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怖い邸3

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「身を守る為に覚えていて頂く事があります。一緒に来てください。」
「…はい。」

一体何をやらされるのかと思ったら、銃の使い方のお勉強だった。

「この銃なら弾丸は6発。引き金をひいて撃つだけです。」
「意外と簡単なのね。」

これくらいならわざわざ地下に来なくても、部屋で教えてくれればいいのに。

「ここに連れて来たのには意味がありますよ。」

レオン様がニコっと笑って言った。
…この人、私の心が読めるのかしら。

「どんな意味があるの?」
「セレンティスを捕まえたのはご存知ですよね?」
「ええ。」
「今、この邸にいるのですが、会って頂けませんか?」

何故警察じゃなく、この邸にいるの…。
レオン様がこんな話をするなんて、絶対に何か企んでるよね。出来るだけ関わらないようにしないと。

「私が会っても意味がないと思うわ。話がこれだけなら私は部屋へ帰」
「ギャーーーっ!!」
「っ!?何っ!?」

突然、耳をつんざくような声が、どこからか聞こえてきた。

「セレンティスに尋問してるんです。」
「尋問って何をしてるの…?」

こんな叫び声が聞こえるなんて普通じゃないわ。

「まさか、拷問しているの…?」
「さぁ、どうでしょう。」
「止めて!犯罪者かもしれないけど、拷問なんて非道だわ!」
「あの男が子供を50人以上殺していても、そう言えますか?」
「……どういう事?」
「人身売買の大元はセレンティスです。」
「売られた子は死んでしまったの…?」
「殺されたんです。その共犯者達を捕まえる為に、協力してくれませんか?」
「拷問に協力なんて、冗談じゃないわ…」
「拷問が合法とは言いませんが、でしか裁けない悪もあるんです。シリウスの子を助けるのには法改定で済む。ですが、労働者階級で名字も持たない者の扱いは、身分制度がある限り変わらない。貴女が『人は平等だ』と思うなら、その力を貸してくれませんか?」
「……」

この人は、護衛長よりたちが悪いわね。
協力って…、私に『セレンティスに絶望を与える為の道具になれ』って言ってるようなものじゃない。

「今朝、メルフス子爵は死にました。」
「え…?」
「彼の叫び声が部屋に響いていたから、侯爵は寝れなかったんですよ。」
「っ!?」
「今からルーナ様がセレンティスと話をしてくれるのであれば、3日間、叫び声は聞こえないでしょう。まぁ、2人が同室で過ごすなら問題ない話ですが。」

この人、本当に怖い…。
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