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5話
しおりを挟む拓海の身体は自分の手が与える快感に身悶えながらも、その合間合間でふと思い出したように祥の身体へ触れていく。首筋へ音を立てながら口付けてみたり、制服のシャツを引き出しその隙間から引き締まった腹筋に触れたり、本人から止められないのを良い事に祥の身体を思う存分堪能していた。
「はぁ……♡ ん、ちゅ…っ、ん……っ」
「あは、くすぐったいよー」
拓海の身体は少しずつ口付けの位置を下げていき、とうとう祥の局部へと辿り着く。涼しい顔をしているが、祥のそこも充分に兆しを見せていて、力強く脈打っていた。その事に気付いた拓海の身体は、ごくり、と喉を鳴らすと、慌てたように祥のベルトを外し始める。
「……へぇ、そんな事もしてくれるんだ?」
ベルトを外し、スラックスのチャックを広げ解放した祥の肉棒は、これまで弄っていた拓海自身のそれとはまるで別物かのように、大きく、太かった。まだ完全に勃ち上がってはいないだろうに、ずっしりと重たげに膨らみ、存在感を発するモノから目を離すことが出来ない。拓海の身体は、その強烈なフェロモンに引き寄せられるように徐々に顔を近づけ、遂にはその口で愛撫を始めた。
(もう、もう、止めてくれ~~~~)
じゅぶじゅぶと唾液をまぶし、舐めしゃぶりながら、両手を使って祥の男根を育てた。自分の与える刺激でより固く、そして大きく膨らみを増していくことに恍惚とした表情を見せながら奉仕を続ける。
何でこんなことになってしまったのか。
どうして俺は、幼馴染のちんこを美味そうにしゃぶる自分の姿を眺めているのか。
泣きそうだ、というより、もう心の中では泣いていた。
「ん~~コレはこれで良いんだけど、あまり度が過ぎるとフィクション感が……」
「…んぅ……?」
「こっちの話だよ。随分上手だけど、まさか他の男で練習したりしてないよね?」
自身の唾液と、肉棒の出した先走りで口元を濡らした拓海の身体を起こしながら、祥が意地悪く問いかけた。
(んなこと、するかぁぁぁ!!!)
全力で拓海は否定をしたし、なんならそんなふざけた質問をしてくる馬鹿野郎を殴りつけてやりたかったが、未だに自分の身体は自由には動かせない。まさかこれも頷いたりしないよな?と恐る恐る様子を確かめると、流石にそれは首を横に振ってくれた。
(よ、良かった……)
「じゃあ俺のだからそんな美味しそうに食べてくれるんだ」
何を思ったか、過大解釈をした祥は嬉しそうに拓海の頭を撫でる。
「拓海、こっちにおいで。乳首弄ってあげる」
(あげるってなんだ! んなこと、お願いしてねぇよ!)
まるでご褒美かのようにとんでもない事を言い出す祥に、拓海は爆発寸前だった。
しかしそう思っているのは追い出された本体のみで、拓海の身体はその言葉を聞くなり急いで服を脱ぎ始め、曝け出した上半身を祥の面前へと嬉々として差し出すのだった。
(俺のバカーー! 身体のバカーーー!)
「あっ♡ あんっ♡」
「気持ちいい? いつも偶然の振りしてちょっと触るだけでも、身体飛び跳ねちゃうもんね」
(あれも、わざとかよ……ッ)
思わぬところで余罪が見つかった。
拓海の乳首は青年のモノらしく、普段は慎ましやかに存在している。ぷちりとした中心と薄桃色の乳輪を、祥はまるで好物を味わっているかのようにじっくりと堪能した。舌を使って舐めしゃぶり、時には軽く歯を立ててみたり、指で弾いてみたりと好き勝手に弄くり回す。
「ぁうッ♡ ん~~~~~♡♡」
「拓海のちんこ、びしょびしょだ。すごい」
拓海の身体は、まるで乳首に与えられる快感を逃がすかのように、先走りでぐちゃぐちゃになった陰茎を祥の鍛えられた腹部へ押し付けて身悶える。全身を使って発情を隠しもしない拓海の姿に、祥の目もだんだんと余裕をなくしていく。初めて見る雄の表情をした幼なじみの姿に、拓海はどきりと胸が高鳴った。
(俺を見て……そんな顔をしているのか……?)
当たり前だけど、第三者の目線で、自分たちのことを眺める経験なんてしたことがない。
祥が拓海の身体へと触れる仕草やその視線があまりにも優しくて、蕩けそうで、胸焼けがしてしまいそうなほどだった。
「触って欲しい? それとも、こっちに入れて欲しいのかな」
(こ、こっちって……そんな所、嘘だろ?!)
そう言いながら、祥の男にしては細く綺麗な指は、拓海の臀部を開き、その後孔へ触れていた。
思いもよらない場所を弄り出したことで、拓海の意識は血の気が引く。自分だって性欲旺盛な男子高校生なのだ。仲間との猥談の中で、男同士の性交がどのように行われるのかも、尻の穴でも気持ちよくなってしまう場所がある事も、知識としては知っていた。知ってはいても、それが自分自身の身に起こり得るとは一切思っていなかったわけで。
いつまでも本体の気持ちを無視し続ける拓海の身体は、祥の提案に承諾するように、こくんと一つ頷いた。
「準備、しよっか」
(やめ…やめてくれぇぇぇ……!)
祥はどこからか出したローションを自身の手に拡げ、しとどに濡れた指を、拓海の後孔へと少しずつ含ませていく。
「ぁぁん♡ んっ、ん~~……♡ はぅん♡」
含まれる指が増える毎に、拓海の口から漏れ出る嬌声は激しさを増していく。
聴き慣れた自分の声で紡がれるその音を拾いながら、どうしようもならない状態に途方にくれつつも、少しずつ胸へと広がる言い様のない苦しい気持ちに、拓海は今度こそ本当に涙を零していた。
(…な、なんでこんな事に……―――)
「うん、そろそろ良いかな。拓海、上に乗る?」
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