならば、彼本人に苦情を申し立てるだろう。
しかしだ。しかし、実際はその女――ディスティニーからシルバーに話しかけたのが始まりだと言うではないか。おまけにシルバーから「お気に入り」扱いされていて、ディスティニーはまんざらでもない態度を取っているという。
おまけにおまけに、ディスティニーはシルバーだけでは飽き足らず、他の男にまでコナをかけて回っていると言う。それが事実であればとんだ淫乱尻軽の女である。
よってルナリィは激怒した。ディスティニーを問い質してことの次第を見極めねばならないと思った。
――己が目で直接見ねば、この怒りは収まりそうもない――。
ルナリィはそういうわけで足早にディスティニーが所属する白百合寮へと向かっているのであった。つまりは殴り込みであるが、ルナリィはこれでも優等生なのでそう直接的に不穏当なことをするつもりはない。そう、直接的には。
ディスティニーはルナリィとシルバーの一年後輩にあたる。ディスティニーがどんな女かは知れないが、先輩から物申されて萎縮しないようなふてぶてしい人間であれば――そのときは、そのとき。それ相応の処置は取るつもりである。
これは、プライドを賭けた戦いなのだ。ディスティニーが度胸のない腑抜けであれば話は早いが、それはそれでそんな女に一時でもシルバーの心を奪われたとなれば業腹である。乙女心とはかくも身勝手なものであった。
白百合寮へと無事たどり着いた――たどり着いてしまった――ルナリィは、まずクラスメイトのレテを見つけて声をかける。
レテは白百合寮に顔を出したルナリィを見て苦笑をこぼす。彼女には、ルナリィの用向きがすぐにわかったのだろう。ディスティニーの噂は学園のほとんどの人間が知るところなのだ。ルナリィは自然、苦虫を噛み潰したような顔を作ってしまう。
「その顔、まるで狩りに出かける前のようね」
「場合によっては『そう』なるわ」
「やめてよ。私の所属寮で事件だなんて」
「事件はね、表沙汰にならなければ事件とは呼ばれないのよ」
「おお、こわ」……レテはそう言っていかにも恐ろしげに肩をすくめた。芝居がかった態度だが、彼女にはルナリィを止めるつもりはないらしい。
頼り甲斐のない先輩を持ったディスティニーとやらに、ルナリィは少しだけ同情したが、そもそも彼女が憤怒に駆られなければ恐ろしい状況は引き起こされないのだ、という意識が欠落している。
多少の同情心を抱いたとてルナリィにとって、ディスティニーがどうでもいい存在だという事実は変わらない。レテがそうであるように。
「私が引き入れたことは秘密にしてよ?」
「天地神明に誓って言わないわ」
「そこまで大げさじゃなくていいんだけれど……ハア。……彼女は二階に上がって左手一番奥の部屋。ちょうど数が合わなくて一年生だけど一人部屋になってるから」
「ありがとう」
一人部屋とは都合がいい。ルナリィはオオカミの耳をピクピクと動かし、舌なめずりでもしそうな表情を作る。それを見たレテはまた仕方がないとでも言うように肩をすくめて去って行った。
白百合寮の談話室を通り過ぎて奥にある階段を上がる。白百合寮は女子寮なので、ここにはディスティニーがコナをかけて回っている男子生徒は一歩も足を踏み入れられない。もちろん、シルバーもだ。
つまりは仮にずいぶんな美少女だと聞くディスティニーを、信奉する男子生徒が存在していたとしても、彼らは騎士のごとく助けには入れないということであった。
シルバーはひどくのんびりとした性格であるから、恐らく「お気に入り」が危機に瀕していても助けには入らないだろうが……いつだって物事には例外というものがある。いずれにせよ彼はこの白百合寮にやってくることはあれど、進入することは土台無理な話である。
ルナリィはまた舌なめずりでもしそうな顔で一歩一歩、着実に古びた木製の階段を上がって行く。
寮生は思い思いに放課を過ごしているので、寮内には人は少なくすれ違う人間もいないほどだった。
ますます都合がいい。これならばゆっくりとディスティニーなる女と「お話」できるだろう――。ルナリィは目を爛々と輝かせて二階左手一番奥にあるこれまた古びた扉を控えめに叩いた。
「はーい」
鈴を転がしたような可憐な――しかし今のルナリィには耳障りな――声が扉越しにくぐもって聞こえる。
返事は入室の許可と同義とみなし、ルナリィは思い切って金属製のひんやりとしたノブに手をかける。ルナリィの手のひらは、意外にもじっとりとかすかに汗をかいていた。
初手が重要、先手必勝とばかりにルナリィは勢いよく扉を開ける。キィイイーッ! っと古ぼけた蝶つがいが悲鳴を上げる。それにおどろいたのか、部屋の奥の勉強机に向かっていた背がルナリィを振り返った。夕日を浴びた小麦畑のようなウェービーロングがふわりと揺れる。
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