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【第一章】悪役令息は行動する

(6)悪役令息は王子様が何を考えているのかわからない

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※この回には攻めによるフェラ要素が含まれます。



あっさりと服が剥かれて、ズボンの衣服が取りさらわれるとベッドサイドに放り投げられる。
落ちた俺のズボンはずるりとベットを滑ってそのまま視界の端に消えた。
それなのに、ショートブーツは脱がしてくれないせいでそういう性癖の持ち主なのかと疑ってしまう。
上半身は上着まできっちり着ているのに、下半身は無防備に曝け出された。

(いやだいやだいやだ!!)

フランツの手によって俺の服が剥かれるのは二度目だが、あの時は性器だけを晒す程度にズボンを下げただけで事は済んだのに、今日は違う。

「…。」

フランツの目線が俺の股間…もといい、俺の下半身に釘付けになる。
それはそうだ。
俺は白いレースとフリルが施された、ガーターベルトつきのストッキングを身に着けていたのだから。
ちなみに下着は白色のレースがたっぷりの紐パン。

無論ベリル自身の習性と趣味に合わせたものなので俺は悪くない。
部屋にはこういうタイプの下着しかなかったし。
ゲーム本編では一切ベリルの裸は明かされることはなかったのだが、ズボンの下はこうなっていました。
編上げのショートブーツも相まって、なんというか…凄い趣味だなぁと俺は思っていた。
女王様の黒革ボンテージとか、そういう方向ではなかったのは安心したけれど。
って、そうじゃない。

「…。」
「…。」

両者の間に沈黙が流れる。
フランツは俺を食い入るように見つめている。
この時間がやけに長い。

「…可愛いな」

一言ぽつりとつぶやいた。

(う、うそだろ…)

まさかこいつ…お互いの下着の趣味とかそういう話、今までにしたことがなかったのかよ!?
もしかしなくても…幼馴染の下着姿を今初めて見たのか!?
確かに記憶の中でもお互いの全裸を見せあったような記憶はないけれど。
こころなしかフランツは頬を赤く染めているように見える。

ベリルの性格もあり、年頃ならフランツも猥談のひとつやふたつをやってると思っていたのだが。
たしかに真面目なフランツならそんな話には食いつかない…のか?
そして俺はハッとする。

「このっ!退けよ!!」

片足で思いっきりフランツの腹を蹴る。
その蹴りはいともあっさりと片手で受け止められ、俺の両足を割り開いてM字に開脚させた。

(い、いやぁああああ)

右手で俺の下着に触れると、形を確認するようにフランツは男性器の膨らみを撫でた。

「っ!?」

下半身が刺激に反応して背筋がゾワゾワする。
そのまま下着の間から男性器を取り出し、それに顔を近づけるとフランツはおもむろに口に含んだ。

(ふらんつううううううううううううううう!!!!!)

お前は本当に何をしてくれているんだ!?
俺のものがパクリと食べられ、体の一部がフランツの口内に消える。

「んぅっ!?」

萎えていたはずのそれにフランツの熱い舌がねっとりと絡んでくると、俺は漏れそうになった声を押し殺した。

無論フェラなんて初体験です。

それに、幼馴染が俺の股間にご執心で、それを舐めたり吸ったり握ったりしている経験なんて、まず普通の人生では起こらないことだろう。

「うっ、あうっ!?」

ビクビクと腰が跳ねると、反動で身体を逃さないように両手で両足の太腿を押さえつけられて固定された。
そしてずずっと根本から一気に吸われた。

「ひゃああっ!?」

腰に力が入らない。
背中から頭まで、何かが駆け抜けていった。
そのまま舐める行為は続いている。

「ふぅっ、あっ、あ、あ、あっん」

激しい舌の動きに合わせて、食いしばった俺の口が緩んで喘ぎ声が漏れる。
フランツが与える刺激に俺は啼いた。
手で触る行為は自分自身にやったことがある。
だが、こんなのは知らない。
知りたくなんてなかった。
頭がどうにかなりそうだ。

「やめっ」

俺は身体の中に吸い付いて離れないフランツの頭を両手で引き剥がそうとする。
力の入らない両手で頭を上から押さえているのがやっとで、どうにもならなかった。
むしろ、俺の方から彼の頭を己の股間に導き、フェラ行為をねだっているように思われたかもしれない。

「はな、れろっ!変態!へんたいっ!!…んっ」

ザラザラとした舌先が俺の裏筋を撫でる。

「あうっ!?」

反応がいいところを発見して、そこを執拗に舐めはじめた。
下半身からじゅぼじゅぼと水音が聞こえる。
容赦なく自分が犯されている情報が耳から入ってくる。
足で蹴ろうとしても、両腕でしっかり両足をホールドされているので無駄。
頭を体の中央から引き剥がそうとしても手に力が入らないから駄目。
もう何もかもが無理。

「ぁ、はっ、は、はひ、はひっ」

与え続けられる執拗な攻め攻撃を身体の弱い部分で受け止め続けるしかなかった。
舐められているのは身体のごく一部なのに、体中が刺激に晒されてずぶずぶに溶けているみたいだった。

「で、ぅ…でるぅ、や、やだぁ!!やめて!くち、はなしてっ!!!でちゃう、からっ」

フランツは俺に答えることなく行為を続けている。
むしろ、俺の甘く上ずった声に目を細めると、スピードを早くする。

「ひぐっ!?あ、う、ぁ、ぁっ、ああっ、あああああああああぁっ!!」

クッと背中を反らすと両足を突っ張り、太腿に挟んだフランツの頭を自らの身体に押し付ける。
次の瞬間、勢いのある白濁を口内に放った。

「あう、ひぅっ…うぅ!」

フランツは吐き出された精液を一滴たりとも逃さない勢いで吸う。
達したばかりだというのに、俺はその刺激だけで次の射精へと導かれる。

「ひゃ、ひゃっ!…な、ひッ、すわっな、いでっ!も、でなぃ…っぁぐ」

すべて出し切った精液をごくりと飲み干すと、やっと両腕から開放された。
俺は四肢をベッドに投げ出したまま、荒い息を整えることもできず酸素を貪る。

(…………き…きもちよかった…)

フランツを認めたくはないが、フェラってこんなに気持ちいいものだったのか…知らなかった。
俺の前はすでに半立ちになっており、次なる刺激を求めて透明な汁を先から垂らしていた。
頭が変だ。
キャパシティーを超えた刺激により、視界が白く低滅している。

「ぅう…りず…」

俺はもうダメだ。
早く、ベッドの下から出てきてネタばらししてくれ。
とはいっても、隠れるように指示したのは俺なので自業自得だ。

「りず…ぅ…ん…」

甘い痺れに身を委ねたまま悶ている俺を、冷たい目線で見下ろすフランツ。

「ベリル」

フランツは名前を呼んでため息を吐くと、右手を伸ばして俺の頭に手を乗せた。

「どうせお前の視界に俺はいないのだろう…わかっているさ、そんなこと」

ぽつぽつと言葉を紡ぐと、フランツはうつむきながら眉根を寄せていた。
フランツが俺の頭を撫でる感触がする。
髪に手櫛を通しながら優しく触れる手のぬくもり。
その感覚が心地よくて、俺は気だるい瞼を閉じて意識を手放した。


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