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35 夜会⑥★〈ニコラスsaid〉

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 私はここがどこなのか、今どういう状況なのか、頭では分かっているのに自分を抑えることができなかった。

 戸惑っているレティシアの割れ目に、過去最大に勃起ぼっきした陰茎を押し当て、その膣内に滑り込ませた。

 薬の影響か、これほど大きくなった記憶はないソレが、レティシアの弾力ある膣道を押し広げていく。

 温かく湿った蜜壺が石のように硬いモノを受け入れ、優しく全体を包み込む。

 膣圧に押し戻されそうになっていた場所を抜けると、その先は真逆に逃すまいと吸い付いて引き込んでくる。

 全部が収まればソレはもう形を覚えているようで、 私専用の穴としか思えないフィット感だった。

 それでいてヒダやザラつき、凸凹などたくさんの刺激を与える場所が潜んでいて、少し動かしただけでも快感を与えて来るから油断ならない。

 挿入れているだけでこれほど気持ちが良いとは。



 なんという凶悪な体なんだ……。


 
 私は堪らず、ゆるゆると腰を動かした。

 狭い場所なので大して動けるスペースはない。

 それでもこのまま動かないでいることはできなかった。

 この心地よい膣内に──いや、その先のはらの中に、思い切り子種こだねをぶち撒けたい気持ちに支配されていた。

 私は本能の赴くままカクカクと腰を振り続け、レティシアの乳房を揉みしだいた。



「ん……んん……ふっ……あ……」



 我慢しているようですが、触るたび、声が漏れるたび、あなたのいやらしい膣内なかが反応して、物欲しげに締め付けて来るのですよ。



 魔香まこうのせいか、今すぐにでも出せそうに思えるのに、実際にはもっと刺激を欲しがってビクビク震えている。

 このままではマズいと、良いところを探して突く。

 静かな空間に馬車の軋む音が響き、これは早く終わらせないと、外から見たら中で何がおこなわれているのか、これではすぐに分かってしまう。

 私は無理矢理腰を動かして、できる限り早く快楽を得ようとした。



「あぁ……ダメ……」



 快楽に弱いレティシアのこと、今日の私のモノは相当に気持ちが良いらしい。

 必死に声を漏らすまいと耐えているのに、その努力は報われないようだ。

 悩ましい吐息や小さな呻きが聞こえてきて、その度に肉棒にやる気を出させてしまっているのだから。



「イッちゃう……んん!」



 レティシアがまた先に達してしまった。

 無数のヒダがうごめき、小刻みに収縮を繰り返して締め付けてくる。

 これは堪らない。

 耐えるなんて無理だ……。

 今は獣のように、出したい時に射精してしまおう。

 私は迫り来る快楽の波が来る前に、レティシアの最奥へおのれの肉棒を深々と突き入れ固定した。



「……くっ!」



 ドクッ、ドクッ、ドクッ、ドク……ドク……。



 レティシアの尻に腰をグッと押し付け、そのまま果てた。

 絶頂感の残りが背筋を震わせ止まらない。

 私はそれに耐えながらレティシアをしっかりと抱き締める。

 最後の一滴まで彼女のはらに注ぎ込み、私は達成感に酔いしれた。

 心音がバクバクと音を立て、荒い息遣いが静かな馬車内でヤケに大きく聞こえる。



 ぐぽっ……。

「んっ……あ……」



 私はそっとレティシアからモノを抜いた。

 その刺激もまた彼女にとっては快感なんだそうだ。

 大量に出したせいか、一時的に意識が鮮明になっている。

 この貴重な時間を使って、ここから逃げ出す算段を整える必要がある。

 私は慎重に座面を押し上げ、馬車の中に出る。

 御者が灯りを消してくれたおかげで、注意して行動すれば周囲から気付かれにくいだろう。



「レティシア、こちらへ」

「はい……」



 私は自分とレティシアの身支度を整え、外の様子を伺う。

 騎士たちは私を探すほうに回されているようで、詰め所の脇だというのに誰もいない。

 見えるのは私たちに巻き込まれたのか、数台の馬車とその御者たちで、彼らはひと固まりにに集まって話し込んでいるようだ。

 これなら多少動いても見つからないと思うが、レティシアのドレスは目立ち過ぎる。



 これはどうしたものか?



 やはりもう少し様子を見るほうが良いと思うが、魔香まこうのことがある。

 今は『賢者の時間』で何とかなっているが、いつまた発情状態になるか分からない以上、急がなければとも思う。



「ニコラスは大丈夫なの?」

「えぇ。レティシアのお陰で今のところは……」



 今さっき私に酷い扱いをされたのに、怒るでもなく嫌悪するでもなく、ただ私を案ずる視線が痛い。



「あの、それじゃあニコラスは先に逃げて?」

「はい?」

「だって、私はこんな目立つ恰好だもの。でも、ニコラスだけならここから抜け出せるのじゃない?」



 驚きすぎてすぐには言葉が出なかった。

 全くこの人は……。

 私がレティシアを置いていくだなんて、できるわけがないのに。

 でも彼女はそんな私の心の内を知るわけがない。



「バカな事は言わないでください。あなたを逃すことはあっても、私だけ逃げるだなんてありえません」

「えっ……でも……」

「このまま逃げても見つかる確率が高いので、ここは大人しくジャスティンの合図を待ちましょう」

「合図って?」

「見ていれば分かりますよ」



 そう言われて私は、床に直接座ったニコラスの上に抱き抱えられ、謎の合図を待つべく耳を済ますのだった。

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