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【第七章】こんな事、知りたくはなかった
(6)ごめんなさいなんて言うつもりはない
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フランベルクと別れた後、俺は寮の自室へ向かった。
自室に帰っても、俺の脳内はずっと混乱したままだった。
(ベリルには元から心が無くて、ずっと人間のふりをして生きてきた?)
だから冷酷無慈悲の悪役令息になったのか?
その過程で、性欲に関する心と感情の反応は多少の理解はできるようになったから、恥辱奴隷学園の支配者になった…?
それに、まさか、フランツの兄ちゃんと元祖ベリルが恋人であり、現在は元カレだったなんて思いもしなかった。
そう考えれば…ベリルが剣の試合でフランツを毎回ボコボコにしていたのは、フランベルクとの逢瀬のためだったというのだろうか?
考えれば考えるほどモヤモヤする。
(だが、あまりにも情報量が多い…少し時間を置いて頭を冷やしたい…かも)
俺は気を紛らわせるためにエプロンを身に着けて料理に没頭した。
今日の夕食は食材の残りを煮込んだスープ。
軽く塩胡椒をふって完成したスープの味を整える頃には放課後に混乱していた気持ちも落ち着いていた。
(とはいえ、一旦は棚に上げておくか…それよりもフランツのことに集中しろ)
そして、二人分の食事を見繕い、作りすぎちゃった作戦の決行。
料理を黙々と作っていると思考も少しは落ち着いてきた。
(…よし)
料理が完成した。
俺は自室を出て隣の部屋のドアの前に立つとノックをする。
「ベリルか、何の用だ?」
すぐにフランツが出てきた。
訓練後の風呂上がりらしく、肩にタオルをかけており髪は生乾きだった。
ふわりと香る石鹸のそれはいつかの食事のことを思い出させる。
部屋着の白シャツと黒のズボンとブーツも変わらない。
「お前は夕食まだなのか?」
「ああ」
「それなら食べに来い。作りすぎたから片付けるの手伝ってくれ」
「わかった。行こう」
短い会話を切り上げると、フランツは部屋からのそのそと出てきた。
「…?」
なぜかわからないが、フランツの手には木剣が握られている。
前の打ち合いの時見かけた、柄の部分にファンシーなリボンが結ばれたやつ。
「それ、部屋に置いていかないのか?」
「これはお前に渡そうと思っていた物だ」
「俺に?」
「ああ、俺もこれを渡すためにお前の部屋に行こうと思っていたところだった」
ちょうどいいタイミングだったということか。
それなら話が早い。
俺はフランツを自室に招き入れた。
これが二度目の食事ということもあり、以前のような緊張感はなかった。
会話は料理の感想ぐらいで後は粗食時間。
無言は続いたが気まずくはない…食事もスムーズに終わる。
「それで、なんで木剣を俺に渡すということになったんだ?」
食事の後。
食器を回収しつつ俺は問う。
「俺なりのけじめだ」
言いながら木剣へ目線を投げかけてフランツは言う。
「けじめ?」
「お前は覚えていないかもしれないが、これはお前のリボンタイだ。五年前の別れ際に渡された手紙と一緒に受け取った物だ」
以前の食事の際『手紙は読んだか?』と聞かれた事があった。
先にベリルが手紙を書いていて、その後にフランツが書いたであろう返事は読んだか?…という意味だったのか?
生憎、ベリルの記憶も俺にも読んだ覚えはない。
それどころかフランツに手紙を送っていたことさえ俺は知らなかった。
「俺が今のお前に勝ったとしても意味はない。だからその意志を伝えようと思ったんだ、これはその証として持っておいてくれ」
「意味はない?なんで?」
俺の今の剣の腕はへなちょこだから、今の屈強なフランツにとっては勝つ必要がないということだろうか?
「今のお前は俺にとって打ち倒すべき存在ではないからだ」
「???」
なんで?
「改めて言おう。ベリル、俺はお前の味方でありたい」
フランツは言う。
俺の方を真っ直ぐに見つめたまま。
部屋の光に照らされる金髪と曇りのない空色の瞳。
放課後に出会った温和なフランベルクとは違い、凛とした芯のある眼差しを向けられた俺は言葉を詰まらせる。
「…なぜ?」
まるで俺を見透かすような純粋な眼差しに気圧された。
「こう言うのは何だが、今のお前はとても危うく見える。なぜ、お前がそんな言動をとっているのか俺は知らないが、とても見ていられない」
「…。」
エリオットとフランツが話していた時にも似たようなことを言っていた。
「理由は知らない。言いたくないのなら無理に聞こうとは思わない」
「なら…お前が俺を守るとか、そういう偽善を口にするつもりか?」
「ああ、偽善だ。俺が今まで行ったことをなかったことにはしない」
「ふざけるなよ」
俺の唇から漏れた声は低く、震えていた。
「お前は何も知らないだろ?俺がリズにやったことも、生徒会長にやったことも…何も!」
俺とフランツは真逆だ。
この世界に来て、俺が悪役令息のベリルである事を知った際に我が身可愛さでこの物語を原作のとおりに進めようとした。
対するフランツは善良な思考と行動力の持ち主だ。
最初は俺の企みを止めようとしたし、俺の立場が危ういとなれば助けてくれたこともある。
だが、だからといってそれに甘えるわけにはいかない。
俺はもう手を汚してしまっているのだから。
「それに、俺が昔からお前にやったことの数々も忘れたとは言わせない」
剣の試合でボコボコにしただけではないのは記憶を遡れば明らかだ。
散々いじめられてボロ雑巾のように扱われた相手の味方になりたいなんて思うはずがない。
フランツはあまりにも真っ直ぐで、眩しくて…
(自分が惨めになる)
俺は自分で決めたこともろくにできない…俺はこの世界の物語を狂わせている。
こんなはずじゃなかった。
こんなことになるとは思わなかった。
「それでも、俺はお前と共にありたいと願う」
流水のような彼の言葉が歪んだ俺の内側に浸透する。
追いすがりたくなんて無い。
どうして、なぜ、俺はここまでフランツを拒絶しているんだっけ?
「…俺はまた、お前を傷つけるぞ?」
「昔よりも頑丈になったんだ、やれるものならやってみろ」
フランツはふっと息を吐いて朗らかに言う。
「たぶん、お前が思っているより酷いやつなのだが」
「それこそ昔から変わらないだろ?」
「…フランツ、俺は…」
言おうとした言葉をぐっと飲み込む。
フランツの弱みを探す目的の交流だったのに、なぜ俺の方が陥落させられそうになっているんだよ?
深い深い溜め息を吐く。
そして俺は、厨房からとある物を引っ張り出してフランツが座るソファの元まで戻った。
「…ベリル?」
「やってみろと言ったのはお前だからな?」
俺はテーブルの上に持ってきた小瓶を置く。
その小瓶には無色透明の液体が収まっている。
「これは無色透明、無味無臭の毒だ」
「毒?」
にわかには信じがたいようにフランツが問い返すと俺は頷く。
中身はいつぞやの時にエリオットが持ってきた媚薬なのだが、ある意味『毒』には違いないので俺は悪くない。
本当の事に嘘を混ぜてフランツに言い聞かせる。
「もしこれを飲んで死んだとしても、毒死として判断する者は誰もいない。なぜなら新種の毒であり、存在を知るのは今の所俺しかいないからだ。そこで、これを飲み干したのならお前を信用してもいい」
「…。」
「一応言っておくが、この『信用してもいい』という言葉でさえ、俺の嘘かもしれない」
さぁ、どうする?
俺が問うとフランツは眉間にしわを刻んだ。
「お前は俺を何だと思っているんだ?」
フランツが手を伸ばす。
テーブルの上にある小瓶を掴むと、瓶のコルクを引き抜く。
そして中にある液体を一気に飲み干した。
「これぐらいのことで俺が引くとでも思ったのか?」
手の甲で唇を拭い、フランツは殻になったガラス瓶をテーブルの上に置いた。
その表情には余裕が見えた。
「ああ、そうだな。お前はこんな脅しで怯むようなやつじゃない」
「…。」
「俺も知っていたよ。そんな事は…ね?」
真っ直ぐで、眩しくて、正義感が強い。
フランツは俺とは正反対だ。
だからこそ、お前は飲むと確信していた。
俺はお前の実直な行動を利用する。
(ごめんなさいなんて言うつもりはない)
フランツが俺を見つめている。
「…っ」
その瞳が熱っぽく俺を見据える。
いつも涼し気な瞳が潤んでいるように感じて、俺は唇に薄い笑みを刻む。
「毒には違いないだろ?…なぁフランツ?」
呼吸が荒くなってゆくフランツを見下ろす。
お前のそういうところに付け入って、弱みを握ろうと俺は決めた。
本来ならもっと色々準備をするつもりだったのだが…仕方がない。
それでは、はじめようか。
自室に帰っても、俺の脳内はずっと混乱したままだった。
(ベリルには元から心が無くて、ずっと人間のふりをして生きてきた?)
だから冷酷無慈悲の悪役令息になったのか?
その過程で、性欲に関する心と感情の反応は多少の理解はできるようになったから、恥辱奴隷学園の支配者になった…?
それに、まさか、フランツの兄ちゃんと元祖ベリルが恋人であり、現在は元カレだったなんて思いもしなかった。
そう考えれば…ベリルが剣の試合でフランツを毎回ボコボコにしていたのは、フランベルクとの逢瀬のためだったというのだろうか?
考えれば考えるほどモヤモヤする。
(だが、あまりにも情報量が多い…少し時間を置いて頭を冷やしたい…かも)
俺は気を紛らわせるためにエプロンを身に着けて料理に没頭した。
今日の夕食は食材の残りを煮込んだスープ。
軽く塩胡椒をふって完成したスープの味を整える頃には放課後に混乱していた気持ちも落ち着いていた。
(とはいえ、一旦は棚に上げておくか…それよりもフランツのことに集中しろ)
そして、二人分の食事を見繕い、作りすぎちゃった作戦の決行。
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(…よし)
料理が完成した。
俺は自室を出て隣の部屋のドアの前に立つとノックをする。
「ベリルか、何の用だ?」
すぐにフランツが出てきた。
訓練後の風呂上がりらしく、肩にタオルをかけており髪は生乾きだった。
ふわりと香る石鹸のそれはいつかの食事のことを思い出させる。
部屋着の白シャツと黒のズボンとブーツも変わらない。
「お前は夕食まだなのか?」
「ああ」
「それなら食べに来い。作りすぎたから片付けるの手伝ってくれ」
「わかった。行こう」
短い会話を切り上げると、フランツは部屋からのそのそと出てきた。
「…?」
なぜかわからないが、フランツの手には木剣が握られている。
前の打ち合いの時見かけた、柄の部分にファンシーなリボンが結ばれたやつ。
「それ、部屋に置いていかないのか?」
「これはお前に渡そうと思っていた物だ」
「俺に?」
「ああ、俺もこれを渡すためにお前の部屋に行こうと思っていたところだった」
ちょうどいいタイミングだったということか。
それなら話が早い。
俺はフランツを自室に招き入れた。
これが二度目の食事ということもあり、以前のような緊張感はなかった。
会話は料理の感想ぐらいで後は粗食時間。
無言は続いたが気まずくはない…食事もスムーズに終わる。
「それで、なんで木剣を俺に渡すということになったんだ?」
食事の後。
食器を回収しつつ俺は問う。
「俺なりのけじめだ」
言いながら木剣へ目線を投げかけてフランツは言う。
「けじめ?」
「お前は覚えていないかもしれないが、これはお前のリボンタイだ。五年前の別れ際に渡された手紙と一緒に受け取った物だ」
以前の食事の際『手紙は読んだか?』と聞かれた事があった。
先にベリルが手紙を書いていて、その後にフランツが書いたであろう返事は読んだか?…という意味だったのか?
生憎、ベリルの記憶も俺にも読んだ覚えはない。
それどころかフランツに手紙を送っていたことさえ俺は知らなかった。
「俺が今のお前に勝ったとしても意味はない。だからその意志を伝えようと思ったんだ、これはその証として持っておいてくれ」
「意味はない?なんで?」
俺の今の剣の腕はへなちょこだから、今の屈強なフランツにとっては勝つ必要がないということだろうか?
「今のお前は俺にとって打ち倒すべき存在ではないからだ」
「???」
なんで?
「改めて言おう。ベリル、俺はお前の味方でありたい」
フランツは言う。
俺の方を真っ直ぐに見つめたまま。
部屋の光に照らされる金髪と曇りのない空色の瞳。
放課後に出会った温和なフランベルクとは違い、凛とした芯のある眼差しを向けられた俺は言葉を詰まらせる。
「…なぜ?」
まるで俺を見透かすような純粋な眼差しに気圧された。
「こう言うのは何だが、今のお前はとても危うく見える。なぜ、お前がそんな言動をとっているのか俺は知らないが、とても見ていられない」
「…。」
エリオットとフランツが話していた時にも似たようなことを言っていた。
「理由は知らない。言いたくないのなら無理に聞こうとは思わない」
「なら…お前が俺を守るとか、そういう偽善を口にするつもりか?」
「ああ、偽善だ。俺が今まで行ったことをなかったことにはしない」
「ふざけるなよ」
俺の唇から漏れた声は低く、震えていた。
「お前は何も知らないだろ?俺がリズにやったことも、生徒会長にやったことも…何も!」
俺とフランツは真逆だ。
この世界に来て、俺が悪役令息のベリルである事を知った際に我が身可愛さでこの物語を原作のとおりに進めようとした。
対するフランツは善良な思考と行動力の持ち主だ。
最初は俺の企みを止めようとしたし、俺の立場が危ういとなれば助けてくれたこともある。
だが、だからといってそれに甘えるわけにはいかない。
俺はもう手を汚してしまっているのだから。
「それに、俺が昔からお前にやったことの数々も忘れたとは言わせない」
剣の試合でボコボコにしただけではないのは記憶を遡れば明らかだ。
散々いじめられてボロ雑巾のように扱われた相手の味方になりたいなんて思うはずがない。
フランツはあまりにも真っ直ぐで、眩しくて…
(自分が惨めになる)
俺は自分で決めたこともろくにできない…俺はこの世界の物語を狂わせている。
こんなはずじゃなかった。
こんなことになるとは思わなかった。
「それでも、俺はお前と共にありたいと願う」
流水のような彼の言葉が歪んだ俺の内側に浸透する。
追いすがりたくなんて無い。
どうして、なぜ、俺はここまでフランツを拒絶しているんだっけ?
「…俺はまた、お前を傷つけるぞ?」
「昔よりも頑丈になったんだ、やれるものならやってみろ」
フランツはふっと息を吐いて朗らかに言う。
「たぶん、お前が思っているより酷いやつなのだが」
「それこそ昔から変わらないだろ?」
「…フランツ、俺は…」
言おうとした言葉をぐっと飲み込む。
フランツの弱みを探す目的の交流だったのに、なぜ俺の方が陥落させられそうになっているんだよ?
深い深い溜め息を吐く。
そして俺は、厨房からとある物を引っ張り出してフランツが座るソファの元まで戻った。
「…ベリル?」
「やってみろと言ったのはお前だからな?」
俺はテーブルの上に持ってきた小瓶を置く。
その小瓶には無色透明の液体が収まっている。
「これは無色透明、無味無臭の毒だ」
「毒?」
にわかには信じがたいようにフランツが問い返すと俺は頷く。
中身はいつぞやの時にエリオットが持ってきた媚薬なのだが、ある意味『毒』には違いないので俺は悪くない。
本当の事に嘘を混ぜてフランツに言い聞かせる。
「もしこれを飲んで死んだとしても、毒死として判断する者は誰もいない。なぜなら新種の毒であり、存在を知るのは今の所俺しかいないからだ。そこで、これを飲み干したのならお前を信用してもいい」
「…。」
「一応言っておくが、この『信用してもいい』という言葉でさえ、俺の嘘かもしれない」
さぁ、どうする?
俺が問うとフランツは眉間にしわを刻んだ。
「お前は俺を何だと思っているんだ?」
フランツが手を伸ばす。
テーブルの上にある小瓶を掴むと、瓶のコルクを引き抜く。
そして中にある液体を一気に飲み干した。
「これぐらいのことで俺が引くとでも思ったのか?」
手の甲で唇を拭い、フランツは殻になったガラス瓶をテーブルの上に置いた。
その表情には余裕が見えた。
「ああ、そうだな。お前はこんな脅しで怯むようなやつじゃない」
「…。」
「俺も知っていたよ。そんな事は…ね?」
真っ直ぐで、眩しくて、正義感が強い。
フランツは俺とは正反対だ。
だからこそ、お前は飲むと確信していた。
俺はお前の実直な行動を利用する。
(ごめんなさいなんて言うつもりはない)
フランツが俺を見つめている。
「…っ」
その瞳が熱っぽく俺を見据える。
いつも涼し気な瞳が潤んでいるように感じて、俺は唇に薄い笑みを刻む。
「毒には違いないだろ?…なぁフランツ?」
呼吸が荒くなってゆくフランツを見下ろす。
お前のそういうところに付け入って、弱みを握ろうと俺は決めた。
本来ならもっと色々準備をするつもりだったのだが…仕方がない。
それでは、はじめようか。
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