107 / 187
本編後の小話 全19話
エドワードの質問
しおりを挟む
「おい、ちょっと話がある。」
俺はクールを呼び止めた。
「何でしょうか?」
「お前…ニーナにどういう教育をしたんだ。」
カールは目にする事はないが、この男よりはましなはずだ。元凶は絶対この男だ。
「乗馬、剣術、縄脱け、泳ぎ、鍵開け…その他、もろもろ。」
「その中に、女の子の意識は植え付けてないんだな…。」
「…全く。」
この男…。
「俺とカールの『弟』として鍛えましたから。」
「…本当に厄介な男だな…お前は。」
「そんな事言いますけど、ニーナだったから今日まで生きてられたんですよ。家財持ち逃げされて、誘拐犯扱いされて牢にいれられて、友人も、頼れる人もいない、それを生き延びる伯爵令嬢はニーナだけです。」
「……」
その通りだ。
「それに、そんなニーナだから気に入ってるんでしょう。感謝して欲しいくらいです。」
「…感謝はしない。」
「まぁ、女の子っぽくないという面では反省はしています。」
「…そうしてくれ。」
クールがくすくす笑いながら歩いているのを見送って、俺は部屋にもどった。
「あっ!どこ行ってたの?今日ね、皆でエドワードを描いたのよ。」
「…この化け物を描いたのはだれ?」
言わなくてもわかるけど、わざと聞いてみた。
「……」
しゅん…としてる所が可愛いと思う俺はどうかしてる。
俺はクールを呼び止めた。
「何でしょうか?」
「お前…ニーナにどういう教育をしたんだ。」
カールは目にする事はないが、この男よりはましなはずだ。元凶は絶対この男だ。
「乗馬、剣術、縄脱け、泳ぎ、鍵開け…その他、もろもろ。」
「その中に、女の子の意識は植え付けてないんだな…。」
「…全く。」
この男…。
「俺とカールの『弟』として鍛えましたから。」
「…本当に厄介な男だな…お前は。」
「そんな事言いますけど、ニーナだったから今日まで生きてられたんですよ。家財持ち逃げされて、誘拐犯扱いされて牢にいれられて、友人も、頼れる人もいない、それを生き延びる伯爵令嬢はニーナだけです。」
「……」
その通りだ。
「それに、そんなニーナだから気に入ってるんでしょう。感謝して欲しいくらいです。」
「…感謝はしない。」
「まぁ、女の子っぽくないという面では反省はしています。」
「…そうしてくれ。」
クールがくすくす笑いながら歩いているのを見送って、俺は部屋にもどった。
「あっ!どこ行ってたの?今日ね、皆でエドワードを描いたのよ。」
「…この化け物を描いたのはだれ?」
言わなくてもわかるけど、わざと聞いてみた。
「……」
しゅん…としてる所が可愛いと思う俺はどうかしてる。
122
お気に入りに追加
4,780
あなたにおすすめの小説
妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます
冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。
そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。
しかも相手は妹のレナ。
最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。
夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。
最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。
それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。
「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」
確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。
言われるがままに、隣国へ向かった私。
その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。
ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。
※ざまぁパートは第16話〜です
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
探さないでください。旦那様は私がお嫌いでしょう?
雪塚 ゆず
恋愛
結婚してから早一年。
最強の魔術師と呼ばれる旦那様と結婚しましたが、まったく私を愛してくれません。
ある日、女性とのやりとりであろう手紙まで見つけてしまいました。
もう限界です。
探さないでください、と書いて、私は家を飛び出しました。
結婚記念日をスルーされたので、離婚しても良いですか?
秋月一花
恋愛
本日、結婚記念日を迎えた。三周年のお祝いに、料理長が腕を振るってくれた。私は夫であるマハロを待っていた。……いつまで経っても帰ってこない、彼を。
……結婚記念日を過ぎてから帰って来た彼は、私との結婚記念日を覚えていないようだった。身体が弱いという幼馴染の見舞いに行って、そのまま食事をして戻って来たみたいだ。
彼と結婚してからずっとそう。私がデートをしてみたい、と言えば了承してくれるものの、当日幼馴染の女性が体調を崩して「後で埋め合わせするから」と彼女の元へ向かってしまう。埋め合わせなんて、この三年一度もされたことがありませんが?
もう我慢の限界というものです。
「離婚してください」
「一体何を言っているんだ、君は……そんなこと、出来るはずないだろう?」
白い結婚のため、可能ですよ? 知らないのですか?
あなたと離婚して、私は第二の人生を歩みます。
※カクヨム様にも投稿しています。
運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる