「聞いた聞いた？？ お前なんて産まれてこなければ良かった！と言われ続けた無能な非行少年！？ 実は、神の末裔の生まれ変わりだったんだって！？」

7話

### 第7話：予感と新たな脅威

蓮と翼の訓練は順調に進んでいた。老人からの教えを受けながら、彼らはお互いの力を引き出し合い、成長していた。二人の絆はますます強くなり、共に過ごす時間が増えるごとに、その力もまた増大していった。

しかし、ある夜、蓮は奇妙な夢を見た。暗い森の中で一人彷徨う蓮の前に、巨大な蛇が現れた。蛇は冷たい目で蓮を見つめ、不気味な声で囁いた。「お前の力はまだ未熟だ。真の敵が現れる前に、その力を試してみろ。」

蓮は目を覚まし、汗びっしょりになっていた。「あれは一体…」不安と疑問が胸に渦巻いた。

翌日、蓮は学校で翼にその夢の話をした。「巨大な蛇が現れて、僕の力を試せって言ったんだ。」

翼は眉をひそめ、「それはただの夢じゃない気がするな。何かの予兆かもしれない。」と言った。

その日の放課後、二人は神社に向かい、老人に夢のことを相談した。老人は黙って蓮の話を聞き、深く頷いた。「それは神々からの警告かもしれない。真の敵が近づいているのだろう。」

老人の言葉に蓮と翼は緊張感を覚えた。「では、どうすればいいんですか？」蓮が尋ねると、老人は静かに答えた。「さらに力を磨くしかない。そして、新たな仲間を見つけるのだ。」

その日から、蓮と翼はより一層厳しい訓練を続けながら、新たな仲間を探すことを決意した。彼らは学校内や町中で特別な力を持つ者を見つけるため、注意深く周囲を観察し始めた。

数日後、蓮と翼は学校の帰り道で、異様な光景に遭遇した。公園の一角で、不良たちに囲まれている少女を見つけたのだ。少女は怯えた様子だったが、その目には決して諦めない強い意志が宿っていた。

「助けに行こう。」蓮が即座に言い、翼も同意した。二人は不良たちに向かって駆け寄り、「やめろ！」と叫んだ。

不良たちは驚き、蓮と翼に向かって反撃しようとしたが、翼が炎を手のひらに灯し、「今すぐ立ち去れ！」と威嚇すると、不良たちは驚いて逃げ出した。

少女は感謝の言葉を述べ、「ありがとう。私の名前は藤崎彩（ふじさき あや）。君たちは…？」と尋ねた。

蓮は微笑んで答えた。「僕は楠本蓮、こっちは篠原翼。大丈夫かい？」

彩は頷き、「ええ、本当にありがとう。君たちも特別な力を持っているのね。」と答えた。

翼は驚いて、「どうしてそれを？」と尋ねると、彩は微笑みながら手のひらを差し出した。すると、そこから緑色の光が溢れ出し、彼女の周囲の植物が一瞬で花を咲かせた。

「私は植物の力を操ることができるの。」彩は言った。

蓮と翼は目を見開いた。「君も特別な力を持つ者なんだな。僕たちと一緒に来てくれないか？」蓮が提案すると、彩は少し考えてから頷いた。「もちろん。私も力を持っているけど、どう使えばいいのか分からなかったの。君たちと一緒に訓練を受けたい。」

こうして、新たな仲間が加わった。彩の力は蓮と翼の力と異なり、自然との調和を象徴するものであった。彼女の力を加えたことで、三人のチームはさらに強力になり、互いの力を補完し合うことができた。

老人は新たな仲間を迎え入れ、満足そうに頷いた。「これで一歩前進だ。君たちの力を合わせ、さらなる試練に備えるのだ。」

蓮、翼、そして彩は決意を新たにし、共に訓練を続けることを誓った。彼らの前にはまだ多くの困難が待ち受けているが、仲間の存在が彼らに大きな勇気と希望をもたらしていた。

夜が更け、蓮はベッドに横たわりながら、彩と出会えたことに感謝し、心の中で誓った。「必ず強くなって、仲間と共にこの試練を乗り越える。」

こうして、蓮たちの冒険は新たな段階に入り、未知の敵に立ち向かうための準備が進んでいった。彼らの旅はまだ始まったばかりであり、これからも多くの試練と出会いが待ち受けている。しかし、仲間との絆と共に、蓮は未来に向かって強く歩み続ける決意を新たにした。