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カリオン公爵3
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驚いて会話が止まってしまったし、今は言わない方が良かったかしら。
とりあえず、話を元に戻さなきゃね。
「カリオン公爵、私達が頑張るだけでは限界があります。お願いします。手を貸してください。」
トーマは仕事をして認めさせようとしている。悔しいけれど、私は頭を下げる事しか出来ない。
「このボロボロの花は私が作った物です。壊す事も、作り直す事も出来ます。法も人が作った物なのだから、新しい物を作れると思うんです。でも、命あるものはそうはいきません。この世から消えてしまえば、全く同じ命は生まれてきません。だからこそ、人は死が『永久の別れ』と感じるのだと思います。」
だから、殺す前に『生かす判断』をしてほしい。
「子供が生き残ったからといって幸せになれるかなんて、私には保証は出来ません。反論する術がなくなった貴族は『無責任だ』と、そう言って私達を追い詰めるはずです。『何かあった時、どう責任をとるんだ』と。」
「言われても当然だからね。」
「はい。でも、その『何か』なんて、誰にでも起こせる物でしょうか?公爵ですら出来なかったのにです。平民が王や貴族に楯突く時は、国が終る時だと私は思います。」
民が武器をとる時は1人じゃない。少数でもない。蟻のように群れを成して押し寄せてくる。そうなれば、私達は敵わない。
「祖父母や両親が罪人だと知らず生きて行く子が、『親の敵』と言って私達を襲いに来るでしょうか?」
……失敗したわ。
この言い方だと、辺境伯の子を助けられる可能性が低くなってしまう。辺境伯の子は自分の両親が殺される理由を知るはずだもの。
私は何も言わず、トーマに話をして貰うべきだった。
不安が顔に出ていたのかもしれない。トーマが私の手をギュッと握ってくれた。
「公爵、質問があります。陛下が狙われた日、護衛長は不在でした。一体何処に行っていたのですか?」
「極秘で動く部隊だからね、私もそこまでは解らない。」
「そうでしょうか?辺境へ向かって、世継ぎを全て殺したのではありませんか?」
…!?
「トーマ…、どうしてそんな事を言うの…?まだ辺境伯は捕まってないし、裁判もしていないのよ。」
「昨夜、レオンが口を滑らせた。『辺境伯に野垂れ死にされると困る』…と。だから、辺境伯が生きているのは確かだ。探すなら一番に領地に行くだろう。でも見付からなかった。そして、帰って来る事もないと予想してる。ルーナ、公に出来ない仕事をするから『極秘部隊』なんだ。」
とりあえず、話を元に戻さなきゃね。
「カリオン公爵、私達が頑張るだけでは限界があります。お願いします。手を貸してください。」
トーマは仕事をして認めさせようとしている。悔しいけれど、私は頭を下げる事しか出来ない。
「このボロボロの花は私が作った物です。壊す事も、作り直す事も出来ます。法も人が作った物なのだから、新しい物を作れると思うんです。でも、命あるものはそうはいきません。この世から消えてしまえば、全く同じ命は生まれてきません。だからこそ、人は死が『永久の別れ』と感じるのだと思います。」
だから、殺す前に『生かす判断』をしてほしい。
「子供が生き残ったからといって幸せになれるかなんて、私には保証は出来ません。反論する術がなくなった貴族は『無責任だ』と、そう言って私達を追い詰めるはずです。『何かあった時、どう責任をとるんだ』と。」
「言われても当然だからね。」
「はい。でも、その『何か』なんて、誰にでも起こせる物でしょうか?公爵ですら出来なかったのにです。平民が王や貴族に楯突く時は、国が終る時だと私は思います。」
民が武器をとる時は1人じゃない。少数でもない。蟻のように群れを成して押し寄せてくる。そうなれば、私達は敵わない。
「祖父母や両親が罪人だと知らず生きて行く子が、『親の敵』と言って私達を襲いに来るでしょうか?」
……失敗したわ。
この言い方だと、辺境伯の子を助けられる可能性が低くなってしまう。辺境伯の子は自分の両親が殺される理由を知るはずだもの。
私は何も言わず、トーマに話をして貰うべきだった。
不安が顔に出ていたのかもしれない。トーマが私の手をギュッと握ってくれた。
「公爵、質問があります。陛下が狙われた日、護衛長は不在でした。一体何処に行っていたのですか?」
「極秘で動く部隊だからね、私もそこまでは解らない。」
「そうでしょうか?辺境へ向かって、世継ぎを全て殺したのではありませんか?」
…!?
「トーマ…、どうしてそんな事を言うの…?まだ辺境伯は捕まってないし、裁判もしていないのよ。」
「昨夜、レオンが口を滑らせた。『辺境伯に野垂れ死にされると困る』…と。だから、辺境伯が生きているのは確かだ。探すなら一番に領地に行くだろう。でも見付からなかった。そして、帰って来る事もないと予想してる。ルーナ、公に出来ない仕事をするから『極秘部隊』なんだ。」
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