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貴方に勝利の口づけを
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「ノートン、やれ。」
「ああ。」
連れてきていた騎兵が、その辺りにいるリタンの衛兵を次々に気絶させた。
「ノートンだけ付いてこい。後はここで待て。」
「っアイザック王太子様ですか!?はぁ…はぁっ…」
「……何故だ?」
急にリタンの兵が俺の名前を呼んだ。服を見ればかなり上位の衛兵であるのは分かる。
かなり息切れしているのを見ると、俺を探してたのかもしれない。
「こちらへ来て下さいっ!王妃様がお待ちですっ!」
「……」
罠かもしれない…。そう思ったが城に入れる絶好の機会だ。
俺とノートンは急いで後を追った。
案内されたのは城の側面。
「アイザック・ルートニア様。来てくださると信じておりました。」
「貴女が何故…私を。」
「キアラ…いえ、ドロシーを助けてやって欲しいのです。私はあの子もキラと同じように愛しています。ですが…」
「王はそうではない…という事ですか?」
俺が聞くと、王妃は頷いて涙を浮かべている。
「ルシアは今来た所、ここからなら間に合うかもしれない。」
壁だと思っていた所は、隠し扉だった。
「謁見の間に繋がっています。さあ、早く!!あの子を助けて下さい!」
「はいっ!」
いくつも横路がある所を、王妃直属の護衛が迷わず俺達を案内してくれた。
バタンッ
「っ!?」
勢いよく飛び出た所には、リタン王とルシア、壁際にはノツメとリタンの兵…それに顔から血を流すドロシーがいた。
「ドロシーっ!!」
俺はドロシーのもとまで走って、強く抱き締めた。
「………っ」
「どうしたんだっ!その顔っ!髪もっ!!」
唇は切れてる、拭った後はあっても鼻血も出てた後はある。
長かった髪は肩まで切られている。床に髪が落ちている…今切られたんだ…。
「アンドリュ…さ…ま…?」
「ドロシー迎えに来たぞ。」
「でも…」
「俺は大人にもどった。魔術はとけた。今の俺は、靴を履いて姫を助けに来た20才のアイザックだ。」
「…アイク?」
「ああ」
「よかった…。」
「髪、切られたのか…」
「またのびるわ。……大人になっても私の事を憶えてるの?」
「まあ、そうだな。」
「……最後に会えてよかった。」
「え?」
「国へ帰って…。7才のアイクは私と結婚したかったみたいだけど、アイザック様は違うでしょう。恩を感じて助けにくる事はないの。」
「ドロシー、夫は妻を笑顔にしないといけないんだ。」
「……妻は夫が笑顔なら笑顔でいられる。」
「なら、ドロシーがいなきゃ笑えない。」
「アイク…っ…」
我慢していたんだろう。怖くなかったはずがない。
ドロシーの目から大粒の涙が溢れた。
「ああ。」
連れてきていた騎兵が、その辺りにいるリタンの衛兵を次々に気絶させた。
「ノートンだけ付いてこい。後はここで待て。」
「っアイザック王太子様ですか!?はぁ…はぁっ…」
「……何故だ?」
急にリタンの兵が俺の名前を呼んだ。服を見ればかなり上位の衛兵であるのは分かる。
かなり息切れしているのを見ると、俺を探してたのかもしれない。
「こちらへ来て下さいっ!王妃様がお待ちですっ!」
「……」
罠かもしれない…。そう思ったが城に入れる絶好の機会だ。
俺とノートンは急いで後を追った。
案内されたのは城の側面。
「アイザック・ルートニア様。来てくださると信じておりました。」
「貴女が何故…私を。」
「キアラ…いえ、ドロシーを助けてやって欲しいのです。私はあの子もキラと同じように愛しています。ですが…」
「王はそうではない…という事ですか?」
俺が聞くと、王妃は頷いて涙を浮かべている。
「ルシアは今来た所、ここからなら間に合うかもしれない。」
壁だと思っていた所は、隠し扉だった。
「謁見の間に繋がっています。さあ、早く!!あの子を助けて下さい!」
「はいっ!」
いくつも横路がある所を、王妃直属の護衛が迷わず俺達を案内してくれた。
バタンッ
「っ!?」
勢いよく飛び出た所には、リタン王とルシア、壁際にはノツメとリタンの兵…それに顔から血を流すドロシーがいた。
「ドロシーっ!!」
俺はドロシーのもとまで走って、強く抱き締めた。
「………っ」
「どうしたんだっ!その顔っ!髪もっ!!」
唇は切れてる、拭った後はあっても鼻血も出てた後はある。
長かった髪は肩まで切られている。床に髪が落ちている…今切られたんだ…。
「アンドリュ…さ…ま…?」
「ドロシー迎えに来たぞ。」
「でも…」
「俺は大人にもどった。魔術はとけた。今の俺は、靴を履いて姫を助けに来た20才のアイザックだ。」
「…アイク?」
「ああ」
「よかった…。」
「髪、切られたのか…」
「またのびるわ。……大人になっても私の事を憶えてるの?」
「まあ、そうだな。」
「……最後に会えてよかった。」
「え?」
「国へ帰って…。7才のアイクは私と結婚したかったみたいだけど、アイザック様は違うでしょう。恩を感じて助けにくる事はないの。」
「ドロシー、夫は妻を笑顔にしないといけないんだ。」
「……妻は夫が笑顔なら笑顔でいられる。」
「なら、ドロシーがいなきゃ笑えない。」
「アイク…っ…」
我慢していたんだろう。怖くなかったはずがない。
ドロシーの目から大粒の涙が溢れた。
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