奪い寝

9月15日（麻里）

今回のピアノの発表会の曲はピアノソナタですごく暗いが、大好きな曲だ。
私は暗い曲が弾きたかった

彼と大好きな友達を招待した

大好きな友達はきた
でも、彼はこない

もう出番になっちゃうのに

私は凄く今までになく緊張して、足と手が震えた
凄く早く弾いてしまった

お辞儀するとき、彼を探したがやはりいない

大好きな友達が
凄くうまかった！
と褒めてくれた
友達を呼んだのは初めてだったから、凄く嬉しかった

俺の家きて

と、ラインがきた

どうしようかな

と返した
長くかかりそうだし
最年長が抜けるわけにはいかない

どうしようかななの？

と返ってきた
いつもクエスチョンマークがついている

行く

ドレス着てるところを見て欲しかったのに

体育祭の練習してくる

といって彼の家に向かった

面白い格好してるね

だって、発表会だったんだもん

付け毛で遊んだ

ソファで遊んだ

沢山話をした

沢山笑った

沢山くっついた

沢山キスした

一緒に住みたいね

くっつけたらいいのにね

抱き枕にして置いておきたいわ

抱き枕なの？
しゃべんないよ？

私は彼とずっと一緒にいたかった

懲りないね

椅子に座る彼に、したから言う

懲りないね

笑顔で彼がいう

だって

だって、凄く楽しかった
凄く嬉しかった

やっぱり麻里なんだもん

笑顔で彼は私を抱きしめた

彼の上に座って
ソファで彼の上に寝て
ずっとくっついていた

くっついて離れられなくなればいいのに

感触が3日後まで残るくらいキスをした

駅まで見送る前に
立ってまた抱きしめた

そして彼は私を持ち上げた

抱き上げられたのは、初めてで
くるくる回って笑って

これが幸せなんだと

すごい幸せで

ずっと、このままでいたいと思った