17 / 39
17 初夜の間①☆
しおりを挟む
初夜の間は記憶していたより明るくて、良くよく見れば間接照明が数多く配置されている。
部屋の大部分を占めるベッドは、カーテン越しとは思えないほど中が丸見えで……。
これでは真昼の室内より鮮明に見えてしまう。
恥ずかしい……。
例え、高齢の神官様と言っても男性で、しかも結婚だって禁止されていない普通の人だ。
人より少し制約が多いだけで、高位神官様の中には第二夫人や第三夫人がいらっしゃる方も多いと聞いている。
そんな見も知らぬ男性──それも複数の人に情事を見られると思うと、胸の奥がムカムカして今すぐにここから逃げてしまいたい気持ちになってしまう。
「レティシア。大丈夫ですか?」
「少し、緊張してるだけだから……」
蒼白になった私を気遣うようにニコラスから声をかけられ、慌てて返事を返した。
「もう行きましょう」
その言葉はただの合図。
ニコラスは返事を待つことなく私を抱き上げ、ベッドまで運んで行った。
この部屋の中を花嫁は自分の足で歩いてはいけない決まりなのだとか。
そっとベッドに降ろされて、隣に腰掛けたニコラスも中に入り天蓋の薄絹をきっちりと閉める。
ベッドの四隅にも魔石を使った光源が仕込まれているらしく、室内よりさらに明るいことに驚いた。
「こんなに明るいところで……?」
「嫌?」
「だって……」
「恥ずかしい?」
「……はい」
私は今、きっと真っ赤だと思う。
ニコラスは「仕方ないな」と呟いてパチンと指を鳴らした。
すると徐々に明るさが落ちてさっきよりは幾分暗くなり、それに比例してベッドの外──室内は薄暗くなっていった。
「え? どうして……?」
「この部屋は、魔道具がたくさん使われていましてね」
「魔道具って……本当にあったのね」
その昔まだ魔法が世界で普通に使われていたころの遺物。
魔法の力は徐々に衰退し、今では伝説や眉唾ものともいわれていて、話にしか聞いたことがなかった。
「ハミルトン公爵家は、その昔偉大な魔法使いを排出した家系でして。そのせいか、ごく一部の場所に名残りがあるのです」
「わ、私にもできる?」
「残念。ハミルトンの直系にしか使えないですよ」
「そうなのね……」
私のガッカリした様子にニコラスが笑う。
でも、こんな気安いやり取りが緊張を取り払ってくれたらしく、私も微笑を返すことができた。
「やっと笑いましたね」
「ありがとう。もうさっきほど緊張してないわ」
「それは良かった」
「あの……もう、神官様たちって……?」
「この部屋に入ったところから見られてましたよ」
「えっ。うそ……」
思わず幾何学模様の壁を見渡すが、そこには何も見えない。
本当にこの壁の向こうに人が居るのかすら、私には分からなかった。
「気配を弱める魔道具を使ってますし、今は小窓のカーテンも閉まっている。まだ目が合ったりはしません」
「まだ……?」
「まだ……。私たちが繋がる時には開けて観るのでは? 正確には分かりませんが……何せこの部屋でするのは初めてですからね」
そう言ってウインクされた。
そうだ、私は前回ここでジョルジュに処女を捧げたんだった。
意識してしまうと、背徳感が湧き上がり下腹がキュンとする。
「それじゃあ、始めても?」
「え? あ……はい」
返事をした途端、優しいキスが頬やおでこ、鼻や口の端、そして唇にと落とされていく。
いつもより強引に唇を割り開いて舌が侵入し、歯列を舐め早く口を開けろと催促された。
え?
そんな……急に?
抱きしめられて後頭部に手を回され、私の力では身動きできない。
こんな荒々しく行為が始まって、私はどうして良いか分からず、只ただニコラスに身を任せるしかなかった。
今や私の口内はどこもかしこもニコラスに舐めまわされ、舌を絡めて吸われ、上アゴをくすぐるように擦られて、痺れるような快感に襲われている。
しかもいつもはそんなことないのに、キスだけでもう、私の大事な場所から蜜が溢れ出ていた。
何だか体が熱い。
いつもより明らかに興奮しているのは、この状況や場所だからと言うだけでは説明が付かないような気がする。
本当にキス以外してないのに、私は一体どうしちゃったんだろう?
「こんなに赤くなって……かわいいですね、レティシアは」
やっと官能的なキスから解放されたのに、ニコラスがそんなこと言うから、今度は羞恥心でカァっとして、だけどアソコは刺激を欲しがってキュンとして……。
我慢できなくなった私はニコラスの手を自分の胸に持っていった。
「触って……」
本当は下半身を触って欲しかったけど、そこに手を誘導するのは流石に恥ずかし過ぎてできなかった。
私にできるのは、せめて行為の進行速度を早めてもらえるようにすることくらい。
「立って」
「え?」
「ここで立ちなさい」
せっかく先を急がせたのに、突然そんなことを言われて私は戸惑う。
何か儀式とかあったかしら?
ジョルジュの時は何もなかったと思うのだけど?
言われた意味はよく分からなかったけど、それでも彼の指示に従おうとしたら、立ち上がる時に着ていたガウンは脱がされた。
急にスケスケの夜着一枚になって心細い。
今日の夜着はニコラスの要望なのだろう。
裾丈は脹らはぎまであるけれど、淡い桃色の薄い生地だから、体のラインどころか胸の先端の色付きも、綺麗に剃られた秘所の縦筋も薄っすらと見えている。
今はニコラスのほうを向いているから、覗き見ている神官様たちには、しっかりお尻を晒している状態だった。
「……綺麗だ」
私の体全体を爛々と輝く瞳で見詰め、ニヤリと笑うニコラス。
恥ずかしくて彼の顔を直視できない。
顔を背けた私は、ニコラスの急な行動に対処が遅れた。
「あ……何を……」
ほんの少しの間に、ニコラスは夜着の裾を捲り上げ、太ももを左右の腕で抱え込んだ。
そしてあろうことかそのまま股間に顔を埋め、その縦筋に舌をねじ込みこじ開けるようにソコを舐め始めた。
「あ……やぁ……」
覗き穴のある壁の反対側は、いつカーテンを開けたのか?
壁一面が鏡になっていて、不恰好に足を広げ見方によってはニコラスの顔に座っているような、何とも端ない姿が鮮明に映し出されている。
蜜壺から溢れる液体を舐め、啜るニコラスの艶かしい姿が鏡に映っていて、自分が何をどうされているのか見えるから、余計に恥ずかしい。
でもどんどんいやらしいことをしたい気分は盛り上がっていってて、私はどうしたら良いのかぜんぜん分からなくなっていた。
「あ! ダメ! そこは……クリはダメ……やぁ~」
気持ち良過ぎて我慢なんかできない。
ニコラスは私に声を出させたいのか、ダメって言ってることを嬉々としてして来るから、私は必死に耐え首を振って訴えた。
でも彼は止めてなんかくれない。
神官様が見てるのに……。
こんなことして、破門でもされたらどうしよう。
ダメなのに。
私は耐えきれず、神官様たちに観られながらニコラスにイカされてしまったのだった。
部屋の大部分を占めるベッドは、カーテン越しとは思えないほど中が丸見えで……。
これでは真昼の室内より鮮明に見えてしまう。
恥ずかしい……。
例え、高齢の神官様と言っても男性で、しかも結婚だって禁止されていない普通の人だ。
人より少し制約が多いだけで、高位神官様の中には第二夫人や第三夫人がいらっしゃる方も多いと聞いている。
そんな見も知らぬ男性──それも複数の人に情事を見られると思うと、胸の奥がムカムカして今すぐにここから逃げてしまいたい気持ちになってしまう。
「レティシア。大丈夫ですか?」
「少し、緊張してるだけだから……」
蒼白になった私を気遣うようにニコラスから声をかけられ、慌てて返事を返した。
「もう行きましょう」
その言葉はただの合図。
ニコラスは返事を待つことなく私を抱き上げ、ベッドまで運んで行った。
この部屋の中を花嫁は自分の足で歩いてはいけない決まりなのだとか。
そっとベッドに降ろされて、隣に腰掛けたニコラスも中に入り天蓋の薄絹をきっちりと閉める。
ベッドの四隅にも魔石を使った光源が仕込まれているらしく、室内よりさらに明るいことに驚いた。
「こんなに明るいところで……?」
「嫌?」
「だって……」
「恥ずかしい?」
「……はい」
私は今、きっと真っ赤だと思う。
ニコラスは「仕方ないな」と呟いてパチンと指を鳴らした。
すると徐々に明るさが落ちてさっきよりは幾分暗くなり、それに比例してベッドの外──室内は薄暗くなっていった。
「え? どうして……?」
「この部屋は、魔道具がたくさん使われていましてね」
「魔道具って……本当にあったのね」
その昔まだ魔法が世界で普通に使われていたころの遺物。
魔法の力は徐々に衰退し、今では伝説や眉唾ものともいわれていて、話にしか聞いたことがなかった。
「ハミルトン公爵家は、その昔偉大な魔法使いを排出した家系でして。そのせいか、ごく一部の場所に名残りがあるのです」
「わ、私にもできる?」
「残念。ハミルトンの直系にしか使えないですよ」
「そうなのね……」
私のガッカリした様子にニコラスが笑う。
でも、こんな気安いやり取りが緊張を取り払ってくれたらしく、私も微笑を返すことができた。
「やっと笑いましたね」
「ありがとう。もうさっきほど緊張してないわ」
「それは良かった」
「あの……もう、神官様たちって……?」
「この部屋に入ったところから見られてましたよ」
「えっ。うそ……」
思わず幾何学模様の壁を見渡すが、そこには何も見えない。
本当にこの壁の向こうに人が居るのかすら、私には分からなかった。
「気配を弱める魔道具を使ってますし、今は小窓のカーテンも閉まっている。まだ目が合ったりはしません」
「まだ……?」
「まだ……。私たちが繋がる時には開けて観るのでは? 正確には分かりませんが……何せこの部屋でするのは初めてですからね」
そう言ってウインクされた。
そうだ、私は前回ここでジョルジュに処女を捧げたんだった。
意識してしまうと、背徳感が湧き上がり下腹がキュンとする。
「それじゃあ、始めても?」
「え? あ……はい」
返事をした途端、優しいキスが頬やおでこ、鼻や口の端、そして唇にと落とされていく。
いつもより強引に唇を割り開いて舌が侵入し、歯列を舐め早く口を開けろと催促された。
え?
そんな……急に?
抱きしめられて後頭部に手を回され、私の力では身動きできない。
こんな荒々しく行為が始まって、私はどうして良いか分からず、只ただニコラスに身を任せるしかなかった。
今や私の口内はどこもかしこもニコラスに舐めまわされ、舌を絡めて吸われ、上アゴをくすぐるように擦られて、痺れるような快感に襲われている。
しかもいつもはそんなことないのに、キスだけでもう、私の大事な場所から蜜が溢れ出ていた。
何だか体が熱い。
いつもより明らかに興奮しているのは、この状況や場所だからと言うだけでは説明が付かないような気がする。
本当にキス以外してないのに、私は一体どうしちゃったんだろう?
「こんなに赤くなって……かわいいですね、レティシアは」
やっと官能的なキスから解放されたのに、ニコラスがそんなこと言うから、今度は羞恥心でカァっとして、だけどアソコは刺激を欲しがってキュンとして……。
我慢できなくなった私はニコラスの手を自分の胸に持っていった。
「触って……」
本当は下半身を触って欲しかったけど、そこに手を誘導するのは流石に恥ずかし過ぎてできなかった。
私にできるのは、せめて行為の進行速度を早めてもらえるようにすることくらい。
「立って」
「え?」
「ここで立ちなさい」
せっかく先を急がせたのに、突然そんなことを言われて私は戸惑う。
何か儀式とかあったかしら?
ジョルジュの時は何もなかったと思うのだけど?
言われた意味はよく分からなかったけど、それでも彼の指示に従おうとしたら、立ち上がる時に着ていたガウンは脱がされた。
急にスケスケの夜着一枚になって心細い。
今日の夜着はニコラスの要望なのだろう。
裾丈は脹らはぎまであるけれど、淡い桃色の薄い生地だから、体のラインどころか胸の先端の色付きも、綺麗に剃られた秘所の縦筋も薄っすらと見えている。
今はニコラスのほうを向いているから、覗き見ている神官様たちには、しっかりお尻を晒している状態だった。
「……綺麗だ」
私の体全体を爛々と輝く瞳で見詰め、ニヤリと笑うニコラス。
恥ずかしくて彼の顔を直視できない。
顔を背けた私は、ニコラスの急な行動に対処が遅れた。
「あ……何を……」
ほんの少しの間に、ニコラスは夜着の裾を捲り上げ、太ももを左右の腕で抱え込んだ。
そしてあろうことかそのまま股間に顔を埋め、その縦筋に舌をねじ込みこじ開けるようにソコを舐め始めた。
「あ……やぁ……」
覗き穴のある壁の反対側は、いつカーテンを開けたのか?
壁一面が鏡になっていて、不恰好に足を広げ見方によってはニコラスの顔に座っているような、何とも端ない姿が鮮明に映し出されている。
蜜壺から溢れる液体を舐め、啜るニコラスの艶かしい姿が鏡に映っていて、自分が何をどうされているのか見えるから、余計に恥ずかしい。
でもどんどんいやらしいことをしたい気分は盛り上がっていってて、私はどうしたら良いのかぜんぜん分からなくなっていた。
「あ! ダメ! そこは……クリはダメ……やぁ~」
気持ち良過ぎて我慢なんかできない。
ニコラスは私に声を出させたいのか、ダメって言ってることを嬉々としてして来るから、私は必死に耐え首を振って訴えた。
でも彼は止めてなんかくれない。
神官様が見てるのに……。
こんなことして、破門でもされたらどうしよう。
ダメなのに。
私は耐えきれず、神官様たちに観られながらニコラスにイカされてしまったのだった。
1
お気に入りに追加
617
あなたにおすすめの小説
俺のセフレが義妹になった。そのあと毎日めちゃくちゃシた。
ねんごろ
恋愛
主人公のセフレがどういうわけか義妹になって家にやってきた。
その日を境に彼らの関係性はより深く親密になっていって……
毎日にエロがある、そんな時間を二人は過ごしていく。
※他サイトで連載していた作品です
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
【R-18】悪役令嬢ですが、罠に嵌まって張型つき木馬に跨がる事になりました!
臣桜
恋愛
悪役令嬢エトラは、王女と聖女とお茶会をしたあと、真っ白な空間にいた。
そこには張型のついた木馬があり『ご自由に跨がってください。絶頂すれば元の世界に戻れます』の文字が……。
※ムーンライトノベルズ様にも重複投稿しています
※表紙はニジジャーニーで生成しました
性欲の強すぎるヤクザに捕まった話
古亜
恋愛
中堅企業の普通のOL、沢木梢(さわきこずえ)はある日突然現れたチンピラ3人に、兄貴と呼ばれる人物のもとへ拉致されてしまう。
どうやら商売女と間違えられたらしく、人違いだと主張するも、兄貴とか呼ばれた男は聞く耳を持たない。
「美味しいピザをすぐデリバリーできるのに、わざわざコンビニのピザ風の惣菜パンを食べる人います?」
「たまには惣菜パンも悪くねぇ」
……嘘でしょ。
2019/11/4 33話+2話で本編完結
2021/1/15 書籍出版されました
2021/1/22 続き頑張ります
半分くらいR18な話なので予告はしません。
強引な描写含むので苦手な方はブラウザバックしてください。だいたいタイトル通りな感じなので、少しでも思ってたのと違う、地雷と思ったら即回れ右でお願いします。
誤字脱字、文章わかりにくい等の指摘は有り難く受け取り修正しますが、思った通りじゃない生理的に無理といった内容については自衛に留め批判否定はご遠慮ください。泣きます。
当然の事ながら、この話はフィクションです。
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
今日も殿下に貞操を狙われている【R18】
毛蟹葵葉
恋愛
私は『ぬるぬるイヤンえっちち学園』の世界に転生している事に気が付いた。
タイトルの通り18禁ゲームの世界だ。
私の役回りは悪役令嬢。
しかも、時々ハードプレイまでしちゃう令嬢なの!
絶対にそんな事嫌だ!真っ先にしようと思ったのはナルシストの殿下との婚約破棄。
だけど、あれ?
なんでお前ナルシストとドMまで併発してるんだよ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる